リブワーク、住宅資産NFT化とJPYC決済導入を発表
住宅メーカーのLib Work（リブワーク）は2025年9月1日、ソフトウェア企業アステリアと提携し、NFTを活用した住宅資産デジタルプラットフォームの構築に着手すると発表しました。
公式発表によると、同プラットフォームは3Dプリンター住宅の設計データや施工・修繕履歴をNFTとしてブロックチェーンに記録・証明し、改ざんを防ぎ住宅データの真正性と信頼性を確保することを目的としています。
またリブワークは、同プラットフォームを通じて自社が施工する3Dプリンター住宅の支払い手段として、日本円連動のステーブルコイン「JPYC」を導入する計画も明らかにしています。
両社は、ブロックチェーンの導入で住宅資産の価値を長期的に維持・向上させる世界初の取り組み（※Lib Work調べ）と位置付け、建築業界における新たなデジタル基盤の確立を目指す方針です。
JPYC決済対応の住宅資産プラットフォームとは
NFTが実現する住宅設計データの改ざん防止
発表によれば、同プラットフォームでは住宅の設計図書データをブロックチェーンに保存し、NFTによるデジタル証明書で真正性を証明します。これにより、改ざんや不正な書き換えを防ぐと説明しています。
さらに、補修やメンテナンスの履歴もNFT上に記録され、住宅ライフサイクルの透明性向上に役立つと見込んでいます。加えて、シリアルナンバーを付与することで資産の識別性を高め、市場流通における評価軸を明確にする仕組みとなっています。
同プラットフォームは、分散管理されていた設計・施工・補修情報を一元化して流通させ、新たな住宅資産の価値循環を生み出す狙いです。
また、同プラットフォーム上の住宅データはメタバース（仮想空間）での利用も想定されており、デジタル空間で住宅模型を閲覧・共有するサービスの展開が計画されています。
ブロックチェーンとJPYCが実現する住宅決済
基盤にはアステリア社のデータ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」を採用し、ブロックチェーン上でのデータ管理と決済機能を実装・運用すると説明されています。
これにより、住宅購入時の支払い手段として法定通貨連動型デジタル通貨のJPYCが利用でき、従来の銀行振込に代わる迅速な決済手段になると見込まれています。
JPYCは1JPYC＝1円に価値が連動するステーブルコインで、JPYC社は8月に資金移動業者としての登録を完了しており、今秋から発行を開始する予定です。
リブワークが描く住宅資産DXと国際展開
将来的には、JPYCによる住宅決済の実績を踏まえ、米ドル連動のステーブルコイン「テザー（USDT）」や「USDコイン（USDC）」を用いた国際取引にも対応し、住宅販売のグローバル展開を見据える計画です。
両社は、NFTの一般住宅への活用範囲を広げ、住宅資産の新たな価値循環を創出するとともに、業界全体のデジタルトランスフォーメーションを進める方針を示しています。
なお、リブワークは2040年までに3Dプリンター住宅を累計1万棟着工する目標を掲げており、今回のプロジェクトをその達成に向けた重要な一歩と位置付けています。
アステリア、企業決済DXにJPYC導入
リブワーク、5億円のBTC購入とNFT住宅戦略
今回の取り組みの背景には、リブワークが積極的に展開しているデジタル資産戦略があります。
リブワークは2025年8月18日の取締役会で、総額5億円相当のビットコイン（BTC）購入方針を決定し、その旨を同日に公表しました。
同社は資産ポートフォリオの多様化とインフレ対策を目的にBTCを取得するとしています。購入は2025年9月から12月にかけて段階的に実施され、取得したビットコインはNFT住宅事業と連動させて活用する方針を示しています。
今回のリブワークとアステリアの提携は、住宅産業と暗号資産を融合させる国内初の試みとされ、日本企業がブロックチェーンを実社会に活用する動きとして注目を集めています。
JPYC関連の注目記事はこちら
Source：Lib Work公式発表
サムネイル：AIによる生成画像
