2030年の仮想通貨普及率は世界人口の半分に、市場は100兆ドルへ|ラウル・パル氏

2030年の仮想通貨普及率は世界人口の半分に、市場は100兆ドルへ|ラウル・パル氏(Global crypto adoption to reach half of the world population by 2030, market to hit $100 trillion – Raoul Pal)
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仮想通貨市場「2032年に100兆ドル到達」の可能性も

投資調査会社Global Macro Investor(GMI)の創設者である著名投資家ラウル・パル氏は2025年8月31日、自身のX(旧Twitter)の投稿で「2030年までに世界の仮想通貨ユーザーが40億人(世界人口の約半分)に達する可能性がある」との予測を示しました。

さらにパル氏は一連の投稿の中で、仮想通貨市場全体の時価総額が「2032〜2034年頃までに100兆ドル(約1.5京円)に到達する可能性がある」との見解も示しました。

仮想通貨の普及は、インターネットの黎明期と同じ軌跡をたどっており、その成長ペースは依然として極めて力強いものです。

そして、2030年までに世界で40億人の利用者に到達すると見込まれています。

その結果、現在約4兆ドルの時価総額は、2032年から2034年にかけて100兆ドル規模に達する可能性があります。

現在の仮想通貨市場規模は約4兆ドル(約590兆円)で、同氏の予測どおりに推移すれば、今後約7年で約25倍に拡大する計算となります。

こうした見通しは、市場の調整が指摘される中でも、採用拡大の流れが続いていることを示すものとして注目を集めています。

2030年に向けた仮想通貨ユーザー拡大と市場規模予測

インターネットを上回る仮想通貨の普及速度

パル氏の強気の予測の背景には、仮想通貨の普及スピードがインターネット初期の普及ペースを上回っているとの分析があります。

同氏は、仮想通貨ウォレット数の増加ペースをインターネット利用者の増加ペースと比較し「仮想通貨はインターネットの2倍の速度で普及している」と指摘しています。

仮想通貨のユーザー数は2015年〜2024年に年平均137%で増加し、2024年末時点で約6億5,900万人に達しました。これに対し、インターネット利用者は1990年〜2000年に年平均76%で増加し、2000年末時点では約1億8,700万人にとどまったと同氏は報告しています。

ウォレット・インターネット比較の画像パル氏X投稿

この傾向から同氏は、成長率が鈍化しても2030年にはユーザー数が約40億人に達すると見通しを示しています。なお、この数値は現在の世界人口の約半分に当たり、極めて速いスピードでの普及とされています。

仮想通貨市場を押し上げる2つのトレンド

またパル氏は、市場拡大の要因として「採用拡大(ユーザー数の増加)」と「通貨価値の希薄化(デベースメント)」という2つの長期トレンドを挙げています。

各国の金融緩和などによる法定通貨の信用低下が、仮想通貨の価格上昇を後押ししてきたとの見解です。また、価格変動の約90%はデベースメントで説明でき、残りは採用拡大によると分析しています。

同氏はさらに、ビットコイン(BTC)価格と各国のM2マネーサプライに基づく独自指数「GMIリクイディティ指数(GMI Liquidity Index)」との相関を示すチャートを提示し、法定通貨の供給拡大が資産インフレを通じて市場を押し上げてきたと説明しています。

複数ウォレット開設による利用者数推計の誤差

これらのパル氏の予想に対しては「ウォレット数を利用者数の指標に用いると過大推計になり得る」との指摘もあります。個人やプロジェクトが複数ウォレットを開設できるため、実際のユーザー数は少ない可能性があるという見方です。

こうした指摘に対し、同氏はインターネット黎明期に家庭内で同一のIPアドレスを共有していた状況を引き合いに出し、「指標の不完全さは当時のインターネットでも同様だった」と反論しています。

さらに、外部調査では2024年末時点の仮想通貨ユーザーを約5億6,000万人と推計するデータや、月次の実利用者数を3,000万〜6,000万人とする分析も報告されています。

一方で、同氏はこうした不確実性を認めつつも、今後数年間で市場規模が拡大する可能性が高いとの見方を示しています。

仮想通貨市場拡大が資産運用と金融多様化を促進

パル氏の予測は、仮想通貨がインターネットに匹敵する規模で普及している実態を示し、今後の金融環境の変化を占う上で重要な指標と見られています。

また、市場規模が100兆ドルに近づくシナリオでは、国際送金や決済の効率化、資産運用の多様化を通じて金融システム全体に影響が及び、各国の政策対応や企業の資本戦略にも波及する可能性があります。

規制やセキュリティの課題が残る一方で、仮想通貨の普及は中長期的な拡大基調が続いており、世界経済に新たな枠組みをもたらす動向として注目されています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.32 円)

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Source:ラウル・パル氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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