ブロックチェーンベースの「土地管理システム」開発へ:メキシコ自治体
米国の大手オンライン小売業者「Overstock.com」の子会社である「Medici Land Governance(MLG)」は、メキシコのキンタナ・ロー州にあるトゥルムの自治体と協力して、ブロックチェーンベースの「土地登記プラットフォーム」を開発することを約束する覚書(MoU)に署名しました。この情報はNASDAQ(ナスダック)が2019年2月4日に公開したプレスリリースで明らかになりました。
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Medici Land Governance(MLG)とは
Medici Land Governance(MLG)は、米国の大手オンライン小売業者「Overstock.com」のブロックチェーン子会社である「Medici Ventures」のポートフォリオ会社です。
2018年に設立された同社は、発展途上国に次世代の土地管理システムを構築するためにブロックチェーン技術やその他のテクノロジーを用いた「低コストでユーザーフレンドリーな土地管理システム」を提供しています。
複数の国で最先端の土地管理システムを提供している同社は、昨年7月にザンビア政府とも土地所有権の見直しを行うための契約を結んでいます。
土地所有権を証明して「世界経済との繋がり」を強化
Medici Land Governance(MLG)とトゥルムの自治体は、土地の所有権証明書を発行して不動産の所有データや関連情報を収集するためのデジタルプラットフォームを開発し、その後は土地管理や取引の最新情報を自動的に収集して保存する方法も開発すると伝えられています。
「Medici Land Governance」のCEOであるAli El Husseini(アリ・エル・フセイニ)氏は、メキシコの土地登記に最先端テクノロジーを採用することによって、土地の所有権が正当なものであることを証明し、個人と世界経済の繋がりを強化することができると説明しています。
メキシコの土地登記に先進技術が採用されることによって、個人が土地の正当な所有権を通じて世界経済との繋がりを強化する機会は増加することになるでしょう。
「Medici Land Governance」の次世代型土地管理システムは、信頼性と安全性を備えたデジタル資産管理プラットフォームを開発する際の問題に対する平等主義的な解決策を提供し、トゥルムとその周辺地域に信頼をもたらします。
トゥルム市長であるVíctorMas Tah氏は、今回のMoUは『土地所有権のデジタル化と関連プロセスの新しい秩序の始まりを示している』と説明しています。
不動産・土地登記へのブロックチェーン活用事例
不動産や土地登記の分野でのブロックチェーン技術活用はその他の国でも進められています。
オーストラリアのニューサウスウェールズ州は、昨年10月に「2019年夏までにブロックチェーン技術に基づいた土地登記システムの概念実証を完了する」と発表しています。
オランダの土地登記所は「これらの技術が不動産の分野にどのような影響をもたらすか」を調査するために国内の不動産データ管理にブロックチェーン技術を適用するテストを行う計画を昨年5月に明らかにしています。
情報管理の分野に大きなメリットをもたらすことができるブロックチェーン技術は、世界各国の様々な業界で活用されています。