2億ドル規模のビットコインPAC設立計画が浮上
2025年8月3日、Bitcoin MagazineのCEOであり、トランプ大統領の選挙戦において仮想通貨政策顧問を務めたデビッド・ベイリー氏が、最大2億ドル（約295億円）相当のPAC（政治活動委員会）を設立する構想を明らかにしました。
このPACはビットコイン（BTC）の優先課題を推進することを目的として設立されるもので、長期的にはビットコイン価格を1,000万ドル（約14.7億円）に到達させるという構想が示されています。
ベイリー氏は自身のX（Twitter）の投稿で、PAC設立の意図について「今年、政治とその仕組みを深く理解する機会を得た」と述べたうえで、ビットコインを重視した政策立案や規制改革を後押しする意向を示しました。
さらに、この構想はトランプ陣営からの支持も取り付けているとされ、米国の政策決定においてビットコインの影響力を強めようとする動きとして注目を集めています。
PAC（政治活動委員会）が影響力を増す
デビッド・ベイリー氏が描くPACの設計図
コミュニティが示すビットコイン政策の優先項目
ベイリー氏はXへの投稿で「1億〜2億ドル規模のPACを設立し、ビットコインの優先課題を推進することを検討している」と発言し、ビットコイン業界に特化した政治活動基盤の構築を視野に入れていることを明らかにしました。
I’ve learned a lot about politics and how the game is played this year. I’m thinking about raising a $100m-$200m PAC (anchored by Nakamoto) to advance Bitcoin priorities.
I have my own ideas, but what do you think should be part of the Bitcoin voter platform?
— David Bailey🇵🇷 $1.0mm/btc is the floor (@DavidFBailey) August 2, 2025
今年、政治やその裏側の仕組みについて多くを学びました。
現在、ビットコインの優先課題を推進するために、1億〜2億ドル規模のPACの立ち上げを検討しています。
自分なりの考えもありますが「ビットコイン支持者のための政策プラットフォーム」には、どのような内容を盛り込むべきだと思いますか？
さらに「自身の考えもあるが、ビットコイン有権者プラットフォームに盛り込むべき政策は何か」と問いかけ、コミュニティに意見を募りました。
この呼びかけに対しては、複数の著名なビットコイン支持者たちから具体的な政策提案が寄せられています。
ビットコイン研究者のステファン・リベラ氏は、優先すべき政策として、ビットコイン売却益に対するキャピタルゲイン課税の廃止や、自己管理（セルフカストディ）権の保護を提案しました。
また、人権財団（HRF）のCSOであるアレックス・グラドステイン氏は、オープンソース開発者の法的保護、高校教育におけるビットコインの活用促進、さらに米国債務の返済手段としてのビットコイン活用を政策に組み込むよう提案しています。
さらに、著名投資家であるトゥール・デメスター氏は「アメリカの平和と繁栄にとって最も重要なのは、100%準備金制度への回帰である」と述べ、銀行に預金の全額を準備金として保持させる完全準備制度の導入を求めました。
株主訴訟リスクとPAC活動の両立課題
一方で、このPAC構想には賛否が分かれており、一部からは慎重な見解も示されています。
米上場企業BTCSのチャールズ・アレンCEOは「政治運動に上場企業の資金を充てることは、株主の利益を損なうとして集団訴訟のリスクがある」と指摘し、企業と政治活動の線引きについて警鐘を鳴らしました。
こうした懸念に対し、ベイリー氏は「意見はもっともである」としたうえで、コインベースが支援する仮想通貨PAC「Fairshake（フェアシェイク）」を例に挙げ、適切な枠組みであれば問題は生じないとの見解を述べています。
PAC資金規模で業界再編の可能性も
実際、米国の仮想通貨業界は2024年の選挙で1億3,400万ドル（約198億円）を超える資金を投入しており、この動きが親仮想通貨派の議員の当選を後押しした一因と分析されています。
最大手の仮想通貨支援PACであるFairshakeは現在、今後の選挙に向けて約1億4,100万ドルの準備資金を保有していると報じられており、ベイリー氏が掲げる最大2億ドルという資金規模は、それを上回る政治勢力の形成につながる可能性があるとの見方もあります。
トランプメディア幹部、新SPAC設立
ビットコインと米政治が交差する新局面
このビットコインPAC構想は、仮想通貨を取り巻く米国の政策形成に大きな影響を与える動きとして、業界内外から関心が高まっています。
業界関係者による提案と懸念が交錯するなか、今後の資金調達状況や具体的な政策提案の展開次第で、このPACの実効性が問われる段階に移行すると見られています。
仮想通貨が大統領選を含む国家的な政策課題として位置づけられつつあるなか、ベイリー氏の動向は今後の政治的潮流を左右する要素のひとつとして注目を集めています。
※価格は執筆時点でのレート換算（1ドル=円）
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Source：デビッド・ベイリー氏X投稿
サムネイル：AIによる生成画像
