ビットコイン「ドルに代わる基軸通貨に」米国債務危機への懸念|コインベースCEO

ビットコイン「ドルに代わる基軸通貨に」米国債務危機への懸念|コインベースCEO(Bitcoin as global reserve currency amid U.S. debt crisis – Coinbase CEO)
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ビットコインがドルの代替候補に?

米大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)のCEOであるブライアン・アームストロング氏は2025年6月5日、自身のX(旧Twitter)で「有権者が議会に赤字削減と債務返済を求めなければ、ビットコインが米ドルに代わって世界の基軸通貨の座を奪うだろう」との見解を示しました。

続けて同氏は「ビットコイン(BTC)は大好きだが、財政的に強いアメリカも世界にとって重要だ。米国が財政を適切に運営できなければ、ビットコインが“プランB”として浮上するだろう」と指摘しています。

アームストロング氏の発言は、米国の財政不安が高まる中で、ビットコインが「デジタルゴールド」としての役割を超え、世界的な基軸通貨としての地位へ進化する可能性を示唆するものとして注目されています。

選挙民が議会に対して「財政赤字の削減」や「国の借金返済」の責任をしっかり求めなければ、いずれビットコインが基軸通貨の地位を奪うことになるかもしれません。

私自身ビットコインは大好きですが、それでも「強いアメリカ」が世界にとって非常に重要であることに変わりはありません。

だからこそ、今こそアメリカは財政をきちんと立て直す必要があります。

深刻化する米国の債務問題

アームストロング氏が懸念を示した背景には、米国の財政状況悪化があります。米国の連邦債務残高は現在約36.2兆ドル(約5,240兆円)に達しており、国内総生産(GDP)の約123%に相当します。

巨額の財政赤字が続く状況に対し、信用評価機関各社も警鐘を鳴らしており、米格付け会社ムーディーズは5月16日に、米国債の格付けを「Aaa」から「Aa1」に1段階引き下げました。

ムーディーズは声明で「歴代の米政権と議会は年間の巨額財政赤字と金利コスト増大の傾向を逆転させる措置で合意できていない」と指摘しており、財政健全化への取り組みが不十分な点を問題視しています。

「デジタルゴールド」として注目されるビットコイン

リスク回避手段としての価値

この信用不安から、投資家や仮想通貨専門家の間で、従来の金融資産に代わるリスク回避手段としてビットコインへの関心が高まっています。

ビットコインは中央銀行や政府の信用に依存しない分散型デジタル資産であり、発行上限が定められ希少性が高いことから、インフレや通貨価値下落へのヘッジ手段として「デジタルゴールド」に例えられることもあります。

米国の債務残高拡大や通貨価値の下落への懸念は金やビットコインへの需要を押し上げる一因となっており、専門家からは「財政赤字の拡大で法定通貨の信認が揺らげば、代替資産への資金流入が進む」との見方も出ています。

ブラックロックCEOによる警鐘

世界最大の資産運用会社ブラックロックのCEOラリー・フィンク氏も、年次書簡で「米国の債務と財政赤字がさらに悪化すれば、投資家は米ドルではなくビットコインを安全資産と見なすようになるだろう」と指摘しました。

米国が債務管理を怠れば世界準備通貨としてのドルの地位を失い、ビットコインのようなデジタル資産が取って代わる可能性があると警鐘を鳴らしており、アームストロング氏の発言は、こうした米国債務危機に対する危機感やビットコインの価値見直しの流れと同じ方向性を示すものと言えます。

マスク氏もビットコイン支持?米財政悪化に反応

アームストロング氏の投稿には著名起業家のイーロン・マスク氏も反応を示しました。

同氏は投稿にアメリカ国旗の絵文字を返信し、簡潔ながら賛同の意を示したものと受け止められています。

マスク氏はこれまでも仮想通貨に関する発言で市場に影響を与えてきましたが、今回のリアクションからは米国の財政問題に対する懸念を共有し、ビットコインの潜在力に改めて注目している姿勢がうかがえます。

米国財政への不安が高まる中、政府や企業、投資家がビットコインを将来の財政リスクへの備えと見なす動きが活発になっており、アームストロング氏の発言はこうしたトレンドを象徴しています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=144.85 円)

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Source:ブライアン・アームストロング氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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