この記事の要点
- Ledger共同創業者が流動資産のほぼ全額をBTCで保有と告白
- 銀行破綻と金没収の経験から「資産の自己管理」重視を主張
Ledger創業者「全資産をBTCで保有」と告白
ハードウェアウォレット大手Ledger(レジャー)の共同創業者エリック・ラルシュヴェック氏がポッドキャスト「When Shift Happens」に出演し、流動資産のほぼすべてをビットコイン(BTC)で保有していると明かしました。
「自分が豊かになる手段として見たことはなく、常に仕事の成果を守る手段として見てきた」と語る同氏は、ビットコインを値上がり益を狙う投資対象ではなく資産を守る手段と位置づけ、資産保全を目的に長期保有を続けています。
一方で、価格が100万ドル(約1.6億円)を超えると確信しながらも、その実現は戦争や通貨危機など深刻な混乱を伴う世界になるとの見方を示しました。
また、資産価値はユーロではなくビットコインの保有数量で捉えており、法定通貨建ての価格変動には関心を向けていないとも語っています。
BTC「底はかつてなく近い」
銀行とゴールドで得た教訓とビットコイン長期戦略
銀行破綻と金没収の2つの経験
ラルシュヴェック氏がビットコインをほぼ唯一の資産として保有するようになった背景には、法定通貨システムへの信頼を失う2つの出来事があり、それが資産を自ら管理する重要性を強く意識する転機になったと語りました。
1つ目は2004年ごろで、ラトビアの銀行へ預けていた資産が同行の経営破綻によって失われ、数十万ユーロに及ぶ当時の全財産を一度に失ったと振り返っています。
この経験から同氏は、銀行口座の残高は自分の資産そのものではなく、銀行が利用者に対して負う債務にすぎないとの認識を持つようになったと説明しています。
その後には、ルクセンブルクの銀行へ預けていた金の延べ棒が返還されず、口座閉鎖とともに売却代金のユーロだけが送金された経験も明かしており、この出来事によって第三者へ資産を預けるリスクを改めて実感したと述べました。
こうした経験を通じて同氏は、最終的な資産は自分自身で管理できるものであるべきだとの考えに至り、自ら管理できる資産としてビットコインを保有するようになったと語っています。
価格上昇の先に見える戦争と通貨崩壊の影
こうした考え方を持つ同氏は、ビットコインが長期的に100万ドルを超える可能性は高いとみる一方で、その価格上昇は健全な世界情勢を映したものではないとの認識も示しています。
具体的には「ビットコインが100万ドルや1,000万ドルに達する世界は、多くの苦しみを伴う世界だ」と語り、戦争や法定通貨の崩壊、債務危機や社会不安などが価格上昇の背景になるとの見方を明らかにしました。
また「完璧な世界ではビットコインに価値はない」とも述べており、銀行や通貨、政府への信頼が揺らぐ局面だからこそ、その価値が高まるとの考えを示しています。
その例としてイランとフランスを挙げ、各国が抱える政治・経済リスクによって、ビットコインが果たす役割は大きく変わると説明しています。
日々の値動きを無視する長期保有戦略を提唱
ただし、こうした資産配分は自身の価値観に基づく選択であるとしたうえで、同氏は「私のように全額をビットコインに入れるべきではない」と一般の投資家へ呼びかけています。
その一方で推奨しているのがドルコスト平均法(一定額を定期的に買い増す積立手法)で、生活に必要な資金とは切り分けながら、価格を気にせず買い続けることが重要だとしています。
さらに「うまくいったのはビットコインの存在を忘れていた人だけだ」とも語っており、日々の価格変動に振り回されず長期的な視点で保有を続けることが望ましいとの考えを示しました。
「ビットコインは歴史的割安」
100万ドルへの道は「成功」か「崩壊」か
長期的な価値をめぐって同氏は、ビットコインを世界的にも歴史的にも最良の資産と評価し、著名投資家マイケル・セイラー氏と見方を共有していると語っています。
一方で価格が100万ドルへ向かう過程については、普及の成功ではなく、戦争や債務危機、通貨システムの崩壊といった混乱の裏返しになるとの立場を一貫して取っています。
ビットコイン強気派の多くが普及拡大を価格上昇の根拠として挙げる一方で、ラルシュヴェック氏は金融システムへの不信こそが価格上昇の背景になるとの考えを示しています。
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Source:エリック・ラルシュヴェック氏インタビュー
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

























