株高と乖離する仮想通貨市場の構造的な歪み
米国の市場アナリストであるGarrett(ギャレット)氏は2026年1月29日、主要仮想通貨が株式や貴金属など他のリスク資産に追随できていない背景について「市場構造やレバレッジ調整を含むサイクル要因が主因である」との見解を示しました。
この見解についてギャレット氏は自身のX記事投稿で、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)が出遅れている背景として、取引サイクルや市場のマイクロ構造、一部の取引所やマーケットメイカー、投機ファンドの影響を挙げています。
同氏によると、2025年10月に始まったデレバレッジ型の下落局面において、特に高いレバレッジを用いていた個人投資家が大きな損失を被り、その結果、投機資本の多くが市場から排除されたといいます。
さらに、中国、日本、韓国、米国を中心としたAI関連株が急騰し、貴金属もFOMO的な上昇を見せたことで、アジアおよび米国の個人投資家資金がこれらの市場へ吸収されたと指摘しています。
ギャレット氏は「仮想通貨市場は依然として個人投資家が主要な担い手であり、こうした資本移動の影響を受けやすい」との認識を示しました。
レバレッジ解消進むビットコイン市場
株高局面で浮き彫りになる仮想通貨の構造問題
伝統金融と異なる仮想通貨の資本構造
ギャレット氏は、仮想通貨特有の構造的な課題として、資本が伝統金融(TradFi)のエコシステムに完全には組み込まれていない点を挙げています。
株式、商品、外国為替は同一口座内で取引でき、資産配分の変更が容易であるのに対し、仮想通貨への資金移動には「規制面や運用面、心理的な障壁が残っている」と述べています。
また、仮想通貨市場では専門的な機関投資家の参加が限定的で、多くの参加者が独自の分析枠組みを持たない非専門投資家である点にも言及しています。
その結果、四年周期説や特定の季節要因といった根拠の乏しいナラティブが繰り返し拡散され、価格形成に影響を与えていると指摘しています。
時間軸で異なる仮想通貨の評価
時間軸の違いについても、ギャレット氏は分析上の重要性を指摘しています。
直近3年間ではBTCとETHは他の主要資産を下回るパフォーマンスとなっていますが、2020年3月12日以降の約6年間で見ると、両資産は多くの資産を上回っており、特にETHは最も高いパフォーマンスを示したと説明しています。
これらのことから同氏は、短期的な出遅れについて「長期サイクル内での平均回帰に過ぎない」との見解を示しています。
2015年中国株式市場と重なる構造
さらに、現在の仮想通貨市場は、2015年の中国A株市場におけるレバレッジ拡大後のデレバレッジ局面と類似していると分析しています。
ギャレット氏は、当時は急落後に長期の横ばい局面を経て、マクロ環境の改善とともに複数年にわたる上昇相場へ移行したと説明しています。
ビットコインとイーサリアムの位置付け
ギャレット氏は、こうした市場局面の中でも、ビットコインが「デジタルゴールド」としての価値保存手段という位置付けを失っていないとの認識を示しました。
また、イーサリアムもAI分野やRWA(現実資産)との統合における中核的基盤である限り、長期的に他資産に対して劣後する合理的理由はないと述べています。
同氏は、仮想通貨市場は現在デレバレッジ局面の終盤に近づいているとし、短期的な価格動向のみを切り取った分析は適切ではないとの見方を示しました。
これらのことからギャレット氏は、株高局面での仮想通貨の出遅れはレバレッジ調整や市場構造に起因する循環的な動きであり、短期的な価格乖離のみで評価すべきではないと結論付けています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.72 円)
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Source:Garrett氏X投稿記事
サムネイル:AIによる生成画像
























