オクラホマ州、ビットコイン準備法案が1票差で否決|有力候補はテキサスとアリゾナに

by BITTIMES

オクラホマ州、BTC法案成立ならず

オクラホマ州議会上院の歳入・税制委員会は2025年4月15日に、戦略的ビットコイン準備法案(HB1203)を1票差の僅差で否決しました。

同委員会の審議では、法案を支持するブライアン・ガスリー上院議員が「ビットコインは過去4年間で損失を出したことがなく、もはや無視できない」と法案の必要性を訴えていました。

HB1203の原案では、オクラホマ州の一般歳出安定化基金や憲法上の非常用資金(レイニーデイ基金)などの州貯蓄、および州年金基金の最大5%をビットコイン(BTC)など時価総額5,000億ドルを超える仮想通貨やステーブルコインに投資できるよう、州財務長官に権限を与える内容でした​。

この法案は今年3月下旬、オクラホマ州下院本会議で77対15という大差で可決されていましたが、上院審議の前段階で上院側の法案提出者が入れ替わるなど調整が難航し、今回の委員会審査で否決される結果となりました。

否決の背景にある仮想通貨への根強い警戒感

今回の法案否決の背景には、公的資金の投資先に仮想通貨(暗号資産)を加えることに対する強い懸念の声があります。

モンタナ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州、ワイオミング州などでも、ここ1〜2か月で州のビットコイン準備金制度導入案が次々と否決されています。多くの議員は価格変動の激しさや市場の不安定性を理由に挙げています。

特に仮想通貨に積極的とされるワイオミング州でさえ、今年2月の州議会下院採決では賛成がわずか1票という圧倒的多数で否決され、先進地域でも慎重な姿勢が鮮明になっています。

また、オクラホマ州のトッド・ラス財務長官も法案審議の段階で「支持者たちはインフレ対策として評価しているものの、私としては慎重に小規模から始めるべきだと考える」と控えめな立場を表明していました。

ビットコイン準備法案、候補州の進捗状況

オクラホマ州の法案が事実上廃案となった今、2025年の現行会期中にビットコイン準備金制度を実現できる可能性が高い州として、テキサス州とアリゾナ州に注目が集まっています。

テキサス州、副知事がビットコイン支持を表明

テキサス州では、チャールズ・シュウェルトナー上院議員が提案した「テキサス戦略的ビットコイン準備法(SB21)」が3月6日に州上院本会議を通過しました。

可決時にダン・パトリック副知事は「ビットコインは"デジタル・ゴールド"と呼ばれるように、その希少性と中央管理されない特性がテキサス州の将来に重要な資産となる」と高く評価しました。

この法案は州財務長官(テキサス州会計監査官)の管轄下にビットコイン準備基金を設立し、主にビットコインへの投資を行うもので、専門家で構成される諮問委員会の設置や定期的な報告提出も義務づけています。

当初の法案では具体的な投資上限額が示されていませんでしたが、シュウェルトナー議員の提案に対し、民主党のロン・レイノルズ下院議員が3月10日、投資枠を最大2億5,000万ドル(約355億円)に制限する法案(HB4258)を提出しました。この法案では郡などの地方自治体による仮想通貨投資も1,000万ドルまでに抑制するよう求めています。

アリゾナ州、上院で法案が前進

アリゾナ州では共和党のウェンディ・ロジャーズ上院議員とジェフ・ウェニンガー下院議員が提案した「アリゾナ戦略的ビットコイン準備法(SB1025)」が着実に進展し、2月27日に州上院を通過しました。

この法案は州財務長官が管理する州の資金や公的年金基金について、最大10%までをビットコインなどの仮想通貨に直接投資できるようにするもので、州政府の資産運用に仮想通貨を取り入れる道筋を作る内容となっています。

ロジャーズ議員は委員会審議の中で「2018年以降、州が持つドル資産の価値は約25%も目減りした」と指摘し、ビットコインを「インフレや債務不履行リスクから身を守り、購買力を保てる資産」として州財政に取り入れる必要性を強く主張しました。

ニューハンプシャー州、法案成立の見通しに不透明感

さらに、ニューハンプシャー州でも下院から提出されたビットコイン準備法案(HB302)が4月10日、192対179の僅差で可決されました。

HB302は州政府の一般基金などから最大10%をビットコインや金などに投資できるようにする内容で、13票差という接戦の末に上院へと送られました。

同州は知事も共和党のケリー・アヨット氏が務めているため法制化の可能性はまだ残っていますが、下院での僅差での可決や他州の動向を考慮すると、今期中の成立が期待できる有力州からは外れるという見方も出ています。

