Ledger端末に不正チップ、欧州量販店でも発見「地域限定」の前提崩れる

Ledger端末に不正チップ、欧州量販店でも発見「地域限定」の前提崩れる

この記事の要点

  • Ledger改ざん端末が欧州MediaMarktでも発見
  • 被害額は最大147億円、報告地域が3地域に拡大
目次

Ledger不正改造、欧州でも発見

Xユーザーの0xJohannes_(ヨハネス)氏は2026年10月11日、欧州の大手家電量販チェーン「MediaMarkt」で購入したLedger製ハードウェアウォレットから、不正なインプラントが見つかったと報告しました。

正規小売店で購入された端末からスパイチップとみられる部品が確認されたことで、Ledger公式オンラインストア以外で端末を入手した利用者にも、保有デバイスの安全性を確認する必要性が浮上しています。

【注意喚起】Ledgerの不正改造、アジア以外でも確認か

今回報告されたのは、欧州の正規販売店で店頭購入されたデバイスです。画像2を見ると分かるように、正規品にはこのようなケーブルは付いていません。

今回のデバイスには、以前報告された「スパイ用インプラント」とみられる不正な部品が組み込まれているようです。しかも、購入されたのはわずか数週間前でした。最近の手口では、インプラントを画面の裏側に隠すことで、発見されにくくしているケースが多いようです。(後略)

この問題は当初、東南アジアの正規リセラー「CryptoBilis(クリプトビリス)」を通じて購入された端末で資金流出が起きた事案として明らかになりました。

Ledgerは10月9日から調査を開始しており、複数のオンチェーン分析では、被害額が最大で約9,340万ドル(約147億円)に達した可能性があると推定されています。

これまで被害の中心はアジアとみられていましたが、欧州の正規小売店で購入された端末からも同種の部品が見つかったことで、公式ストア以外の購入者にリスクが広がっています。

欧州報告で拡大局面、被害147億円

東南アジア販売店からの被害で調査

Ledgerは2026年10月9日、CryptoBilisを通じて購入されたデバイスの利用者から資金流出の報告を受け、調査を始めたと明らかにしました。

CryptoBilisはマレーシアを拠点に、インドネシア・マレーシア・フィリピンでLedgerの正規リセラーとして登録されてきた販売業者で、関連する被害額は8,600万〜9,340万ドル(約136億〜147億円)に達した可能性があると推定されています。

Ledgerは購入者に対し、未使用端末の初期設定を避けることや、設定済み端末から新しいシードフレーズの別端末へ資産を移すことを呼びかけています。

シードフレーズ窃取の不正チップを発見

こうした資金流出の原因とみられる不正部品については、元Mt.Gox CEOのマーク・カルプレス氏が10月10日、マレーシアで入手したLedger端末の内部写真をXに投稿して構造を明らかにしました。

カルプレス氏は、新型のインプラントが画面の緩衝材部分に隠されており、端末を開封しても一目では見つけにくいと説明しています。

同氏によると、このインプラントはウォレットの初期設定時に画面へ表示されるシードフレーズ(リカバリーフレーズ)を読み取り、内蔵の通信モジュールを通じて攻撃者へ送信する構造になっているとされています。

Ledgerの真正性チェックはセキュアエレメントの正当性を確認する仕組みであり、元のセキュアエレメントが残っている場合は不正な物理改造を検知できない可能性も示されています。

私のLedgerはマレーシアから届きましたが、外装のシュリンク包装は完璧で、開封前に不審な点は見当たりませんでした。

端末を開けても、最初は不正な部品に気づかないかもしれません。画面のクッション材が入るはずの場所に、巧妙に隠されているからです。(後略)

Ledger「被害は特定販売店に限定」

Ledgerは10月11日、被害を受けた利用者のデバイスに不正なハードウェアインプラントが存在したことを確認したと説明しました。

同社は、自社システムや直販ルートには影響が及んでおらず、確認済みの被害はCryptoBilisを通じて販売されたデバイスに限られるとの見解を示しています。

Ledgerは最新の声明で、CryptoBilisでの販売停止に加え、認定リセラー管理の見直しやハードウェア保護の強化、当局との連携を進めているとしています。

欧州の量販店購入端末にも不正品の疑い

しかし同日、ヨハネス氏が欧州のMediaMarkt店舗で購入した製品からインプラントを見つけたと報告したことで、問題がCryptoBilisの販売網に限られない可能性が出ています。

MediaMarktはドイツに本拠を置く欧州最大級の家電量販チェーンで、イタリアやスペイン、トルコ、ポーランド、オーストリア、オランダなど欧州の複数国で店舗を展開しています。

ヨハネス氏は、アジアや南米でも同様の事例が報告されているとしており、欧州での発見によって報告地域は3地域に広がりました。

カルプレス氏は、ヨハネス氏の端末のアンテナに「ユーラシア版」とみられる記載があったことにも触れ、地域ごとのモバイル周波数に合わせた複数バージョンが存在する可能性を指摘しました。

自分の端末は安全か、自己検証の壁

ハードウェアウォレットをめぐっては2026年に大型被害が相次いでおり、7月末から8月にかけてはColdcard(コールドカード)のファームウェア脆弱性を悪用した約1億1,600万ドル(約183億円)規模の流出も報告されました。

Coldcardの事案は弱いシード生成を突いた攻撃とされており、今回のLedger問題とは手口が異なるものの、自己管理ウォレットでも端末や生成環境の確認が課題になっています。

ヨハネス氏は、Ledger公式オンラインストア以外で端末を購入した利用者に対し、ソフトウェアによる真正性チェックだけに頼らず、実際に端末を開けて内部を確かめるよう呼びかけています。

CryptoBilis経由の被害にとどまるのか、欧州のMediaMarkt購入端末を含む他の販売網にも調査が及ぶのかについて、Ledger側の追加説明が待たれています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=158.17 円)

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Source:0xJohannes_ X投稿
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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