マーシャル諸島が独自の仮想通貨ソブリン(SOV)の発行を予定
マーシャル諸島共和国は独自の仮想通貨ソブリン(SOV)の発行を予定していることがわかりました。同国の国会は2月26日に、ソブリンの発行法案を可決したとのことです。
ソブリンは国家財務省によってイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を通じて一般に発行され、マーシャル諸島が現在自国通貨として使用している米ドルと共に法的通貨として流通させることが予定されています。
これには議会による最終認可が必要ですが、否決は「まず無い」とケネス・ケディ国会議長がブルームバーグに語っています。
仮想通貨ソブリン(SOV)とは?
ソブリンの発行時期は決まっていませんが、インフレーションを防止するために供給量の上限は2400万枚に設定されています。
また規制環境下の既存の銀行で受け入れられるよう、ブロックチェーン上で利用者に本人確認を要求する仕組みを採用しています。
技術としては、アプリを通じて国際送金を促進するイスラエルの新興企業『Neema』が開発している『Yokweフレームワーク』に基づいて設計されており、このプロトコルは口座を実際の政府確認の身元に結びつけることによって、顧客および金融犯罪の懸念を軽減するように設計されているとのことです。
この新しいフレームワークにより、マーシャル諸島の居住者だけが通貨の自由配分を受けつつ、世界の投資家がソブリンのICOにも参加できるようになります。
ICOで調達した資金は?
政府は米国賠償金支払いの終了に先立ち、ICOの収入を使用して財源を強化するとしています。
これは米国が1940年代と1950年代の核兵器実験場としてこの場所を使っていたことに対して、島民に報酬を与えることを意味しているとのことです。
ICOによって調達された資金の活用方法としては、70%が予算措置後の補償額のギャップを相殺するために使用され、10%は米国の核実験の影響を受けている人々のために、気候変動/グリーンエネルギー/医療/教育を支援するために投資されます。そして残りの20%がマーシャル市民に直接配布される予定であることが報道されています。
関係者のコメント
ヒルダ・ハイネ大統領
「これは私たちの国民にとって歴史的な瞬間です。ついに米ドルと共に、我が国独自の通貨を発行し使用することになります。これは国家的な自由を明確にするためのさらなる一歩となります。」
デイビッド・ポール(David Paul)大統領補佐大臣
「この新たな国家発行コインは18年末までには発行されるはずだ」
「具体的には我が国の長期的なニーズを狙っている」
「マーシャル諸島は、透明暗号システムを採用した最初の国であり、我々はそれを誇りに思います。われわれは、経済をより弾力的にし、支払いをより透明にしている」
官製仮想通貨としては、20日にベネズエラ政府が仮想通貨ペトロの発行を開始したと発表しました。その他にも中国、エストニア、イランなどが独自の仮想通貨の発行を検討しています。
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