米中貿易緩和期待でビットコイン11万5,000ドル台まで回復、主要アルトコインも反発

米中貿易緩和期待でビットコイン11万5,000ドル台まで回復、主要アルトコインも反発(Bitcoin rebounds to $115,000 amid US-China trade easing hopes, major altcoins also recover)
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米中貿易合意で仮想通貨市場が反発

米国と中国の当局者が貿易戦争の鎮静化に向けた暫定的な枠組み合意に達したとの報道を受け、市場の投資家心理が大きく改善しました。

これを背景にビットコイン(BTC)価格は週末にかけて急伸し、11万5,000ドル(約1,758万円)台まで回復して前週までの10万〜11万ドル台のレンジを上抜けています。

また、ETH(イーサリアム)も一時7%以上上昇し、4,200ドル(約65万円)付近まで回復しました。

このほか、ビルドアンドビルド(BNB)ソラナ(SOL)カルダノ(ADA)エックスアールピー(XRP)など主要アルトコインも軒並み反発し、市場全体でリスク志向の買いが広がっています。

米中首脳会談控え仮想通貨相場が回復基調へ

米中合意成立で市場に安心感広がる

今回の米中貿易摩擦緩和に関する合意は、マレーシアで開かれた高官会議で成立したもので、希少鉱物の輸出規制や関税措置、輸送コストの引き下げなど、幅広い貿易問題を網羅する包括的な枠組みとなっています。

両国政府はこれを建設的な進展と位置付けており、今週後半にはドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席による首脳会談が予定されていることから、貿易戦争のさらなる悪化はひとまず回避されるとの期待が高まっています。

トランプ関税発言で市場が混乱

米中対立激化への懸念が強まっていた10月上旬には、トランプ大統領が中国への100%関税を予告する強硬姿勢を示した影響で市場が動揺し、ビットコイン価格は一時10万2,000ドル前後(約1,550万円)まで急落しました。

主要アルトコインも総崩れとなり、仮想通貨(暗号資産)市場全体の時価総額は前日比で約12%縮小し、歴史的な下落を記録しています。

また、この急落で約94億ドル(約1.4兆円)相当のポジションが強制清算され、市場ではリスクオフの動きが一気に広がる状況となりました。

その後、トランプ大統領の態度が軟化し、暫定合意の成立によって状況は一転して市場心理は徐々に改善に向かっています。

ビットコイン上昇の裏にある心理要因

市場専門家によれば、今回の仮想通貨市場の反発は、貿易問題そのものよりもマクロ経済要因が投資家心理に与えた影響の方が大きいとみられています。

米Republic TechnologiesのCEO、ダニエル・リウ氏はDecryptの取材で「ビットコインの上昇はデジタル資産がマクロ経済のセンチメントに左右され続けていることを浮き彫りにした」と述べ、米中協議の進展による楽観ムードがリスク資産全般を一時的に押し上げたと分析しています。

さらに、米Tiger ResearchのCEOダニエル・キム氏も「トランプ氏の対中融和姿勢がビットコインを含むリスク資産にプラスに作用した」と述べ、今週予定される米中首脳会談(APEC)が短期的なボラティリティを高める可能性を指摘しました。

同社のレポートでは、オンチェーンデータが今回の上昇を裏付けておらず、足元の反発には依然として脆弱性が残る分析しています。

加えて、9月の米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったため、10月28日〜29日に開催されるFRB(米連邦準備制度理事会)のFOMCで追加利下げに踏み切るとの観測が高まりました。

市場では0.25%の利下げがすでに織り込まれており、金融緩和による資金流入期待が仮想通貨をはじめとするリスク資産市場を押し上げています。

重要イベント控える仮想通貨市場の動向

ビットコインに強気な機関投資家が増加

米中合意による市場の安定化やリスク資産の回復を背景に、仮想通貨市場でも先行きに対する前向きな見方が広がりつつあります。

Coinbase(コインベース)とGlassnodeの最新レポートによると、今後3〜6カ月間のビットコイン市場について機関投資家の67%が強気姿勢を示したことが明らかになりました。

同レポートでは「市場流動性の改善や良好なマクロ経済環境、さらに規制整備の進展が第4四半期の相場を押し上げる要因になる」と指摘されています。

仮想通貨市場に残る過熱感とリスク要因

一方で、直近の上昇に伴う過熱感や急変動リスクに対する警戒も根強く残っています。

10月初めの米中摩擦再燃時のような急落を経験したことで投資家心理にはなお慎重さが残り、直近の上昇局面でも過度な楽観を戒める声が上がっています。

米中会談とFOMCが相場の分岐点に

今後の焦点としては、10月31日に予定される米中首脳会談(APEC)や米金融政策関連のイベントなど、相場を左右する重要日程が控えています。

とりわけFRBによる0.25%の利下げ実施が確実視されており、パウエル議長の声明や米中関係の行方次第では、仮想通貨市場が再び大きく動く可能性があります。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.89 円)

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サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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