ギャラクシー・デジタル、年末BTC目標価格を大幅下方修正
Galaxy Digital(ギャラクシー・デジタル)社の調査部門責任者であるアレックス・ソーン氏は2025年11月5日、ビットコイン(BTC)の2025年末における目標価格を12万ドル(約1,850万円)へと引き下げたことをX(旧Twitter)上で明らかにしました。
同氏は以前、第4四半期にビットコインが18万5,000ドル(約2,850万円)に達する可能性を示していましたが、今回の発表でその楽観的な見通しを大幅に引き下げました。
i’m lowering my BTC bullish EOY target to $120k (prev $185k) 👀
just sent this note to clients
whale distribution, non-BTC investments, treasury company malaise, and other factors contributed to BTC headwinds in 25
(long-term future still bullish, of course) pic.twitter.com/2aj1eoJlno
— Alex Thorn (@intangiblecoins) November 5, 2025
年末のビットコイン強気予想をこれまでの18万5,000ドルから12万ドルに引き下げました。(中略)
クジラ(大口投資家)による売り圧力、ビットコイン以外の資産への資金流入、企業の財務戦略の停滞などの複数の要因が2025年のビットコイン相場の逆風となりました。
ただし、長期的な見通しについては依然として強気です。
ソーン氏は予想引き下げの理由として、市場で相次いだ売りや投資環境の変化が影響したと指摘しています。
一方で、長期的な見通しに関しては依然として強気の姿勢を維持しており、ビットコインには今後も価値上昇の余地があるとの見解を示しました。
11月の市場は弱気相場か?
Galaxyアナリストが明かすBTC12万ドル下方修正の理由
クジラの大口売却やレバレッジ清算などが相場を冷却
ソーン氏は自身のX(旧Twitter)投稿で、ビットコインの年末予想を引き下げ、強気シナリオの目標価格を従来の18万5,000ドルから12万ドルへ改定したと明らかにしました。
その理由として、クジラ(大口投資家)による保有ビットコインの売却やビットコイン以外への資金シフト、企業の取得意欲の鈍化など、複数の要因が2025年の市場に逆風をもたらしていると説明しています。
一部では政府によるビットコインの購入・保有に期待する声もみられましたが、現時点でそのような動きは確認されていないと指摘しました。
また、直近の急落局面では過剰なレバレッジ取引の解消(ロングポジションの大量清算)が進み、価格を押し上げていた投機的資金の後退も背景として挙げています。
このようなレバレッジ縮小を受け、市場全体のボラティリティ(変動率)は落ち着きを見せつつあります。
ビットコイン相場に表れた成熟の兆し
一方で、ビットコイン市場は機関投資家の参入拡大やパッシブ資金の流入によって成熟期に入りつつあり、価格変動が緩やかになる傾向も指摘されています。
実際、継続的な機関投資家による吸収(買い支え)やインデックス資金の流入がボラティリティを抑制し、市場の安定性を高めているとの分析もあります。
これはビットコイン市場が、投機主導の段階からより成熟したサイクルへ移行しつつあることを示しています。
なお、Galaxy DigitalのCEOであるマイク・ノボグラッツ氏は最近の米CNBC番組で「ビットコイン価格は特段の好材料がなければ、2025年末まで10万~12万5,000ドルのレンジにとどまるだろう」と述べており、ソーン氏の今回の予想修正はこの見通しと一致するものとなっています。
ノボグラッツ氏は、米国の政策次第で上振れの余地はあるものの、現時点では明確な上昇材料が乏しく、価格は当面レンジ内にとどまるとの見方を示しました。
機関投資家の67%が強気
ETF資金流出で仮想通貨市場が冷え込み
足元の市場では、米国上場の現物ビットコインETFへの資金流入が一巡した後、資金が流出へ転じており、直近数日間で合計約7億ドル(約1,080億円)が解約されたとのデータも報告されています。
こうしたETF解約はビットコイン市場における日々の買い需要を減少させ、相場の上値を重くする要因とされています。
実際、11月5日にはビットコイン価格が一時10万ドルを割り込み約9万9,000ドルまで急落する場面が見られ、この下落に伴い仮想通貨市場全体で約12億7,000万ドル(約1,950億円)相当のレバレッジポジションが強制清算されたとも伝えられています。
また、米ドル指数(DXY)の上昇や米長期金利の高止まりといったマクロ経済要因もビットコインの上値を抑える逆風となりました。
流動性が引き締まる環境下ではリスク資産であるビットコインへの資金流入が鈍化しやすく、その影響でナスダック指数など他のリスク資産市場の下落に連動する形でビットコインも調整局面を迎えています。
こうした状況もあり、市場関係者の間では「米国における仮想通貨規制法案の進展や金融政策の転換といった新たな好材料がない限り、当面はビットコインの上値は重い」との見方が広がっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=153.93 円)
ビットコイン予想関連の注目記事はこちら
Source:アレックス・ソーン氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像



























