この記事の要点
- 米上院銀行委員会がCLARITY法案の修正審議告示へ、14日採決に向け調整進む
- 米国初の包括的な仮想通貨規制法成立へ最終局面を迎える
CLARITY法案、14日採決へ最終調整
5月8日、米仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」について、上院銀行委員会が早ければ同日8日(米国時間)にもマークアップ(修正審議)の告示を出す準備を進めていることが明らかになりました。
米メディアFox Businessの記者エレナー・テレット氏がXへの投稿で、複数の業界関係者の話として伝えています。
同氏によると、上院銀行委員会は選定された業界関係者にドラフト文書を配布しており、5月14日の採決に向けた調整が進められているとされています。
ドラフト文書を確認した業界関係者の初期反応は概ね前向きとされる一方、ブラケット(未確定箇所)に残された条項のうち、ステーブルコインの利息規定や政府高官の倫理条項については、最終調整が続いています。
法案が上院銀行委員会を通過した場合、米国初となる包括的なデジタル資産連邦規制法案として、上院本会議での採決へ進む見通しです。
🚨SCOOP: The Senate Banking Committee is preparing to notice a markup for the Clarity Act as soon as tomorrow and has circulated draft legislative text to select industry members ahead of a potential Thursday vote, according to multiple industry sources who have seen the text.…
— Eleanor Terrett (@EleanorTerrett) May 7, 2026
🚨独自:上院銀行委員会は早ければ明日にも「Clarity Act」のマークアップ(条文審議・修正手続き)を正式通知する準備を進めており、木曜日にも採決が行われる可能性を前に、一部の業界関係者へ法案ドラフトを共有したことが分かった。実際に文書を確認した複数の業界筋が明らかにした。
法案の文言は現在も最終調整中とされ、民主党側の優先事項を反映するため、今後さらに修正が加えられる見通し。
ある関係者は、法案を確認し他の業界リーダーらと調整した後の全体的な印象について「現時点ではポジティブだ」と述べた一方で、括弧付きで保留されている一部セクションについては、すでに決着したと思われていた重要条項が依然として流動的である可能性への懸念も出ているという。
「7月4日成立が目標」WH顧問
決着間近の2争点、利回り規定と倫理条項
妥協案に銀行5団体が反発、修正提案へ
最大の難所だったステーブルコインの利回り規定については、トム・ティリス上院議員とアンジェラ・アルソブルックス上院議員が5月2日に最終文書を公表しました。
最終文書では、ステーブルコインを保有するだけで利息や利回りを受け取る仕組みを禁止する一方、取引や支払いなど実利用に紐づく報酬は認める内容となっています。
一方、米銀行協会(ABA)など5団体は5月4日に共同声明を発表し、利息禁止の方針自体は支持しつつも、報酬プログラムを通じて銀行預金に近い利回りを提供できる「抜け穴」が残っていると指摘しました。
5団体は、預金流出によって消費者・中小企業向け融資が20%以上縮小する可能性があると警告しており、数日以内にも具体的な修正提案を議会へ提出する方針を示しています。
倫理規定なしには「投票しない」民主党警告
もう一つの懸案である倫理条項については、ニューヨーク州選出のキルステン・ジリブランド上院議員が5月6日のConsensus Miami 2026で、法案支持の前提条件を示しました。
同氏は政府高官が仮想通貨資産から利益を得ることを禁じる規定なしには「この法案に投票する者はいないだろう」との見解を示しています。
同氏は、倫理条項に加え、消費者保護や違法金融対策を含む3項目について「この1週間で決着させる必要がある」と述べ、5月14日に予定される上院銀行委員会のマークアップに向けた最終調整を促しました。
これに対し、ホワイトハウス顧問のパトリック・ウィット氏は同じConsensus Miamiの場で「大統領から新人インターンまで」一律に適用される規定であれば受け入れる立場を示しました。
一方で同氏は、家族や特定の政治家を狙い撃ちにする内容には応じない方針も改めて強調しており、倫理条項の適用範囲をめぐる協議はマークアップ直前まで続くとみられています。
世論52%支持、政権は7月4日成立を視野
世論調査会社HarrisX(ハリスX)が5月7日に公表した全米2,008人の有権者を対象とした調査では、法案の内容について中立的な説明を受けた回答者のうち52%がCLARITY法案を支持し、反対は11%にとどまりました。
同調査では、70%が「米国は仮想通貨に関する法整備をもっと早く進めるべきだった」と回答したほか、62%が「米国がデジタル金融の世界ルールを主導すべきだ」と答えています。
党派別の純支持率は民主党が+48ポイント、共和党が+43ポイント、無党派層が+32ポイントとなり、いずれも30ポイント以上の差で支持が反対を上回りました。
CLARITY法案は2025年7月に米下院を賛成294票・反対134票の超党派で通過しており、5月14日の上院銀行委員会マークアップで可決された場合、上院本会議での採決へ進む見通しです。
上院本会議では60票の確保が必要となり、可決後は下院案との調整や大統領署名を経る手続きへ進みます。ホワイトハウス側も早期成立を目指しており、ウィット氏は7月4日の米独立記念日までの成立を目標に掲げています。
ただし、倫理条項やステーブルコイン報酬規定をめぐる調整は現在も続いており、CLARITY法案をめぐる協議は5月14日のマークアップを前に大詰めを迎えています。
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Source:エレナー・テレット氏X投稿
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