クラーケン系銀行がFRB決済に米国初接続「仲介銀行モデル崩壊」か|銀行団体は反発

クラーケン系銀行がFRB決済に米国初接続「仲介銀行モデル崩壊」か|銀行団体は反発

この記事の要点

  • Kraken系銀行がFRB決済システムへの直接接続を初めて取得
  • 仲介銀行なしでFedwireを利用可能に、業界の構造転換へ
  • 米銀行業界は規制の公平性・安定性への影響を懸念し反発
  • トランプ政権の仮想通貨規制明確化の動きとも連動する焦点
目次

クラーケン系銀行がFRB決済に初接続、銀行業界は懸念

大手仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)の親会社Paywardは、ワイオミング州認可銀行であるクラーケン・フィナンシャルがFRB(米連邦準備制度)のマスターアカウントを取得したと発表しました。

デジタル資産銀行が中央銀行の決済インフラへ直接アクセスする権利を得るのは米国史上初の事例であり、この認可によりクラーケン・フィナンシャルはFedwireを含む米国の中核的な決済ネットワークへ仲介銀行を介さず直接接続できるようになります。

これにより、従来コルレス銀行(他の銀行を仲介して決済を行う仕組み)を通じて行われていた法定通貨の決済や資金移動を、中央銀行口座経由で処理できる体制が整います。

仮想通貨企業が中央銀行の決済システムへ直接接続する事例は極めて異例であり、今回の動きはデジタル資産業界と伝統的金融システムの関係における重要な転換点とみられています。

一方、この動きに対して米国の銀行業界からは懸念の声が上がっています。

米国銀行政策研究所(Bank Policy Institute)は、仮想通貨企業が中央銀行インフラへ直接アクセスすることについて、規制の透明性や決済システムの安定性への影響を問題視し、今後の先例となる可能性に警戒感を示しています。

5年超のの協議を経て実現した認可、銀行団体は懸念表明

ワイオミングSPDIとフルリザーブ運営

クラーケン・フィナンシャルは、ワイオミング州が認可する特別目的預託機関(SPDI)として設立された州規制銀行で、顧客の法定通貨預金の100%以上に相当する流動資産を保有するフルリザーブモデルで運営されています。

同社によると、今回のマスターアカウント取得は、5年以上にわたる規制当局との協議や広範な審査、業務運営体制の精査を経て実現しています。

Paywardおよびクラーケンの共同CEOであるアルジュン・セティ氏は、今回の認可について、仮想通貨インフラと国家金融基盤の融合を示す節目になるとの認識を示しました。

また、連邦準備制度のマスターアカウント取得により「米国の銀行システムへ直接接続された金融機関として運営できるようになる」と説明しています。

同氏はさらに、Fedwireによる直接決済によってコルレス銀行への依存を減らし、規制された法定通貨の流動性をデジタル資産市場へ統合できると述べ、これがフルリザーブモデルを採用するワイオミング州のSPDIにとって重要な基盤になるとの見方を示しました。

先行は機関投資家領域、決済機能を順次拡張

Kraken Financial(クラーケン・フィナンシャル)は、今回の認可を受けて段階的にサービスを展開する方針を示しています。

まずはクラーケンにおける機関投資家の取引活動の支援を中心に運用を開始し、各機能はPaywardのインフラへ段階的に統合される予定です。

同社は今後も連邦準備制度およびワイオミング州の規制当局と連携しながら、決済機能の拡張を進めるとしています。

銀行団体が反発、規制プロセスの透明性を問題視

これに対し、米国銀行政策研究所(Bank Policy Institute)は、仮想通貨企業による中央銀行決済インフラへのアクセスについて懸念を示す公式声明を公表しました。

同研究所は、規制プロセスの透明性が十分でない可能性を指摘しており、今回の認可が他の仮想通貨関連企業にも同様のアクセスを求める動きを促す先例になり得ると警戒しています。

また銀行業界では、中央銀行の決済インフラへの直接アクセスが金融システムの安定性や規制の公平性に影響する可能性があるとの懸念も示されています。

今回の認可は、デジタル資産企業と伝統的金融システムの関係をめぐる議論が米国内で続くなかで発表されたものであり、金融インフラの在り方をめぐる議論に新たな焦点を当てる動きとして大きな関心を集めています。

政策・規制の攻防、トランプ氏発言と金融インフラ論争

米国内では、仮想通貨企業と伝統的金融システムの関係をめぐる政策・規制の議論が続いています。

ドナルド・トランプ大統領は、仮想通貨規制の明確化を目的とする「CLARITY(クラリティ)法案」の即時可決を求め、銀行業界が仮想通貨企業による金融サービスの利用を妨害していると痛烈に批判しました。

こうした議論の中で、クラーケン・フィナンシャルによるマスターアカウント取得は、仮想通貨企業が米国の中央銀行決済インフラへ直接接続する初の事例となりました。

銀行業界からは中央銀行インフラへのアクセスを巡る懸念も示されており、規制当局が今後どのような対応を示すのかが注視されています。

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Source:Kraken発表 / Bank Policy Institute声明
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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