中国政府ビットコイン規制を強化か?一部取引所サービスが停止
1月11日の中国中央銀行「中国人民銀行」の公式声明からしばらく、中国国内のビットコイン取引所が慌ただしい動きを見せています。
現在、中国ビットコイン取引所大手である「 BTCC 」ではビットコインの信用取引サービスの停止を発表。ビットコイン投資プラットフォームである「 BTC123 」ではビットコイン金融システムの停止を公式発表しています。
もう 1つの大手である「 OK Coin 」は立ち入り調査は行われているが業務への影響はないとコメントしています。
中国のビットコイン関連の報道はネガティブな物が多いが、中国政府の真意はどうなのでしょうか?
今回は、多くのビットコイン投資家が気になっている「中国のビットコイン規制」の動きについて詳しく調べていきたいと思います。
ビットコイン規制は中国にとってメリットなのか?
中国政府がビットコインを規制する理由は単純で「政府にとってマイナスだから」の一点のみです。
逆に「政府にとってプラス」であると判断できれば規制はされません。
では「中国政府にとってビットコインの何がマイナスになるのか?」という視点から今後注意すべき動向について予想していきたいと思います。
人民元とビットコイン
ビットコイン価格が跳ね上がると最もダイレクトに影響を受けるのが「人民元」です。
当然ですが、中国政府は「人民元の価格が下落するほど、ビットコインが上昇する」のを快く思いません。
なので、ビットコインが元の価格を下げる通貨であれば中国は厳しい対応をしていくでしょう。
最近のビットコイン価格の暴落も「人民元の価格上昇」が大きな影響を与えています。
高まりすぎた中国国内のビットコイン投資熱を一旦下げるために、5日中国は元の価格を上げました。
そうすることで、多くの投資家がビットコインを売って、元を買い求めました。その結果ビットコインが下落したのです。
中国政府はそれくらいのことは平然とやります。
中国政府とビットコイン取引所
最近のトップニュースである「中国人民銀行と規制当局によるビットコイン取引所の立ち入り検査」ですが、これは非常にネガティブな報道のされ方がされています。
ただ、著者としては「政府のポジティブな行動ではないか?」という視点で今回の件は見ています。
理由としては「政府と取引所の連携がうまくとれていること」です。
ルールを明確にした中国政府
中国政府からは「ビットコインを自分たちである程度コントロールしたい」という思惑が垣間見れます。
ここまで多くの投資家が参入しているビットコインを完全に規制することは本音を言うと中国政府としてもメリットよりもデメリットが大きいはずです。
しかし、あまりにも元が下がるようであれば強硬手段に出るはずです。
なので、あくまでスタンスとしては「投資をしても良いけど元をおろそかにはするなよ」というメッセージかと思われます。
それを踏まえて、11日の公式発表を言い換えると「少しビットコインに熱くなりすぎていませんか?元もちゃんと持っていなさいよ」と言っていると捉えられます。
その上で今回は、各取引所が打ち出している「ビットコインの投資商品」に目をつけたのでしょう。
各取引所のファインプレー
今回の公式発表で、中国ビットコイン取引所大手「 BTCC 」はビットコインの信用取引サービスの停止を発表し、ビットコイン投資プラットフォームである「 BTC123 」はビットコイン金融システムの停止と金利の見直しを発表しています。
著者は各取引所の判断をファインプレーだと考えています。
要は政府の立ち入り調査の結果「これはちょっとやりすぎの投資商品じゃない?」とツッコミをもらった上で、
取引所の判断で「では自主規制します。」と言ったわけですから、
「政府の判断には従います」という明確な立ち位置を発表したわけです。
そして取引所がそれに従った。
最悪の状況を回避する良い判断だと思います。
最悪な状況ではない
現状、中国政府の規制の動きはなく、中国ビットコイン取引所主要 3社も通常運転を続けています。
検査が未だ行われている状態ではあるが、あくまで「政府の意見には従います」というスタンスと年末から年始に起きた「異常なほどの価格上昇」がなければ規制が入る可能性は低いと思われます。
あくまで中国政府はビットコインの「手綱」を持っておきたいのでしょう。
現状ビットコインの規制が行われれば中国政府も、取引所も、投資家も誰も得はしませんからね。
今後しばらくは「中国政府とうまく付き合っていくビットコイン市場」になっていくと思われます。
これも現在のビットコイン取引の 90%以上が中国で行われていることが問題であり、取引が全世界で行われるようになればこのリスクは下がっていきます。
1日でも早くビットコイン市場が安定していくことを願います。