アステリア、企業決済DXにJPYC導入
アステリア株式会社は2025年8月21日、ノーコード型データ連携ツール「ASTERIA Warp」に対応する新たな「JPYCアダプター」を開発すると発表しました。
このアダプターは、日本円建てステーブルコイン「JPYC」の決済データを企業システムと連携できるよう設計されており、円建てステーブルコインを活用した決済効率化を実現する仕組みとなっています。
公式発表によると、このアダプターを利用することで、JPYCのトークン送受を含む決済データを複雑なプログラミングなしで接続でき、財務・会計や基幹システム、クラウドサービスとの連携を通じて資金移動の自動化と高速化が実現するとしています。
なお、JPYCはJPYC株式会社が発行する日本円と1:1で連動するステーブルコインです。同社は8月18日に資金移動業者としての登録を完了し、日本国内で初めて円建てステーブルコインを発行できる事業者となりました。
この登録により、国内初となる日本円建てステーブルコイン「JPYC」の発行が今秋にも開始される見通しです。
アステリアは今回の連携を通じて、円建てステーブルコインを活用した企業間決済のデジタル変革(決済DX)を推進し、より円滑な資金移動を可能にする方針を示しています。
円建てステーブルコイン「JPYC」を承認
アステリアとJPYC連携が示す新たな決済DX
ノーコードで実現するJPYC送受システム連携
アステリアは2022年にもJPYC対応アダプターを提供していましたが、今回のアダプターはJPYCの新仕様に対応する形で全面的に刷新するとしています。
このアダプターを利用することで、日本円建てステーブルコイン「JPYC」のトークン送受データを、財務・会計や基幹システム、各種クラウドサービスにノーコードで接続できるようになります。
この仕組みにより、資金移動の自動化や高速化が進み、企業間の送金・決済業務にJPYCを取り入れやすい環境が整うとされています。また、円建てステーブルコインによる円滑な資金流通を支援する基盤としての役割も果たすとみられています。
JPYC活用で拡大するEC・給与支払い分野
「ASTERIA Warp」は、異なるシステム間のデータ連携をノーコードで実現するEAI/ESB製品です。同社によれば導入企業はすでに1万社を超えており、この基盤により一般企業でのステーブルコイン利用がさらに広がると見込まれています。
また、このアダプターの導入効果は企業間の資金移動にとどまらず、将来的にはEC(電子商取引)やデジタル給与支払いなど幅広い分野への応用が期待されています。
アステリアはJPYC社や一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)のステーブルコイン普及推進部会と協力し、円建てステーブルコインの利用拡大を進める姿勢を示しています。
JPYC社の岡部典孝代表取締役は「ASTERIA WarpとJPYCの連携により、より多くの場面で円滑な資金のやり取りが可能になる」と述べ、実利用シーンの拡大に期待を寄せました。
同氏はさらに「この取り組みを通じて、日本経済のさらなる発展に貢献できることを期待している」と語り、ステーブルコイン活用の社会的意義を強調しています。
「ステーブルコインは金融決済の未来」
JPYC活用で進む日本企業の決済インフラ改革
アステリアとJPYC社の連携は、国内企業における円建てステーブルコインの導入を容易にし、既存の業務プロセスへ自然に組み込める環境を整備する取り組みです。
この仕組みにより、決済や資金移動の効率化に加え、クラウドサービスや基幹システムと直結することで、これまでの金融システムの制約を超えた利便性の高い利用が可能になります。
今回の発表は、こうした取り組みを背景に、ステーブルコインの国内普及を進める上での重要な事例とされ、日本の決済DXを加速させる動きとして業界から注目を集めています。
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Source:アステリア公式発表
サムネイル:AIによる生成画像





























