レイ・ダリオ氏が語る「ビットコインが安全資産になれない理由」自己保有は1%を維持

レイ・ダリオ氏が語る「ビットコインが安全資産になれない理由」自己保有は1%を維持(Ray Dalio explains why Bitcoin can't become a safe asset and maintains a 1% holding)
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ダリオ氏、BTCへの慎重論を再表明

米著名投資家のレイ・ダリオ氏は2025年11月20日、ビットコイン(BTC)の将来性に対し慎重な見解を改めて示しました。

ダリオ氏はポートフォリオの約1%のみをビットコインで保有していることを明かしたうえで、同資産の成長余地や安全性に依然疑念を抱いていると述べています。

「BTCは準備通貨にならない」ダリオ氏の指摘

ダリオ氏はCNBCのインタビュー番組で「私はごく少量のビットコインを持っています。昔から変わらずポートフォリオの1%程度です」と語り、長年にわたりBTCの保有比率を極めて低く抑えていることを強調しました。

さらに同氏はビットコインについて「取引が追跡できてしまうため主要国の準備通貨にはならない」と指摘しています。

BTCの将来に潜む量子リスクへの懸念

またダリオ氏は、将来的な量子コンピューター技術の進展により「ビットコインがコントロールされたりハッキングされたりする可能性がある」と懸念を示しました。

同氏は以前から規制リスクを指摘しており、2021年には「もしビットコインが本当に成功し過ぎれば、政府はそれを抹殺するだろう」と述べています。

一方、ビットコインを投資ポートフォリオに組み入れる意義を認めており、2025年7月には米国の債務危機に備える一案として「資産の約15%をビットコインまたは金で保有する」ことを提案しました。

ただし本人はビットコインを「少ししか持っていない」と明かす一方で、「金(ゴールド)の方を強く好む」と述べ、実物資産である金への信頼を優先していると語っています。

ビットコイン市場の不安と国家レベルの活用案

相場急落とETF資金流出で揺れる市場

直近ではビットコイン相場が一時7か月ぶりの安値となる9万ドル(約1,400万円)を割り込みました。

相場が不安定な状況が続く中、米資産運用大手BlackRock(ブラックロック)社の現物ビットコインETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」では約5億ドル(約800億円)超の過去最大級の資金流出が発生しています。

金相場が堅調さを維持していることから、ビットコインの「デジタルゴールド」としての安全資産性には改めて疑問が投げかけられ、一部では投資資金が金へ避難しているとの指摘も出ています。

ETF拡大と連邦税の仮想通貨納付構想

一方で、2024年以降に米国で相次ぎ承認された現物ビットコインETFへの投資資金流入は続いており、IBITの純資産額は現在730億ドル(約11.5兆円)超に達しています。

また米議会では2025年11月20日、連邦税をビットコインで納付し国家が戦略準備資産として積み立てる法案「Bitcoin for America Act」が提出されました。

こうした米国での議論に加え、主要国でもビットコインの準備資産化を目指す動きが現れ始めており、ダリオ氏の懐疑的な見方とは対照的に国家戦略への組み込みを模索する兆候も見られています。

こうした市場変動と国家レベルの活用をめぐる議論が並行して進む中、ビットコインの位置付けは依然揺れており、伝統的投資家の慎重姿勢と国家戦略としての活用を模索する動きの間で評価が大きく分かれています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.46 円)

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Source:CNBCインタビュー
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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