トランプ一族支援のWLFI「仮想通貨史上最大の詐欺」資産凍結トラブルにポリゴン開発者が警鐘

トランプ一族支援のWLFI「仮想通貨史上最大の詐欺」資産凍結トラブルにポリゴン開発者が警鐘(WLFI linked to Trump family faces crypto’s biggest fraud and asset freeze issues, Polygon developer warns)
目次

ブルーノ氏、トランプ家関与のWLFIに警鐘

ポリゴン(Polygon/POL)開発者のブルーノ・スクヴォルク氏は2025年9月6日、ドナルド・トランプ米大統領一家が支援する仮想通貨プロジェクト「World Liberty Financial(WLFI)」に対して警鐘を鳴らしました。

同氏は自身のX(旧Twitter)で「WLFIが自身の資金を盗んだ。これは『史上最大の詐欺』だ」と投稿し、強い不信感を示しています。

スクヴォルク氏によれば、同氏のウォレットはWLFI側から「ブロックチェーン上の取引履歴を理由にハイリスクと判断され、トークンが凍結された」としています。

この状況について同氏は「大統領一家が関与しているため実質的に対応が困難だ」と述べ、プロジェクトの不透明な運営体制に懸念を示しました。

(前略)

これはまさに新時代のマフィアのようなものです。訴えることも、抗議することも、相談する相手もいない。ただ「そういうものだ」と受け入れるしかない状況です。

これは史上最大の詐欺です。

資金凍結の被害は数百人規模に及び、スクヴォルク氏もその一人とされています。さらに、仮想通貨トロン(Tron/TRX)創設者でWLFIに多額投資しているジャスティン・サン氏も含まれることが明らかになっています。

WLFIは米国大統領一家が深く関与する分散型金融(DeFi)プロジェクトで、報道によれば、トランプ家関連企業が株式の60%を保有し、トークン販売による収益の75%を得る仕組みとされています。

同プロジェクトにはトランプ氏の息子エリック氏やドナルド・トランプ・ジュニア氏も経営に名を連ねていることも伝えられています。

WLFI資金凍結問題にポリゴン開発者が警鐘

スクヴォルク氏宛に送られた資産凍結通知

スクヴォルク氏の説明によると、WLFI運営からのメールには、当該ウォレットアドレスが「ブロックチェーンの取引履歴によりハイリスクと判断された」ため、トークンを「アンロック(解放)できない」と記載されていたとしています。

同氏のWLFIトークン引き出し要求は拒否され、資金は事実上の凍結となりました。そのうえで同氏は「当初から100%ロックアップ(全量凍結)の対象とされた6人の投資家の一人だ」と述べています。

出金要求後に始まった資金ロックの不自然さ

スクヴォルク氏は「入金時は問題視されなかったにもかかわらず、出金時にハイリスク扱いとされた」と述べ、WLFI側の対応を厳しく批判しました。

さらに同氏は「大統領の一家が関与しているため、訴え出る先も抗議すべき相手も見当たらず、何もできない」「まるで新時代のマフィアだ」と述べ、中央集権的な権力を背景に資産を一方的に凍結する手法を批判しています。

トランプ家支援のWLFIで広がる資産凍結懸念

ジャスティン・サン氏がWLFI凍結を告発

同件を巡っては、他の大口投資家も懸念を表明しました。トロン(Tron/TRX)創設者でWLFIの主要支援者であるジャスティン・サン氏は9月5日、自身の割当トークンが「不当に凍結された」と公表しています。

サン氏はXで「運用の過程で自分のトークンが不合理にロックされた」と投稿し、WLFIチームに速やかな解除を求めました。

さらに同氏は「金融ブランドは公正さ・透明性・信頼に基づくべきであり、一方的な資産凍結で成り立つべきではない」と強調しています。

WLFI運営「凍結はユーザー保護のため」と主張

これに対しWLFI運営は同日、X上で声明を公表し「WLFIはユーザー保護のためにのみ介入しており、通常の活動を妨げることはない」との見解を示しました。

また同社は、一連の投稿で「悪意ある活動やハイリスク行為により被害が生じ得る場合に限って対応している」とも説明しています。

コミュニティの皆さまから最近のウォレットブラックリストに関するご懸念をいただいております。

まず透明性を最優先にお伝えします。WLFIの対応は、あくまでユーザーを守るためのものであり、通常の活動を妨げる意図は一切ありません。

コミュニティから出ているウォレット凍結を巡る懸念に関しては「調査と必要な支援を行ったうえで、影響を受けたユーザーには適切に対処する」との見解を示しました。

WLFIが公開したデータでは、ブラックリスト追加の272件の内訳は、フィッシング関連アドレスが79%、ユーザー自身の申告によるハッキング被害対応が18%とされています。

価格急落でWLFI投資家の不安広がる

一方で「ハイリスク」と判断されたウォレットの凍結は、スクヴォルク氏の事例を含めても約5件に限られると説明されています。

こうした相次ぐ資産凍結や運営側の対応により、WLFIトークンの投資家心理は冷え込み、価格にも下押し圧力が生じました。

WLFIトークンは主要取引所への上場初日で0.30ドルを上回りましたが、その後は急落基調となりました。その後、数日で約0.18ドル前後まで下落し、公開直後からの下落率は40%超となっています。

WLFI側は市場安定策として、9月6日までに約4,700万枚のトークンを焼却(バーン)したと報じられましたが、その後も下落傾向は続いています。

クジラ投資家も打撃、信頼性に疑問高まる

WLFI価格の急落により、一部のクジラ投資家は数百万ドル(数億円)規模の損失を被りました。

特に、3倍のレバレッジでロングポジションを取っていた投資家が約160万ドル(約2.3億円)の損失が報告されるなど、影響の広がりが伝えられています。このような事態を受け、市場の信頼感は大きく揺らいでいます。

本プロジェクトを巡っては、トランプ一族が深く関与し大きな利益を得ている点から「現職大統領一家の仮想通貨事業は政策との利益相反につながり得る」との批判が以前から指摘されています。

今回の一連の動きは、そうした懸念を改めて顕在化させる形となりました。なお、米ホワイトハウスは、トランプ氏の資産は信託を通じて子息らが管理しており「利益相反は存在しない」との立場を示しています。

今回WLFIで表面化した資産凍結問題は、仮想通貨業界におけるガバナンス(管理体制)や中央集権リスクへの関心を一段と高め、投資家や規制当局の監視を強めるきっかけになっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.40 円)

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Source:ブルーノ・スクヴォルク氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像

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Written by

BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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