この記事の要点
- SBI・大和が海外向けデジタル証券構想を検討、27年開始めざす
- シンガポール接続やアニメIP証券化も対象に含む構想
デジタル証券で海外マネー呼び込む新構想
2026年7月7日、SBI証券と大和証券がデジタル証券(セキュリティトークン)を活用し、海外投資家による対日直接投資を可能にする仕組みの構築を検討していることが明らかになりました。
日本経済新聞の報道によると、両社は早ければ2027年の取引開始をめざしており、社債などの有価証券をデジタル証券として発行・流通させることで、海外投資家が日本の資産へ直接投資できる取引基盤の構築を進めています。
この仕組みが実現すれば、従来は手続きの煩雑さや仲介コストが障壁となっていた対日投資の負担が軽減され、海外投資家は日本の社債やコンテンツ関連資産へ、より円滑に投資できる環境が整う見通しです。
構想では、デジタル証券基盤を手がけるBOOSTRY(ブーストリー)との連携に加え、シンガポール市場との接続も視野に入れており、日本の資産を海外投資家へ提供する新たな流通ルートの構築が検討されています。
広告取引のオンチェーン化を検討
BOOSTRY・アニメ投資、海外展開の全体像
シンガポール経由で日本のSTを海外提供
日本経済新聞によると、今回の構想ではシンガポール市場との直接接続を通じ、日本のデジタル証券をシンガポールの機関投資家や富裕層へ提供する仕組みが検討されています。
この取り組みでは、野村ホールディングス(野村HD)とSBIホールディングス(SBI HD)が出資するフィンテック企業BOOSTRY(ブーストリー、東京・千代田)が提供するインフラの活用が想定されています。
BOOSTRYが提供する「ibet for Fin」はデジタル証券の発行・管理に対応したブロックチェーン基盤であり、国内金融機関によるデジタル証券の発行でも導入実績があります。
シンガポール市場との直接接続が実現すれば、複数の仲介機関を経由せずに取引できるようになり、決済コストや取引時間の削減につながる可能性があります。
アニメなどコンテンツ産業も投資対象に
報道では、対象資産を社債などの伝統的な金融商品に加え、アニメなど国内コンテンツ産業へ広げる構想も伝えられています。
デジタル証券では権利を細分化しやすいことから、アニメ作品や関連知的財産(IP)の収益権を証券化することで、個人投資家を含む幅広い投資家が参加しやすい仕組みの実現が見込まれています。
海外から日本のコンテンツ産業へ直接資金を呼び込めるようになれば、制作会社にとって新たな資金調達手段となるほか、海外投資家にとっても日本の知的財産へ投資する選択肢が広がります。
一方で、コンテンツ分野のセキュリティトークン化では、権利評価や法的整理が金融商品とは異なるため、制度面の調整が今後の課題とされています。
国内ST実証の成果を海外市場へ展開
こうした取り組みの背景には、SBI証券と大和証券が2026年4月にデジタル証券をトークン化預金で決済する国内初の実証実験を完了した実績があります。
この実証ではBOOSTRYのブロックチェーン基盤「ibet for Fin」とトークン化預金「DCJPY」を組み合わせ、デジタル証券の発行から決済までをオンチェーンで処理できることが確認されました。
国内では同年2月にも3メガバンクと野村HD、大和証券がステーブルコインで株式・債券を購入する仕組みの検討を開始しており、今回の海外展開構想は、国内で進めてきたデジタル証券基盤を海外市場へ展開する取り組みとして位置付けられています。
関連の注目記事はこちら
Source:日本経済新聞
サムネイル:AIによる生成画像



























