ヘイズ氏が示すUSDTの財務不安と透明性問題
仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏は2025年11月30日、自身のX(Twitter)で、Tether(テザー)社の財務リスクに関する見解を投稿しました。
同氏は監査報告書をもとに、テザー社が金(ゴールド)とビットコイン(BTC)で構成されたヘッジポートフォリオを持つことを指摘し、さらにFRB(連邦準備制度理事会)の利下げ観測が利息収入の減少につながる可能性も示しています。
ヘイズ氏によると、テザー社は金とビットコインを追加取得して金利低下に備えており、これらの資産価格が仮に約30%下落した場合、自己資本が減少し、テザー(USDT)の支払い能力にリスクが生じる恐れがあります。
ヘイズ氏はステーブルコインの健全性を評価するため、大口保有者や取引所がリアルタイムでバランスシートの公開を求める可能性があると指摘しています。
The Tether folks are in the early innings of running a massive interest rate trade. How I read this audit is they think the Fed will cut rates which crushes their interest income. In response, they are buying gold and $BTC that should in theory moon as the price of money falls.… pic.twitter.com/ZGhQRP4SVF
— Arthur Hayes (@CryptoHayes) November 29, 2025
(前略)金+BTCのポジションが約30%下落すれば、彼らの自己資本は吹き飛び、理論上USDTは支払い能力を失うことになります。大口保有者や取引所は、テザーの支払い能力リスクを評価するために、リアルタイムのバランスシートを要求するかもしれません。
(中略)トランプ氏批判傾向のある編集者たちはこの状況を好機と見なし、メディアで大騒ぎする可能性が高いでしょう。
USDTのS&P格下げに強く反論
金とビットコイン依存が招くUSDT支払い能力リスク
テザーは、ステーブルコインUSDTの裏付け資産に関する監査報告を定期的に公表しており、準備金の構成には国債、現金同等物に加えて、金やビットコインの保有が含まれています。
報告書によると、同社は市場環境の変化を背景にポートフォリオを調整しており、金利収入への依存度を低下させるために金とビットコインの保有割合を増やしています。
ただし、これらのリスク資産は市場変動が大きく、価格下落がステーブルコインの支払い能力に影響を与える可能性があります。
また、市場分析では、USDTがステーブルコイン市場の時価総額の約60%を占めていることから、テザーの財務状況は仮想通貨市場全体の安定性に影響する重要な要素と位置づけられています。
監査報告書でテザーの積極的なポートフォリオ構成が明らかになったことを受け、市場参加者は今後の市場ショックが準備金の健全性に与える影響を注視しています。
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Source:アーサー・ヘイズ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像



























