ギャラクシー・デジタル、8万BTCを静かに売却完了
米国の仮想通貨投資会社Galaxy Digital（ギャラクシー・デジタル）は2025年7月25日、90億ドル（約1.3兆円）相当の約8万BTCを顧客に代わって売却したと発表しました。
売却されたビットコインは「サトシ時代」と呼ばれる2009〜2011年頃に取得されたもので、この取引について同社は「古参ビットコイン投資家による資産承継対策の一環」と説明しています。
大量のBTCが移動された際も、市場に目立った売り圧力は見られず、価格は一時的に下落したものの、その後は安定した値動きを維持しました。
その後に発表された売却の完了に対しても、ビットコイン価格に急落は見られず、市場はこの動きを冷静に吸収したと見られています。
14年ぶりに動いた8万BTC
ギャラクシー・デジタルによる巨額ビットコイン売却の実行プロセス
8万BTCの移動と市場の冷静な反応
ギャラクシー・デジタルは今回の大量BTC売却について「プライベート取引（店頭取引）や段階的な分割実施を通じて実施され、相場への影響を抑えるよう慎重に対応した」と説明しています。
オンチェーン分析によると、7月上旬に約8万BTCが一斉に移動していたことが確認されています。これらのコインは新たな個人ウォレットに分散されましたが、直後の市場では価格急落やパニック的な売りは発生しませんでした。
当初、専門家の間ではこの動きが「単なる保管場所の変更に過ぎない可能性がある」と指摘されていました。しかし7月中旬以降、ギャラクシー・デジタル関連のウォレットからBTCが段階的に取引所へ送金されており、実際に売却が進行している兆候が見られました。
ギャラクシー・デジタルが遂行した計画的BTC売却
ギャラクシー・デジタルは公式発表の中で、今回の8万BTC超の売却について「仮想通貨市場における名目上最大規模のビットコイン取引の一つ」と表現しています。
同社は、サトシ時代の初期投資家にあたる顧客の依頼を受けて取引を執行し、仮想通貨市場における最古級の保有者による大規模な売却が実行されたと明らかにしました。
巨額売却後もビットコイン価格は安定
ギャラクシー・デジタルによる巨額BTC売却については、一部で市場への悪影響を懸念する声も出ていましたが、結果として急落やパニック的な動きは確認されませんでした。
取引が行われる前の7月下旬には、大口の移動に対する警戒感も影響しビットコイン価格が一時115,000ドル台まで下落しました。その後、同社が売却の完了を発表すると、市場は落ち着きを取り戻し、価格は117,000ドル超まで反発しています。
一部の市場アナリストからは「大口売却による下値リスクは吸収され、短期的な底打ちにつながった」との見方も出ており、長期休眠ウォレットからの放出という歴史的イベントにも市場は落ち着いた反応を示しました。
ブロックチェーン分析アカウント「Lookonchain」もX（旧Twitter）上で今回の大量BTC売却が終了したことを伝え、市場の安定性を改めて強調しています。
米国債とステーブルコインの未来はBTC次第
ビットコイン市場、大量売却後も堅調推移
ビットコイン価格、117,000ドル前後で推移
記事執筆時点のビットコイン価格は約117,500ドル（約1,740万円）で推移しており、年初から続く上昇トレンドを維持しています。
今回の8万BTC売却が発表された後、ビットコイン価格は下落前の水準まで回復し、市場の底堅さを改めて示しました。
取引高や未決済建玉（オープンインタレスト）は過去最高水準に達しており、大型イベントを経た現在も、市場の流動性と投資家の関心は高水準を維持しています。
機関投資家の参入が相場を下支え
大手金融機関による強気予測も相次いでいます。米シティグループのアナリストは、現物ビットコインETFへの資金流入やユーザー層の拡大を背景に、ビットコイン価格が年末までに13万5,000ドルに到達する可能性があるとの見解を示しました。
同アナリストは、弱気シナリオとして最悪の場合でも64,000ドル付近が下値の目処になる可能性があると指摘し、強固なファンダメンタルズがビットコイン価格を下支えしていると分析しています。
2025年に入って以降、ビットコインは金（ゴールド）を上回るリターンを示しており、機関投資家の積極的な参入が価格の安定と上昇を後押ししていると評価されています。
今後も市場環境の変化や投資家動向に注目が集まる中、ビットコインは引き続き世界の金融市場で存在感を強めていくと見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算（1ドル=147.72 円）
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Source：Galaxy Digital公式発表
サムネイル：Shutterstockのライセンス許諾により使用
