この記事の要点
- 部族団体・議員がCLARITY法案に予測市場規制の追加を要請
- 管轄権争いが新争点に、休会前の法案可決に不透明感
CLARITY法案に予測市場の管轄権条項を要求
8月4日、部族ゲーミング(賭博)規制団体と複数の米上院議員が、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」にスポーツ賭博の規制条項を加えるよう求めていることが明らかになりました。
The Blockの報道によると、米インディアン・ゲーミング協会(IGA)のテハシ・ヒル副会長は同日の上院インディアン問題委員会の円卓会議で、予測市場を通じたスポーツ賭博やカジノ賭博を禁じるよう議員に要請しています。
同副会長は、こうした市場を管轄するのはCFTC(商品先物取引委員会)ではなく州や部族のゲーミング法だと明確にすべきだと主張し、連邦当局への権限集中に反対する立場を示しました。
この要請により、CLARITY法案を巡る議論では、仮想通貨(暗号資産)の市場構造に加え、予測市場の管轄権をどの当局が担うべきかも新たな論点として浮上しています。
100万の声が議会へ、採決へ圧力
CFTCと州・部族、予測市場の管轄権争い
連邦と州で割れる予測市場の規制権限
予測市場をどの当局が規制するのかをめぐっては、この1年ほどのあいだ、スポーツ賭博の扱いを中心に、連邦政府と州のあいだで規制権限を巡る対立が続いてきました。
連邦側ではCFTCのマイケル・セリグ委員長が、同委員会は予測市場に対する「専属的管轄権」を持つと主張し、複数の州を相手取って訴訟を起こしてきました。
トランプ政権もこうした立場を支持しており、予測市場に対するCFTCの排他的な権限を維持することは「極めて重要だ」と表明しています。
これに対し州側は、スポーツイベントを対象とする予測市場のプラットフォームは地元のゲーミング法や賭博法に違反すると主張し、連邦政府の姿勢に反発を続けてきました。
急拡大する予測市場、大手2社が存在感
こうした規制権限を巡る対立の背景では、予測市場そのものが急速に拡大し、金融市場の新たな分野として存在感を高めています。
なかでもPolymarket(ポリマーケット)とKalshi(カルシ)は利用者を大きく増やし、企業価値もそれぞれ数十億ドル(数千億円)規模へと拡大してきました。
両社はいずれも、州ごとに異なる賭博規制ではなく、CFTCによる単一の連邦規制のもとで事業を展開できる環境を求めていると報じられています。
一方、部族ゲーミング団体は、CLARITY法案をスポーツ賭博の管轄権を州や部族側へ取り戻す足がかりと捉え、規制条項の追加を求めています。
修正条項の追加めぐり議員の意見が対立
ただし、こうした修正要求を法案へ反映させるべきかどうかについては、8月4日の円卓会議でも上院議員の見解が分かれました。
民主党のティナ・スミス上院議員(ミネソタ州)は、クラリティ法案か農業法案のいずれかに、管轄権を明確にする文言を盛り込むよう提案しました。
同議員は「CFTCの権限がインディアン・ゲーミング規制法(IGRA)や部族と州の契約を上書きしないことを明確にする手段はすでにある」と述べています。
そのうえで、予測市場も既存の法律に従うべきであり、管轄権を整理すること自体は比較的単純な問題だと指摘しました。
これに対し、上院農業委員会のジョン・ブーズマン委員長(共和・アーカンソー州)は、未成年者の賭博やインサイダー取引への懸念には理解を示しました。
ただし同委員長は「仮想通貨と予測市場は別の問題であり、両者を同じ法案で扱うべきではない」として、修正条項の追加には慎重な姿勢を維持しています。
「書かれていない法案を批判」と反論
休会前のCLARITY法案、可決へ課題山積
クラリティ法案の上院審議は、8月上旬の夏季休会を前に、限られた日程のなかで大詰めを迎えています。
上院本会議で可決するには60票が必要となるなか、政府高官の利益相反を制限する倫理規定を巡る与野党協議が、これまで最大の争点となってきました。
そこへ予測市場を巡る修正要求も加わり、クラリティ法案の審議では新たな修正案についても協議されることになりました。
休会入りまでの限られた日程では、倫理規定に加え、予測市場を巡る修正要求を法案へ盛り込むかどうかについても与野党が判断を迫られています。
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Source:The Block報道 / 米上院インディアン問題委員会
サムネイル:AIによる生成画像


























