P2Pチャットアプリ「Bitchat」発表
Twitter（現：X）の共同創業者であるジャック・ドーシー氏は2025年7月7日に、Bluetoothメッシュネットワークを活用したインターネット不要の新たなP2PチャットアプリであるBitchat（ビットチャット）を発表しました。
ジャック・ドーシー氏は先週末に「Bluetoothメッシュネットワーク、リレー通信、ストア＆フォワード方式、メッセージ暗号化モデル」などについて学んだとのことで、それらの技術を活用したチャットアプリとして「Bitchat」が紹介されています。
Bitchatは、Bluetoothを用いたメッシュネットワーク上で動作する安全かつ分散型のP2Pメッセージアプリであり、インターネット・サーバー・電話番号・アカウント・メールアドレスなどが一切不要な暗号化されたプライベートメッセージツールとなっています。
my weekend project to learn about bluetooth mesh networks, relays and store and forward models, message encryption models, and a few other things.
bitchat: bluetooth mesh chat…IRC vibes.
TestFlight: https://t.co/P5zRRX0TB3
GitHub: https://t.co/Yphb3Izm0P pic.twitter.com/yxZxiMfMH2— jack (@jack) July 6, 2025
Bluetoothメッシュネットワーク、リレー通信、ストア＆フォワード方式、メッセージ暗号化モデルなどについて学ぶための週末プロジェクトです。
bitchat：Bluetoothメッシュによるチャットアプリで、IRC(*1)の雰囲気があります。
TestFlight：
https://testflight.apple.com/join/QwkyFq6zGitHub：
https://github.com/jackjackbits/bitchat
(*1)IRC：インターネットを通じて複数の利用者がリアルタイムに文字メッセージを交換できる古典的なチャットシステム。
Bitchat（ビットチャット）とは？
Bitchat（ビットチャット）は、インターネットやサーバーを一切使わず、Bluetoothメッシュネットワークだけで動作する、完全オフライン型の分散型メッセージングアプリです。
このチャットアプリでは、スマートフォン同士がBluetoothで直接つながり、それぞれが中継（リレー）として機能することで複数の端末がネットワークを構築するため、通信圏外の場所でも、ユーザー同士が安全・匿名にチャットできる仕組みとなっています。
Bitchatの詳細はGitHubで紹介されており、主な特徴しては以下のようなものが挙げられています。
- エンドツーエンド暗号化による高いプライバシー保護
- アカウント登録や電話番号不要で完全匿名
- トピック別のグループチャット＆パスワード保護も可能
- ストア＆フォワード機能によってオフラインの相手にも後からメッセージが届く
- IRCスタイルのコマンド操作で直感的に使える
- iOSとmacOSにネイティブ対応
- ロゴを3回タップで即時にデータ消去できる緊急消去機能
- LZ4圧縮・バッテリーモード制御・ネットワーク効率化対応などでパフォーマンス最適化
IRCスタイルのコマンド操作とは「/~」のような基本コマンドでアプリを操作することを指すもので、具体的な基本コマンドとしては以下のようなものが挙げられています。
- /j #チャンネル名
→ チャンネルに参加または作成 - /m @名前 メッセージ
→ 特定ユーザーにプライベートメッセージ送信 - /w
→ オンラインユーザーを表示 - /channels
→ 発見されたチャンネル一覧を表示 - /block @名前
→ ユーザーをブロック - /unblock @名前
→ ブロック解除 - /clear
→ チャット履歴の削除 - /pass パスワード
→ チャンネルのパスワード設定（オーナーのみ） - /transfer @名前
→ チャンネル所有権の移譲 - /save
→ メッセージ保存の切り替え（オーナーのみ）
Bitchatでは、Bluetooth通信が使用されるため、通信距離や速度に制限はあるものの「災害時・電波の届かない場所・人目の気になる場面」などインターネットに頼らずにセキュアな通信がしたいシーンで広く活用できると期待されています。
また、アプリ内のメッセージは全て暗号化される仕組みで、トリプルタップで即時にデータを消去できる緊急消去機能などセキュリティ面も徹底されているため、「誰の許可もいらず、どこでも誰とでも、安全につながれる、完全オフライン型の分散型メッセージングアプリ」として注目されています。
Bitchat発表後には、このチャットアプリを用いて仮想通貨ビットコイン（BTC）を送信したユーザーが現れたことも報告されているため、Bitchatの今後の展開やさらなる活用には注目が集まっています（※Bitchatのベータ版は既に満員｜アプリは正式リリースに向けて審査中）。
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