米国が800万BTCを保有し市場を主導
仮想通貨アナリストのフレッド・クルーガー氏は2025年8月4日、流通するビットコイン(BTC)約2,000万BTCのうち、約40%に相当する約800万BTCを米国が保有していることを明らかにしました。
7月には米国のビットコインETFに約60億ドル(約8,800億円)の資金が流入したと報じられており、これは同国のビットコインへの投資熱の高まりを反映していると見られています。
一方で、米国以外の地域が保有するビットコインの量は限定的であり、2位のインドは約100万BTC(全供給量の約5%)、3位の欧州は約90万BTC(4.6%)にとどまっており、米国の突出した保有状況が浮き彫りとなりました。
こうした状況を背景に、米国がビットコイン市場で果たす影響力や、機関投資家による動向に関心が高まっていると見られています。
Who owns Bitcoin?
1/ Bitcoin is mainly a US thing
2/ India is the surprise number 2
3/ Europe is really not involved. pic.twitter.com/zhiZ21i7HQ— Fred Krueger (@dotkrueger) August 3, 2025
ビットコインは誰が所有している?
1. ビットコインは主にアメリカで保有されている
2. 意外にもインドが第2位に位置している
3. ヨーロッパはそれほど保有していない
米国、ビットコインが準備資産の主役に
ビットコイン市場で浮き彫りとなる米国の影響力
クルーガー氏は自身のX(旧Twitter)投稿で「ビットコインは主に米国で保有されている」「インドが意外な第2位」「ヨーロッパはそれほど保有していない」と指摘し、ビットコイン保有の地域偏在について言及しました。
こうした地域差が生まれる背景には、特に米国での機関投資家や大手企業による継続的なビットコイン蓄積があるとみられています。
米企業による巨額BTC保有が背景に
米国では、上場企業を含む複数の企業がビットコインを財務資産として大量に保有しています。中でもストラテジー(旧マイクロストラテジー)社は628,791BTCを保有しており市場で最大の保有者となっています。
このほか、Marathon Digital社は50,000BTC、投資会社XXI Capitalは43,514BTC、Riot Platforms社は19,225BTCを保有しており、トランプ大統領関連のメディア企業も18,430BTCを保有していることが明らかにされています。
こうした企業による大量保有が、米国のビットコイン市場における影響力を下支えする要因となっています。
米政府のビットコイン保有体制が始動
さらに米国政府も、ビットコインの戦略的保有に本格的に乗り出しています。
2025年3月にはトランプ大統領が大統領令に署名し、法執行機関が押収・保有してきたビットコインを「戦略的ビットコイン準備金」として一元管理する体制が整備されました。
米大統領デジタル資産評議会のボー・ハインズ事務局長は「米国にとって、可能な限り多くのビットコインを確保することが国益にかなう」と発言しており、ビットコインを国家戦略資産と位置付ける明確な方針が示されています。
米国民の5人に1人が仮想通貨を保有
米国で加速する仮想通貨の普及と制度整備
米国では、規制の整備と大手企業の本格的な参入により、仮想通貨市場が急速に拡大しています。
米国で初の仮想通貨規制法が施行へ
規制面では、7月18日にトランプ大統領が米国初のステーブルコイン規制法案「GENIUS法」に署名し、法的枠組みの整備が大きく進みました。
大手決済のMastercard(マスターカード)は、この法整備により仮想通貨の信頼性と透明性が向上すると評価しています。
さらに同社は、今回の規制によりステーブルコイン市場の健全な成長と普及が加速するとの見通しを示しています。
このGENIUS法の成立は、仮想通貨業界にとって大きな前進とされており、仮想通貨が日常の決済手段として広く活用される可能性を拡げる契機になると期待されています。
大手銀行の仮想通貨参入が進む米国市場
同時に、金融業界からの仮想通貨分野への参入も加速しています。
米大手銀行JPモルガンは大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)と提携し、2025年秋から自社のクレジットカード利用者がカードで直接コインベースのウォレットに入金し仮想通貨を購入できるサービスを開始すると発表しました。
これまで伝統的な金融機関から距離を置かれてきた仮想通貨業界ですが、近年では消費者や投資家からの需要拡大を背景に、大手銀行が次々と市場に参入しています。
米国が主導する仮想通貨の大衆化
こうした規制整備と企業の積極的な参入により、米国における仮想通貨の利用は一段と拡大しています
2025年時点で米国の仮想通貨市場は総額4兆ドル(約590.4兆円)規模に達しており、規制の明確化が今後のさらなる普及を後押しするとの見方が専門家の間で広がっています。
投資リサーチ企業BCAリサーチは「GENIUS法の成立を契機に、仮想通貨採用(アドプション)のペースは加速する」と分析し、仮想通貨関連企業にとって好機となるとも指摘しています。
また、コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、米国で仮想通貨を利用したことのある人は推計5,200万人に上り、民主・共和両党いずれの有権者の約20%に相当すると明らかにしています。
市場の成長と制度整備が進むなか、米国は今後もグローバルな仮想通貨資産戦略の中心地として、国内外から一層注目を集めると見られています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=146.96 円)
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Source:フレッド・クルーガー氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像





