「BTC準備法案の成立」テキサスとアリゾナに期待集まる

テキサス州とアリゾナ州はすでに上院を通過した実績があることから、制度実現への最有力候補として注目を集めており、いずれかの州で法案が最終的に成立するかどうかが今期の焦点となっています。

どちらかの州でビットコイン準備金制度が正式に成立すれば、米国内でのビットコインの社会的・経済的な地位が大きく向上すると考えられ、世界各国の政策判断にも波及効果をもたらす可能性があります。

今後も各州議会の動向には多くの関心が寄せられており、こうした法案が実現した場合の仮想通貨市場への影響は非常に大きいと予想されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.19円)

>>最新の仮想通貨ニュースはこちら

Source:BitcoinLaws投稿
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:AIによる生成画像

仮想通貨ニュース|新着

Solana Seeker注文者向けダッシュボード「Seeker Hub」登場|エアドロ情報などを確認可能NEW

Solana Seeker注文者向けダッシュボード「Seeker Hub」登場|エアドロ情報などを確認可能

Circle、新たな送金ネットワークCPNを導入|USDCを使ったリアルタイムのクロスボーダー決済が可能にNEW

Circle、新たな送金ネットワークCPNを導入|USDCを使ったリアルタイムのクロスボーダー決済が可能に

アプトス、ステーキング報酬を半減か|利回り低下でバリデーターに懸念広がるNEW

アプトス、ステーキング報酬を半減か|利回り低下でバリデーターに懸念広がる

「イーサリアムの巨大な船」立て直しに必要なこと|バンクレス創設者NEW

「イーサリアムの巨大な船」立て直しに必要なこと|バンクレス創設者

仮想通貨XRP、ラテンアメリカで人気の決済手段として市場拡大|BitsoレポートNEW

仮想通貨XRP、ラテンアメリカで人気の決済手段として市場拡大|Bitsoレポート

米金融大手チャールズ・シュワブ、1年以内に暗号資産現物取引サービス提供予定NEW

米金融大手チャールズ・シュワブ、1年以内に暗号資産現物取引サービス提供予定

仮想通貨入門 - 基礎知識

仮想通貨がもらえるエアドロップとは?参加方法・注意点・税金などについて解説

仮想通貨がもらえるエアドロップとは?参加方法・注意点・税金などについて解説

仮想通貨HYPE(Hyperliquid)とは?基本情報・特徴・購入方法などを解説

仮想通貨HYPE(Hyperliquid)とは?基本情報・特徴・購入方法などを解説

仮想通貨DEX「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」の特徴や使い方を徹底解説

仮想通貨DEX「Hyperliquid(ハイパーリキッド)」の特徴や使い方を徹底解説

ソラナ基盤の代表的なDeFiプロジェクトを紹介|特徴・運用方法・注意点も

ソラナ基盤の代表的なDeFiプロジェクトを紹介|特徴・運用方法・注意点も

ソラナ(SOL)基盤の代表的なDAppsを紹介|使い方や注意点も

ソラナ(SOL)基盤の代表的なDAppsを紹介|使い方や注意点も

ソラナ(Solana/SOL)系ミームコインとは?代表銘柄トップ5もあわせて紹介

ソラナ(Solana/SOL)系ミームコインとは?代表銘柄トップ5もあわせて紹介

市場分析・価格予想

「アルトコインの大規模な上昇が迫る」流動性・景気循環の底打ち|著名アナリスト予測NEW

「アルトコインの大規模な上昇が迫る」流動性・景気循環の底打ち|著名アナリスト予測

「ビットコイン・金・銀」を手にする者だけが生き延びる|ロバート・キヨサキ氏

「ビットコイン・金・銀」を手にする者だけが生き延びる|ロバート・キヨサキ氏

ドージコイン(DOGE)「ミームを超えて主流の資産になりつつある」21Sharesレポート

ドージコイン(DOGE)「ミームを超えて主流の資産になりつつある」21Sharesレポート

トランプ大統領、中国を除いて関税90日間停止を発表|ビットコイン82,000ドルまで回復

トランプ大統領、中国を除いて関税90日間停止を発表|ビットコイン82,000ドルまで回復

ビットコイン、関税の嵐を乗り切る「安全資産」としての可能性|バイナンスレポートまとめ

ビットコイン、関税の嵐を乗り切る「安全資産」としての可能性|バイナンスレポートまとめ

仮想通貨市場も急落「米国関税の90日間停止」を要求|パースカント社CEOビル・アックマン氏

仮想通貨市場も急落「米国関税の90日間停止」を要求|パースカント社CEOビル・アックマン氏