機関投資家の67%が強気、ビットコインの第4四半期見通し|Coinbase・Glassnodeレポート

機関投資家の67%が強気、ビットコインの第4四半期見通し|Coinbase・Glassnodeレポート(67% of institutional investors bullish on Bitcoin outlook for Q4|Coinbase & Glassnode report)
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投資家の6割以上がBTC相場に前向き姿勢

米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)とブロックチェーン分析企業Glassnode(グラスノード)は、共同レポート「Charting Crypto(チャーティング・クリプト)Q4 2025」を発表しました。

同レポートによると、今後3〜6カ月間のビットコイン(BTC)市場について、機関投資家の67%、非機関投資家の62%が慎重ながらも強気の見方をしていることが示されています。

市場の流動性改善や良好なマクロ経済環境、規制整備の進展などが、第4四半期のビットコイン相場を後押しする追い風となる可能性があると指摘しています。

また、現在進行中の強気相場にはまだ上昇余地があるものの、10月10日に発生した急落(レバレッジポジションの大量解消)を受け、市場参加者が一段と慎重になっていることも明らかにしました。

仮想通貨市場の第4四半期展望と投資家の心理動向

FRB利下げ観測と流動性の市場影響

最新レポート「Charting Crypto Q4 2025」では、第4四半期に向けた仮想通貨(暗号資産)市場の見通しを多角的に分析しています。

金融政策面では、FRB(米連邦準備制度理事会)が今四半期中に2度の利下げを行うとの予測が示されており、現在マネー・マーケット・ファンドに滞留している約7兆ドル(約1,056兆円)の資金が市場に流入する可能性があると指摘しました。

DAT企業の台頭とビットコイン需要増

規制面では、米国における包括的な仮想通貨市場構築法案の可決・成立の可能性にも触れています。

米政府機関の一時閉鎖による遅れはあるものの「近い将来に明確で健全な規制がもたらされ、仮想通貨のイノベーションと採用に新たな章が始まる」との見通しを示しました。

供給・需要の観点では、今年の市場で重要なプレーヤーとなったDAT(デジタル資産財務)企業による需要増加が強調されています。

実際にビットコインの流通供給量の約3.5%をこうしたDAT企業が保有しており、イーサリアム(ETH)も約3.7%が同様に保有されています。

レポートでは、最近一部DAT企業の評価額が下落したものの、第4四半期も引き続きこれら企業が重要な買い手となり得ると分析しています。

投資家調査が示すリスクと心理の乖離

一方で、依然として投資環境には次のような留意すべき点があるとも指摘しています。

  • 米政府機関の一時閉鎖の影響で経済指標データの公表が滞っていること
  • 現在見られる潤沢な流動性の効果が11月には薄れる可能性があること
  • 一部のデジタル資産ビジネスモデルの長期的な持続性に疑問が残ること

投資家アンケート結果からは、市場サイクルに対する見方の相違も浮き彫りになっており、機関投資家の約45%が「現在の市場は強気相場の終盤に差し掛かっている」と回答した一方で、非機関投資家で同様に考える人は27%にとどまりました。

向こう数カ月間の最大のリスク要因としては、機関・非機関のいずれの投資家層でも「マクロ経済環境の変化」が最も多く挙げられており(機関投資家の38%、非機関投資家の29%)、景気動向への警戒感も共通しています。

レポートの画像画像:共同レポート

銘柄別の戦略が求められるQ4相場

ただし、同レポートはビットコインに関して「現在の市場環境は特に有利に働いている」と評価する一方、「アルトコインへの投資にはより慎重な姿勢が求められる」と分析しています。

実際、レポートを共同執筆したCoinbaseインスティテューショナルのデビッド・ドゥオング氏も「ビットコインには好材料が揃っているが、アルトコインは慎重に構える必要がある」と述べています。

ビットコイン相場を左右する第4四半期の注目点

史上最大規模のBTC急落とその回復過程

2025年10月以降、仮想通貨市場では大きな動きが見られました。

10月10日には米中貿易摩擦の激化などを背景にビットコイン価格が一時10万2,000ドル(約1,550万円)近辺まで急落し、1日で約190億ドル(約2.9兆円)相当のポジションが強制清算される史上最大規模のフラッシュクラッシュが発生しました。

その後、市場は急速に回復し、10月13日までにビットコイン価格は11万5,000ドル(約1,730万円)前後まで反発しています。

この素早いリバウンドは、現在の市場において機関投資家の需要と規制面の透明性向上が下支えとなり、従来に比べ市場が成熟してきていることを示唆しています。

米仮想通貨運用大手Bitwiseの分析によれば、第3四半期には上場企業によるビットコイン保有量が前期比40%増の約102万BTC(1,120億ドル/17兆円相当)に達するなど、ビットコインの機関採用(インスティテューショナル・アダプション)が飛躍的に拡大しています。

SECとCFTCの協調強化と規制環境の変化

規制面でも前進が見られ、当局は前向きな姿勢を示しています。

9月5日にはSEC(米証券取引委員会)CFTC(商品先物取引委員会)が異例の合同会合を開き、SEC議長のポール・アトキンス氏は「我々2機関は緊密に連携していかなければならない」と述べ、長年続いた両機関間の縄張り争いは「終焉した」と強調しました。

また、同氏はドナルド・トランプ大統領が年内にも包括的な仮想通貨市場構造法案を成立させる意向を示していることを明らかにし、米国の仮想通貨規制が新たな局面へ移行しつつあることを示しています。

こうした米当局の協調路線や政策の動きは、市場参加者に規制面の不透明感を払拭する材料となり、機関投資家のさらなる参入を後押しする要因となる可能性があります。

CoinbaseとGlassnodeのレポートでも「規制は正しい方向に進んでいる」と評価されており、安定したルール作りが革新的な仮想通貨ビジネスの発展に繋がるとの期待が示されています。

ビットコインを中心とした仮想通貨市場は、政策・規制・機関需要という三本柱の動向が第4四半期の価格形成に大きな影響を与えるとみられています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=150.84 円)

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Source:Coinbase・Glassnode共同レポート
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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