キャッシュレス化が招く「プライバシー問題」解決の鍵はビットコイン:Arthur Hayes
仮想通貨取引所BitMEX(ビットメックス)のCEOであるArthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏は「物理的な現金(紙幣および硬貨)」は人々が思っているよりも早い段階で消滅すると語った上で、キャッシュレス社会が実現した時には「ビットコイン(Bitcoin/BTC)」がプライバシーを保護するための"鍵"になると説明しています。
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「分散化された仮想通貨」と「集中化された電子マネー」
Arthur Hayes(アーサー・ヘイズ)氏は、2019年1月3日にBitMEXの公式ブログで公開された記事の中で、近い将来「物理的な現金(紙幣および硬貨)」は消滅することになり、「ビットコインのような完全に分散化された通貨」と「集中型の電子マネー」という2つのお金が主流になるといった考えを語っています。
現在の世の中では、様々な種類の「電子マネー」と「仮想通貨」が存在していますが、ヘイズはそれら2つの通貨には大きな違いがあると説明しています。
現金を元にして作られた新しいお金である「電子マネー」は、"物理的な現金"よりも簡単に支払いを行うことができるようなっており、自らの資産を効率的に管理することができます。しかしながらこの便利はお金は「プライバシーが欠如している」という点で度々指摘を受けています。
電子マネーの一般化に伴う「懸念点」
キャッシュレス化が進み「電子マネー」が一般的に使用されるようになれば、電子マネーを管理している企業や政府は、人々がいつどこで何を購入し、どれほどのお金を持っているのか?を全て確認することができるようになります。これによって違法な取引がなくなり、脱税や資金洗浄などの犯罪行為にも対抗できることが期待されていますが、これらの情報を一部の組織が管理することに関しては反対する声が数多く上がっています。
自分が「いつどこで何を購入しているのか」を全て監視できる状態になることを最初から嬉しく思う人はあまりいないでしょう。それによってもたらされるメリットは複数存在するものの、実際にそのようなシステムを受け入れるためには多少時間がかかるのが一般的です。
特に税金に関する問題などに関しては、世界各国で現在も議論が続けられており、高額な税金には反対する声なども出ています。電子マネーが一般化することによって、政府は確実に各種税金を徴収することが可能になりますが、税率がこのままさらに引き上げられ続けることになるのであれば、「確実に徴収される高額な税金」に対して人々の不満が爆発することは間違いないと考えられます。
お金を合理的に管理することができる「電子マネー」は、一見すると素晴らしいテクノロジーであるように見えますが、それらのデータを管理する銀行や政府官僚などによる"資金横領"や"データの不正利用"などといった様々な問題が解決されていない場合には、実際に技術を採用することによってさらに状況を悪化させる危険性があります。
ビットコインに期待される「本当の価値」
ビットコイン(Bitcoin/BTC)をはじめとする複数の仮想通貨は、このような懸念に対処する手段として期待されています。ビットコインは完全に分散化された状態で管理されており、直接的なお金のやりとりを可能にします。また、取引の内容に関しても「利用者が誰であるのか」といった詳しい情報までは特定できないようになっているため、プライバシーを保護することができると期待されています。
複数の報告では「ビットコインのネットワークもすでに監視され始めている」とも報告されていますが、Lightning Network(ライトニング・ネットワーク)のような技術はプライバシーを"ある程度"高めることができるとも言われています。
アーサー・ヘイズ氏は"ビットコインはまだ実験段階である"と説明した上で「ビットコインが誕生してまだ間もない技術であること」や「過去10年間に渡って1度もハッキングされていない」という事実は驚くべき成果であると語っています。
このように語るヘイズ氏は、ビットコインの研究開発がこれからさらに進められ、送金速度や手数料などの問題が解決されれば、『ビットコインは現金がなくなった時に"プライバシー"を保護するための最善の希望になる』と説明しています。
投稿された記事の最後でヘイズ氏は要約として次のように述べています。
長い間、現金はプライバシーの面において最善の決済手段として機能してきましたが、より効率的で透明性の高い電子マネーの誕生に伴い、政府は徐々に"物理的な現金(紙幣および硬貨)"を時代遅れのものにしていくでしょう。プライバシーが保護されている現金は、あなたが思っているよりも早く選択可能な決済手段から除外されると考えられます。
現金が利用できなくなると安全に価値を保管し、移動させるための手段がなくなるため、一般の人々は"ビットコイン固有の価値"を理解するようになるでしょう。
生活していく上で必要不可欠な存在である"お金"に関するデータは、「プライバシー」に関わる非常に重要なものであるため、デジタル化社会への移行が進んでいる現代社会では個人個人が改めて"お金のあり方"について考え直す必要があると言えるでしょう。
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