エデルマン氏が語るビットコインの成長と投資戦略
米国の著名投資家でファイナンシャルアドバイザーのリック・エデルマン氏は2025年7月9日、ビットコイン(BTC)の価格が2030年までに50万ドル(約7,300万円)に達する可能性があるとの強気な見解を示しました。
エデルマン氏は、ビットコインの普及と投資家層の成熟が市場の安定化につながっていると指摘しています。特に近年の下落局面では、機関投資家やヘッジファンドによる押し目買いが相場を下支えし、従来のような70〜80%の急落は起こりにくくなっていると語っています。
また、同氏は「20〜30%の価格下落時には、多くの機関投資家が絶好の買い機会と見なすため、これまでにない価格の下値支持(フロア)が形成される可能性がある」と述べ、ボラティリティの低下と市場の安定性が進んでいるとの見方を示しました。
こうした背景を踏まえ、エデルマン氏は、現在の価格水準であえる約11万ドル(約1,600万円)から、2030年までに現在比で350%以上の上昇となる50万ドルへ到達する可能性があると述べています。
2030年末までに45万ドル到達を予測
「ビットコインは50万ドルに」エデルマン氏が示す根拠
資産流入による価格上昇の試算
エデルマン氏はビットコイン強気予想の根拠として、世界的な資産配分の一部がビットコイン市場に流入する可能性を挙げています。
具体例として、世界の総資産価値(株式・債券・不動産・金・石油など)は約800兆ドル(約11.6京円)規模に上ると試算したうえで、その1%(約8兆ドル)がビットコイン市場に流入するだけで、理論上は価格が50万ドルに達する可能性があると述べています。
この点について、同氏は「シンプルな算数だ」と表現し、資産流入による価格上昇効果を強調しました。また同氏は、自身の提示する50万ドルという予測は「むしろ保守的な見方だ」とも述べています。
他の強気派の中には「2030年までに100万ドル」や「500万ドル」といった高額な目標を掲げる著名人も存在しますが、これに対しエデルマン氏は、多くの予測が明確な根拠を示していないと指摘し、自身は具体的な試算に基づいて主張している点を強調しました。
投資戦略におけるBTC比率の変化
エデルマン氏の強気な姿勢は、自身のこれまでの投資戦略を見直す動きにも反映されています。
同氏はかつて自身の著書『The Truth About Crypto(邦題:仮想通貨の真実)』の中で、仮想通貨への投資比率は”ポートフォリオの1%程度が望ましい”と提唱していました。
しかし、エデルマン氏は6月下旬の米CNBCインタビューで「私は今日、仮想通貨への投資配分を40%にすべきだと断言する」と発言し、市場関係者の間でも大きな注目を集めました。
同氏によれば、ここ数年で規制リスクや技術的懸念が大幅に緩和され、ビットコインは機関投資家に受け入れられる資産クラスへと成長してきたことが背景にあると説明しています。
エデルマン氏の推奨に業界が注目
この発言を受け、米ブルームバーグのシニアETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏はX(Twitter)上で「これは、ラリー・フィンク氏(ブラックロックCEO)が仮想通貨支持に転じて以来、伝統金融界から最も力強い支持表明だ」と評価しています。
さらにバルチュナス氏は、エデルマン氏が約3,000億ドル(約43兆7,760億円)の資産を1万人以上の顧客から預かる米有数のファイナンシャルアドバイザーであることに言及し、その発言の影響力は極めて大きいと強調しました。
Holy smokes. This is the arguably the most important full throated endorsement of crypto from TradFi world since Larry Fink. This guy is Mr RIA. Manages $300b for 1.3million clients. Tops the Barron’s list of America Advisors regularly. https://t.co/3GlOpmB03z
— Eric Balchunas (@EricBalchunas) June 30, 2025
これは本当に驚きです。伝統的金融業界(TradFi)からの仮想通貨に対する支持としては、ラリー・フィンク氏以来、最も重要で力強い発言と言っても過言ではありません。
この人物は「Mr. RIA」と呼ばれるほど業界で影響力があり、130万人の顧客に対して3,000億ドルの資産を運用しています。
米国の有力ファイナンシャルアドバイザーとして知られ『バロンズ』のランキングでも常に上位に名を連ねています。
1%から40%へ、仮想通貨への資産配分見直し
専門家が示すビットコインの中長期予測
ビットコインの将来価格に関しては、エデルマン氏以外にも複数の専門家や業界関係者が最新の予測を発表しています。
Finder社調査による専門家のBTC価格見通し
直近の例として、調査会社Finderが7月9日に公開したレポートでは、仮想通貨分野の専門家24名によるビットコイン価格の平均予測が「2030年末までに約45万9,000ドル(約6,700万円)に達する」との分析結果が示されました。
同レポートによると、専門家の見解は強気・慎重派で分かれており、2025年末の予想価格は平均14万5,167ドル(約2,100万円)ながら、強気派の中には「25万ドルに達する」と予測する声がある一方で、慎重派は「7万〜8万ドル程度にとどまる」と見ていることが報告されています。
こうした市場予想は総じてエデルマン氏の見立てより低い水準ではあるものの、ビットコイン現物ETFの承認や機関投資家の参入拡大などポジティブな要因により、予想レンジが以前より強気に修正されている点も指摘されています。
ホスキンソン氏らが示す高値予測
一方、業界著名人による個別の強気予測も相次いでいます。
カルダノ(Cardano/ADA)の創設者として知られるチャールズ・ホスキンソン氏は、5月末に米国で開催されたカンファレンスの場で「ビットコイン価格が今後数年で25万〜50万ドルに達し得る」との見解を示しました。
ホスキンソン氏はビットコインが数十兆円規模のエコシステムへ成長し、ゴールド(金)に匹敵する地位を築く可能性に言及しており、その長期的な価格上昇余地に自信を見せています。
また、著名な仮想通貨アナリストであり、ストック・フロー・モデルの考案者として知られるPlanB氏も、6月初旬に公開した自身の動画で「ビットコインは依然として大幅に過小評価されている」と指摘しました。
さらに、現在進行中の4年周期の強気サイクルを背景に「2024〜2028年の間に最大860%上昇し、2028年までに50万ドルに到達する可能性がある」との予測を示しています。
楽観論と警戒感が交錯するBTC市場
このようなビットコイン価格に対する長期的な強気予測が相次ぐ状況を受け、市場関係者の間では「強気一色であることへの警戒感」と「従来予想を上回る資金流入ペースへの期待感」が交錯しています。
専門家の中には「過度に楽観的な見方は禁物」とする声もある一方で、ビットコインの供給上限や半減期サイクル、主要国での規制環境改善などを材料に強気継続を主張する意見も目立ち始めています。
今回のエデルマン氏による「5年以内に50万ドル」という見通しについては依然として高いハードルがあるものの、伝統金融界の重鎮であるエデルマン氏が具体的根拠をもとに強気予測を提示した点は注目に値するものです。
ビットコイン市場には依然として不確実性が残るものの、著名投資家による強気予想の相次ぐ発表は、市場参加者の強気姿勢が表れている動きと見られています。
今後数年間でビットコインが予測通りに成長軌道をたどるかどうか、その行方に世界中の投資家が注目しています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.92 円)
ビットコイン価格予想に関する記事はこちら
Source:リック・エデルマン氏インタビュー動画
サムネイル:AIによる生成画像




























