パウエル議長利下げ示唆、仮想通貨市場に強気買い広がる
FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル議長は2025年8月22日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催された年次経済シンポジウムにおいて「政策金利が引き締め水準にある中、経済見通しとリスクの変化によっては金融政策の調整が正当化される可能性がある」と利下げの可能性を示唆しました。
この発言を受けて仮想通貨市場に大規模な資金が流入し、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をはじめ主要銘柄が急騰、市場全体も強気ムードとなっています。
特にイーサリアムは価格が約15%急騰して4,885ドル(約71万円)に達し、2021年11月以来およそ4年ぶりに過去最高値(当時4,868ドル)を更新しました。
「アルトコインの逆襲」鮮明に
米国利下げ期待が仮想通貨市場を押し上げ
FRB議長が利下げの可能性を示唆
パウエル議長はジャクソンホール会合での講演で、米経済の現状について「インフレ率は低下傾向にあるが依然として目標を上回っている」と指摘し、労働市場に関しては下振れリスクが高まっているとの認識も示しました。
さらに「失業率の安定は政策変更を慎重に検討する余地を与える」と説明し、景気の見通しとリスクのバランスによっては「政策スタンスの見直し、すなわち利下げが必要となる可能性がある」と言及しています。
金融市場に広がるハト派転換への期待
議長の発言は市場参加者からハト派(金融緩和方向)への転換と受け止められました。これを受け、政策金利先物市場では9月利下げ確率が発言前の約75%から85%超へと跳ね上がり、利下げ観測が一段と強まっています。
Great Hill Capitalのトーマス・ヘイズ氏は「パウエル議長は予想以上にハト派な姿勢を示し、9月の利下げに布石を打った」と指摘しており、金融市場全般では利下げを織り込む動きが広がっています。
ETH急騰、ビットコインを上回る上昇率
こうした中、イーサリアムは発言直後から急伸し、24時間で約15%高の4,885ドル前後まで値を上げて過去最高値を更新しました。今年に入っての上昇率は40%超となっています
一方、ビットコインの年初来上昇率は約32%にとどまり、パフォーマンスではイーサリアムが上回っています。市場アナリストからは「金融緩和への期待が資産価格を支える典型例」との見方が出ています。
さらに業界の著名人も強気な見方を示しており、BitMEX創業者のアーサー・ヘイズ氏は米国の大規模な信用拡大を背景に「イーサリアム価格は2025年末までに10,000ドルに達し得る」と予測しています。
ヘイズ氏、ETH目標値を1万ドルへと引き上げ
規制改善と金融緩和期待でアルトコイン市場高騰
アルトコイン市場では上昇基調が顕著で、ビルドアルドビルド(BNB)は直近1週間で約10%上昇し、900ドル(約13万円)と過去最高値を記録しました。
またソラナ(SOL)、チェーンリンク(LINK)など主要アルトコインも軒並み2桁台の価格上昇率となり、市場全体に強気な流れが広がっています。
史上最高値の更新が相次ぐなどアルトコイン市場は活況を呈しています。市場参加者からは「規制面の改善と金融緩和期待が重なる稀有な局面」との指摘も出ています。
こうした中でも、今後の金融政策や規制の動向次第で市場環境は変化するとみられますが、仮想通貨市場は引き続き高い注目を集め、投資家の関心を呼び込む局面が続いています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.87 円)
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Source:CNBC報道
サムネイル:AIによる生成画像





























