米Bakkt、堀田丸正の株式取得で筆頭株主に|日本起点に多国籍ビットコイン財務戦略を始動

米Bakkt、堀田丸正の株式取得で筆頭株主に|日本起点に多国籍ビットコイン財務戦略を始動(Bakkt becomes top shareholder of Horita Marusho, launching global Bitcoin finance strategy from Japan)
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Bakkt社、日本でビットコイン財務戦略展開へ

米国の暗号資産関連企業Bakkt(バックト)は2025年8月6日、東京証券取引所スタンダード市場に上場する堀田丸正株式会社(8105)の発行済株式約30%を取得し、同社を「bitcoin.jp」へ改称する計画を明らかにしました。

発表によれば、堀田丸正は今後、ビットコイン(BTC)などのデジタル資産を取り入れた新たな財務戦略を採用し、暗号資産(仮想通貨)を軸に据えた経営体制への転換を目指すとしています。

この株式取得によりBakkt社は堀田丸正の筆頭株主となっており、Bakkt子会社のフィリップ・ロード氏が堀田丸正の新たなCEOに就任する予定です。

なお、社名変更については堀田丸正の株主総会での承認が条件となっており、Bakkt社は新社名に対応するウェブドメイン「bitcoin.jp」をすでに取得済みであることも報告しています。

Bakktのビットコイン財務戦略、日本起点に国際展開へ

RIZAPからの株式取得で筆頭株主に

Bakkt社の発表によると、同社による株式取得は、堀田丸正の親会社であったRIZAPグループ株式会社からの持株譲渡という形で行われました。

取引は場外での相対取引として行われ、譲渡価格は前営業日終値の53円を大きく上回る1株あたり99円41銭に設定されたと報じられています。

RIZAPグループはこの取引で保有株の一部にあたる16,864,650株を売却し、同社の堀田丸正に対する持株比率は57.26%から27.26%に低下する見通しです。

新経営体制のもとで目指すビットコイン統合

これらの株式取得が完了すれば、Bakkt社は子会社のBakkt Opco Holdingsを通じて堀田丸正の議決権の約30%を保有し、筆頭株主の地位が確立する見通しです。

今回の日本企業買収についてBakkt社共同CEOのアクシャイ・ナヘタ氏は「日本の規制環境はビットコイン中心の成長ビジネスに最適なプラットフォームを提供している」と評価しており、同社チームと協力して堀田丸正の経営・財務モデルへビットコインを統合していく意向を示しています。

日本発で進むBakktのグローバルBTC財務戦略

この動きはBakkt社が推進する「多国籍ビットコイン財務戦略」の第一歩と位置付けられており、堀田丸正を起点に、今後複数の国でビットコインを企業財務に組み込むモデルを展開していく計画であると報じられています。

Bakkt社は2025年6月に最大10億ドル(約1,470億円)の証券発行による資金調達枠をSEC(米証券取引委員会)へ申請し、7月には約7,500万ドル(約111億円)の株式公募増資を完了しました。

調達資金はビットコインなどデジタル資産の取得や運転資金に充てられる計画であり、同社が長期戦略として暗号資産保有事業へ大きく舵を切っていることが示されています。

日本企業にも広がるビットコイン財務戦略

近年、日本国内ではビットコインを自社資産に取り入れる企業が現れており、こうした動きは徐々に広がりを見せています。

ビットコイン戦略を強化するコンヴァノ

東証グロース市場上場のネイルサロン運営企業コンヴァノは2025年7月17日、総額4億円相当のビットコインを取得し、自社の財務戦略に暗号資産を組み入れることを発表しました。

同社はビットコイン保有をインフレ対策や購買力維持の手段と位置付け、新たに「ビットコイン保有戦略室」という専門部署を設置してリスク管理体制を強化する方針も示しています。

また、コンヴァノは7月31日に、約15億円を投じて85.0035 BTCを追加取得し、同社のビットコイン保有量は164.9254833 BTCに達したことを報告しています。

メタプラネットが推進する巨大ビットコイン保有計画

また、東証スタンダード市場上場の株式会社メタプラネットは2024年に「ビットコイン・スタンダード」戦略の採用を宣言し、現金資産をビットコインに転換する積極的な財務方針を打ち出しました。

2025年6月には「555ミリオン計画」を公表し、2027年末までに累計21万BTC(発行済ビットコインの約1%相当)の保有を目標に掲げています。

記事執筆時点で、メタプラネット社はすでに17,595 BTCを保有しており、その数量はテスラ社の11,509 BTCを大きく上回る水準に達しています。

国内企業の暗号資産活用とリスク管理

コンヴァノやメタプラネットの取り組みは、物価上昇や通貨価値の変動といったリスクに対し、ビットコインを活用する国内企業が徐々に台頭しつつあることを示しています。

一方で、ビットコインの価格変動リスクや会計・規制上の課題も指摘されており、企業がこうした戦略を継続・発展させるには、万全なリスク管理体制の構築が求められる状況です。

今後、Bakkt社が展開する「bitcoin.jp」が日本市場でビットコイン財務戦略を推進していく中で、国内企業への影響や、日本全体での暗号資産活用の拡大にも注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.62 円)

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Source:Bakkt公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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