クラリティ法案「7月4日成立が目標」WH顧問が明言|倫理条項が新たな壁に

クラリティ法案「7月4日成立が目標」WH顧問が明言|倫理条項が新たな壁に

この記事の要点

  • ホワイトハウスがCLARITY法案の成立目標を7月4日に設定
  • 成立確率はPolymarketで65%、5月マークアップが正念場
目次

CLARITY法案、7月4日成立を目標に

2026年5月7日、ホワイトハウス仮想通貨評議会のパトリック・ウィット事務局長は、マイアミで開催されたコンセンサス・カンファレンスに登壇し、仮想通貨市場構造法「CLARITY(クラリティ)法案」の成立目標日を7月4日の独立記念日に設定していると明らかにしました。

The Blockの報道によると、ウィット氏は「7月4日を目標にしている。米国建国250周年を祝うにあたって素晴らしい誕生日プレゼントになると思う」と述べ、上院が6月中に法案を前進させ、その後に下院との調整を完了させる日程が十分に確保できるとの見方を示しています。

同法案が成立した場合、仮想通貨(暗号資産)取引所・投資家・関連事業者がSEC(米証券取引委員会)CFTC(米商品先物取引委員会)のいずれの監督下に置かれるかについて、初めて法律上の管轄整理が進む見通しです。

法案ではCFTCとSECの役割分担整理を柱としており、これまで規制解釈が分かれていたデジタル資産ビジネスの監督枠組み整備が進むとみられています。

一方で法案成立までには上院で複数の手続きが残されており、ウィット氏も同カンファレンスで、主要論点がステーブルコイン関連規制から倫理条項へ移行しているとの認識を示しています。

ステーブルコインから倫理条項へ争点移行

利回り付与問題、妥協案テキストで前進

クラリティ法案の成立を長らく阻んできた最大の障壁は「ステーブルコインへの利回り付与の可否」をめぐる対立で、銀行業界は既存の預金商品との競合を理由に強く反発し、上院銀行委員会でのマークアップ(修正審議)前進を妨げてきました。

こうした対立が続くなか、先週にはソム・ティリス議員とアンジェラ・アルソブルックス議員が妥協案テキストを公表し、交渉は大きく前進しました。単純な残高への利回り付与は禁止しつつ、取引活動に連動した報酬は容認する内容となっています。

妥協案については、米仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)の最高法務責任者ポール・グルワル氏も同カンファレンスで「Coinbaseにとって最も重要な機能を守っており、実行可能な中間地点だ」と述べたことが報じられています。

一方で、米銀行業界団体5団体は妥協案が「不十分」と批判を続けており、グルワル氏は「私が参加した数多くの会議を通じて、銀行側はこの主張を裏付ける実質的な根拠を何も示せなかった」と一蹴しています。

上院銀行委員会のマークアップは早ければ来週にも実施される見込みで、法案審議が正式段階へ進むかどうか注視されています。

民主党「倫理条項なければ賛成なし」と明言

ステーブルコイン利回り問題が一定の決着を見せるなか、新たな障壁として浮上してきたのが倫理条項の扱いです。

同カンファレンスに登壇した民主党のカーステン・ジリブランド上院議員は「倫理条項が含まれなければ、法案に賛成票を投じる民主党議員はいない」と述べ、これを絶対条件と示しました。

背景には、トランプ大統領とその一族による仮想通貨関連事業と利益相反への懸念があります。トランプ大統領と妻のメラニア氏は、就任前にミームコインを発行していました。

さらにトランプ一族は、DeFi(分散型金融)とステーブルコイン事業「World Liberty Financial(ワールドリバティ・ファイナンシャル)」の運営にも関与しています。

ブルームバーグは、関連事業からの収益を少なくとも14億ドル(約2,190億円)と推定しており、民主党内では利益相反問題を踏まえて倫理条項を求める声が強まっています。

こうした倫理条項を巡る対立について、ウィット氏は「民主党との最近の協議は良好に進んでいる」と述べ、妥協への楽観的な見通しを示しました。

ただし民主党側は特定の個人や役職を狙い撃ちにする条文は受け入れられないとの立場を一貫して維持しており、ウィット氏も「ルールは大統領にも議会の新人インターンにも等しく適用されるものでなければならない」と説明しています。

7月4日目標の達成に必要な複数の関門

倫理条項を巡る対立に加え、日程面でも複数の関門が残されています。

7月4日の目標達成には、残り約2カ月以内に上院銀行委員会でのマークアップと採決、上院本会議で必要となる60票の確保、さらに下院との調整まで完了させる必要があります。

下院は2025年7月に賛成294票・反対134票で独自バージョンを可決しており、上院の可決後は両院協議会での調整が不可欠となります。

ウィット氏は「夏までに成立することに非常に楽観的だ」と繰り返しており、ホワイトハウス側が法案成立を急いでいる姿勢も示されています。

一方で米投資銀行TD Cowen(TDコーウェン)は銀行業界団体の反発を受け、クラリティ法案の今年中の成立リスクが高まったと警告しており、市場の見方は割れています。

マークアップと倫理条項、5月が正念場

こうした与野党の対立や審議日程への注目が続くなか、利回り規定の最終文書公表後にPolymarket(ポリマーケット)での成立確率が65%まで上昇しており、業界では今月のマークアップ実現への期待が高まっています。

CFTCのマイク・セリグ委員長も5月4日のBloombergインタビューで7月4日目標への期待を示しており、ウィット氏との認識が一致しています。

ただし上院は8月10日から夏季休会入りするため、マークアップが5月中に実施され、6月の本会議採決まで進められるかどうかに、仮想通貨業界と金融市場の注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.32 円)

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Source:The Block報道
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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