25か国のBTC信頼度ランキングを公表
米コーネル大学の学生団体「Cornell Bitcoin Club(コーネル・ビットコイン・クラブ)」は2025年9月4日、25か国を対象に行ったビットコイン(BTC)信頼度調査の結果を公表しました。
調査ではビットコインの平均信頼スコアが「10点満点で4.67点」と報告されており、地域ごとの信頼度の差が浮き彫りになっています。
特にナイジェリアが最も高いスコアを記録した一方、日本は調査対象国の中で最低スコアとなりました。
また、回答者の多くはビットコインを金や不動産などの伝統的資産よりも高リスクとみなし、その実用性については慎重に評価していることが報告されています。
一部の新興国では「自国政府よりビットコインを信頼する」との回答も見られ、各国の経済情勢が信頼度に影響している可能性が示されています。
What do people trust, what do they distrust – and where does bitcoin fit in?
On a scale of 0–10 (0 = no trust, 10 = a great deal of trust), across 25 countries bitcoin scored an average of 4.67/10.
So how does that compare to governments, currencies, and other assets? And, why… pic.twitter.com/LoIX849ixN
— Cornell Bitcoin Club (@CornellBitcoin) September 3, 2025
人々は何を信頼し、何を疑うのか――そしてビットコインはその中でどこに位置づけられるのか。
25か国を対象とした調査によると、ビットコインへの信頼度は平均4.67/10(0=全く信頼できない、10=非常に信頼できる)でした。
では、政府や通貨、その他の資産と比べるとどうなのでしょうか?そして、そもそもなぜそれが重要なのでしょうか?
2030年の普及率は世界人口の半分に
25か国調査で示されたビットコイン信頼度の格差
新興国と先進国で分かれるビットコイン信頼度
今回の調査はコーネル大学のグローバルなビットコイン普及研究の一環として実施され、25か国で延べ25,000人以上を対象にアンケートとインタビューを行い、その結果を取りまとめたものです。
信頼度が高かったのは、ナイジェリアやトルコなど経済的困難に直面する新興国であり、その中でもナイジェリアが最も高いスコアであったことが報告されています。
一方、日本はビットコインへの信頼が調査国中で最も低く、イタリアやメキシコなど比較的通貨が安定している国々とともに下位グループに位置付けられました。
10か国が「政府よりBTCを信頼」と回答
調査では「ビットコインと政府のどちらをより信頼するか」も質問され、その結果、25か国中10か国で「自国政府よりビットコインを信頼している」と回答したことが明らかにされています。
ブラジル・レバノン・トルコ・ウクライナ・ベネズエラなどが該当し、調査チームは「これらは政治的不安定や高インフレに直面する新興国である」と分析しています。
一方、アラブ首長国連邦(UAE)や中国、サウジアラビアなど政府への信頼が厚い国々ではビットコインの信頼は相対的に低く、制度への信頼度とビットコイン認識が逆相関的に推移する傾向が示されました。
BTCは「高リスク資産」との見方が根強く残る
またビットコインのリスク認識では、他資産との比較設問で「株式と同程度にリスクが高い」が45%、「社債と同程度」が43%という結果が示されました。
これはビットコインが、株式や社債など既存の価格変動が大きい資産とおおむね同程度のリスクと受け止められていることを示しています。
加えて、機能面に関する「詐欺防止に役立つか」「プライバシー保護に優れるか」「サービス提供者を信頼できるか」という設問では、肯定・否定のいずれにも大きな偏りは見られず、中立的な回答が大半を占めました。
調査チームはこの結果について、利用者がビットコインの有用性を確信できず「判断を保留」している状況の表れであり、盲目的な拒絶ではなく不確実性の反映だと分析しています。
経済ストレスがBTC普及と信頼度に直結
さらに、個人が感じる経済的ストレスの度合いとビットコインの普及率には関連があると示唆されています。
「お金の不安が生活を支配している」と答えた割合が高い国ほどビットコインの保有率や信頼度が高い傾向があり、具体的にはトルコ、インド、ケニア、南アフリカが経済ストレス指標とビットコイン普及度の双方で最上位となりました。
一方、金融面の安心感が高いとされるエルサルバドル、スイス、中国、イタリアではビットコインへの関心が相対的に低く、またメキシコ、イタリア、日本は経済ストレス度と仮想通貨普及度の両面で最低水準にあると報告されています。
調査チームは、経済的に厳しい地域ではビットコインが「既存金融の代替手段」として支持される可能性があると指摘すると共に、ビットコインへの信頼・受容の度合いは各国の経済状況や制度への信頼に左右され、世界全体で一様ではないことを強調しました。
大半の回答者はビットコインを完全に信頼もしなければ完全否定もしておらず、現状では慎重ながら模索する段階にあると分析されています。
ビットコインの驚異的な普及スピード
ビットコイン信頼度調査が示す「40億人普及時代」
ビットコインや仮想通貨の将来普及については、業界関係者から楽観的な見方が相次いでいます。
著名投資家のラウル・パル氏は8月31日、2030年までに「世界の仮想通貨ユーザーが40億人(世界人口の約半分)に達する可能性がある」との予測を示しました。
同氏はさらに「仮想通貨市場全体の時価総額は2032〜2034年頃までに100兆ドル(約1.5京円)規模に達する可能性がある」と述べ、利用者数の増加ペースは今後も加速すると予測しました。
一方、米資産運用大手のBlackRock(ブラックロック)が今年1月に公表した分析レポートでは、仮想通貨利用者が3億人に達するまでに要した期間は約12年で、これはインターネット(15年)や携帯電話(21年)よりも速かったと報告されています。
こうした利用者数の増加に加え、業界大手の参入やインフラ整備の進展も追い風となり、ビットコインをはじめとする仮想通貨の世界的な普及拡大は勢いを増しています。
今回のコーネル・ビットコイン・クラブの調査は、国や地域ごとに異なる経済環境や制度への信頼度が、ビットコインの受容度に直結することを改めて浮き彫りにしました。
今後も新興国を中心とした普及拡大の動きと先進国の慎重姿勢の対比が続くとみられ、世界的な議論の行方が注視されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.05 円)
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Source:Cornell Bitcoin Club公式X
サムネイル:AIによる生成画像




























