自由の国だったチュニジアでビットコイン規制が起きているのはなぜか?
2010年に北アフリカで起きた自由を勝ち取る大規模デモ「アラブの春」の先頭に立ったチュニジアは現在、自由の国とは程遠く、国民の経済的な自由を拘束している。同国は現在資本規制を行い、国民はドルなどの外貨を所有する権利も与えられていない。そんな資本規制の中、ビットコインがチュニジア経済の自由を取り戻しインフレから国民の身を守る通貨として注目されている。
チュニジアとビットコインの戦い
2015年11月、チュニジアのビットコインコミュニティは、政府関係者との議論の場を設けた。しかし、政府はこのテクノロジーに反対し、国の脅威として認識しているという。それとは対照的に、同国のビットコインユーザーは送金・オンライン決済においてビットコインが可能性に満ちた通貨として利用し始めている。
現在チュニジアでは、利用者の急増から他の国と比べてビットコイン価格が 20%〜30%ほど高騰している。この現状は「資本規制をする国でも仮想通貨の需要が増加する」という事実を示している。
貧困国民は仮想通貨のチャンスを求めている
以上の事実は「人々の経済的自由を求める気持ちを国家では抑圧できない」ということを示唆している。ビットコインはチュニジアの経済的自由を求めている人にとって有益な通貨であり、成長する可能性の高さを示している。通常通貨では自由貿易、国境を越えて取引することはできない。
若者と国家とビットコイン
電子決済の最高峰であるクレジットカードは、経済的不安定国家では使用できないリスクが常につきまとう。途上国では常に経済的、政治的、社会的困窮によって国民の資産が脅かされている。このような国では、若者がベンチャー企業を立ち上げるチャンスすらない。
多くの国では、若者が政府を恐れており、政府はビットコインを恐れている。そして、若者はビットコインを信じている。といったアンバランスな現象が起きている。今後、途上国でビットコイン革命がアラブの春のように広がっていく可能性が非常に高い、今回のチュニジアの事例はその第一歩に過ぎないだろう。