この記事の要点
- 金融庁が信託型ステーブルコインの100万円制限緩和を要望
- 緩和で自動車・住宅の購入など高額決済にも利用可能に
まずはステーブルコインを詳しく
金融庁、SC「100万円制限」の緩和要望
2026年8月24日、金融庁が信託銀行発行型の日本円ステーブルコインについて、個人が100万円を超える取引にも利用できるよう、規制緩和を税制改正要望に盛り込む方針であることが、日本経済新聞の報道で明らかになりました。
背景には高額取引をめぐる制約があり、信託銀行が発行するステーブルコインでは個人が1回に扱える金額が事実上100万円にとどまるため、大口決済に利用しにくい状況が続いてきました。
この制約が見直されれば、これまで利用が難しかった高額取引にもステーブルコインを使えるようになり、日本円建ての高額決済へ用途が広がります。
ただし、現時点では税制改正要望に盛り込む段階にあり、100万円を超える取引を可能にする制度変更については、今後の議論を経て具体化される見通しです。
金融庁、暗号資産の監督体制を刷新へ
信託型ステーブルコインで高額決済可能に
改正資金決済法で3類型、いずれも制約
金融庁が規制緩和を求めている信託銀行発行型は、2023年施行の改正資金決済法で新たに発行が認められた、電子決済手段としてのステーブルコインの一類型にあたります。
同法ではステーブルコインを暗号資産(仮想通貨)とは異なる電子決済手段と位置づけ、銀行・信託会社・資金移動業者の3種類に発行主体を限定しました。
資金移動業者が発行するタイプには1回あたり100万円の送金上限が設けられているほか、信託銀行発行型についても個人による高額取引は事実上難しい状況にあると日本経済新聞は伝えています。
金融庁は、資金移動業者とは異なる仕組みで発行される信託銀行発行型について、個人による100万円超の取引を可能にする方向で制約を見直す方針だと同紙は報じています。
車や住宅もステーブルコインで決済可能に
取引額の制約が見直されれば、ステーブルコインの用途は日常的な少額決済から、自動車や住宅の購入といった数百万円規模の支払いへと広がります。
これまで銀行振込が中心だった大口の支払いでも、規制緩和によってステーブルコインを利用できるようになれば、ブロックチェーン上で直接決済する手段が加わります。
日本円建ての価値を保ったまま大口の資金を移動できるため、決済時間や手数料を重視する事業者にとっても、従来の銀行振込とは異なる決済手段として利用が広がる見通しです。
国内初の信託型SC、SBIが「JPYSC」発行
こうした制度見直しが検討されるなか、国内では信託型ステーブルコインの発行がすでに始まっています。
SBIグループは2026年6月、金融庁の承認を得たうえで、傘下のSBI新生信託銀行が発行する日本円ステーブルコイン「JPYSC」を、信託型としては国内で初めて発行しました。
その翌月には、グループのSBI VCトレードが利用者の保有するJPYSCを貸し出して賃借料を受け取れるレンディングサービスを開始し、想定年率を1〜3%程度としています。
発行体と関連サービスの整備が並行して進み、国内では信託型ステーブルコインの発行から運用までを支える環境が整いつつあります。
暗号資産・SCの税制部会を新設
決済への実装進む日本円ステーブルコイン
日本円ステーブルコインを実際の売買に利用する事例も登場しており、HashPort(ハッシュポート)は「JPYC」で決済できるNFTマーケットプレイスを国内で初めて提供しています。
企業向けの国際決済でもステーブルコインを取り入れる動きがあり、野村ホールディングスは米Circle(サークル)と組んで、USDコイン(USDC)で外貨を即時に決済するサービスを2027年にも始める計画を明らかにしました。
国内での利用事例や企業向けサービスの計画が具体化するなか、金融庁による規制緩和が実現すれば、日本円ステーブルコインは少額の売買だけでなく、より大規模な決済にも利用される見通しです。
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Source:日本経済新聞報道
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