三井住友海上：DAO（分散型自律組織）活用した「新卒採用プロジェクト」開始

三井住友海上「DAO型採用」の参加者募集開始

三井住友海上火災保険株式会社は2023年10月5日に、分散型自律組織（DAO）の仕組みを活用した新たな新卒採用プロセスを導入し、DAO型採用に参加する学生の募集を開始しました。

分散型自律組織（DAO）とは、ブロックチェーンやトークンを活用した新しい組織形態の1つであり、上司のような中央管理者・決定者がおらず、組織メンバーの投票などで意思決定が行われる仕組みが採用されています。

三井住友海上が新たに開始したDAO型採用は「株式会社ガイアックス」と共同で実施される新たな取り組みで、採用活動の透明性や公平性を高め、これまで以上に共感を生み出し、ギャップやミスマッチを発生させない採用活動を推進すると説明されています。

現在は「三井住友海上DAO型採用の特設ページ」が公開されており、2023年10月5日には参加学生の募集も開始、今後は以下のようなスケジュールでプロジェクトが実施されると報告されています。

DAO関連の取り組みは他にも

前澤友作氏の「MZDAO」スタートアップ支援事業を開始｜応援先企業8社も公開

DAO型採用の具体的な内容

DAO型採用では、エントリーシートの提出は不要で、大学名・住所・顔写真・性別などの登録も不要となっています。参加者は特設ページのエントリーフォームから「興味の幅や感受性・想像力を知るためのシンプルなアンケート」を提出するだけでエントリーするすることが可能です。

具体的には、DiscordやUnyteなどのオンラインツールを用いて組成された「採用DAO」に就職活動中の学生や三井住友海上社員が参加、参加メンバーはこのDAOで意見やアイデアを出し合い、参加者全員の投票で意思決定を重ねてワークが進められることになっています。

採用DAO参加者は、参加メンバーのDAO内での活動（発言・作業・アイデア）に対して「いいね！」を送り合うことが可能で、この「いいね！」の数がトークン化されると説明されています。

これによって、各メンバーの発言やアイデアがどのように評価されたのかが可視化され、プロジェクト終了時に参加メンバーが保有するトークン数量によって評価が決まる仕組みです。

採用DAOのプロジェクトで高評価を獲得した学生は、2024年6月以降に改めて面談を行なった上で、入社の意思が確認されることになっています。

なお、同プロジェクトでは三井住友海上のビジネスデザイン部が組成したDAO組織で、現場社員約5名と就職活動生5名（想定）が参加し、11月1日から約1ヶ月間のプロジェクトに取り組むと報告されています。

また、同プロジェクトの特徴の1つとしては「学生から社員への評価も行い、採用活動に対する社員貢献度を可視化する」という点も挙げられています。

三井住友海上は今後の展望について「ITシステム部門や資産運用部門などのジョブ型採用や、北海道・九州といった地域の採用など、2026年入社の新卒採用においてもDAOを活用した選考を検討し、採用における競争力強化に向けた取り組みを推進していく」と語っています。

>>DAO関連の最新記事はこちら

DAO関連の注目記事はこちら

CAMPFIRE：Web3事業を手掛ける新会社「Livefor」を設立