ウィンクルボス兄弟「BTC市場はまだ序盤」
2025年9月12日、米国の仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)の創業者であるウィンクルボス兄弟は「ビットコイン(BTC)の価格は今後10年で100万ドル(約1.48億円)に達する可能性がある」との見解を示しました。
タイラー・ウィンクルボス氏は米経済番組CNBCのインタビューで、仮想通貨市場は「野球で例えるとまだ初回(1回裏)程度の序盤だ」と述べました。そのうえで「ビットコインは金の機能を代替するデジタルゴールドであり、将来的に100万ドルに達する。ビットコインはゴールド2.0だ」と強調しています。
さらに同氏は「現価格からは十分に10倍の伸びしろがある。10年後に振り返れば『当時は始まりに過ぎなかった』と言われる」と述べ、今後はより幅広い層に浸透していくとの見方を示しました。
また同日、同兄弟が創業したGeminiはIPO(新規株式公開)を通じてナスダック市場に上場し、公開価格は1株28ドル(約4,130円)、上場時点の企業評価額は約33億ドル(約5,000億円)となったことも明らかになっています。
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ウィンクルボス兄弟が語るビットコイン100万ドルの根拠
ウィンクルボス兄弟の「ビットコイン100万ドル」予測の背景には、ビットコインを金(ゴールド)と同様の価値保存資産とみなす強い確信があります。
以前から同兄弟は「ビットコインは金のデジタル版」と位置付けており、今回のインタビューでも「ビットコインが金に取って代わるなら、1BTC=100万ドルになり得る」と語っています。
同兄弟は「日常決済での利用は必須ではなく、価値の保存手段として信頼が確立されれば十分だ」と述べており、そのうえで、法定通貨の代替ではなく「デジタル時代の価値貯蔵手段として普及する」との見解を示しました。
ウィンクルボス兄弟はこうした観点から、ビットコインが今後10年で金に匹敵する資産クラスへ成長し、価格が現在の約10倍に拡大し得るとしています。
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需要20倍超で成立したGemini株式公開の舞台裏
需要過熱で公開価格を引き上げ
今回のGeminiのIPO(新規株式公開)では、旺盛な需要により株式の募集が早期に打ち切られる事態となりました。
ロイターによれば、投資家の買い注文は当初の売出株数の20倍超に達し、Geminiと引受幹事団は調達上限額を4億2,500万ドル(約630億円)に制限したと伝えられています。
こうした対応は、需要過熱による規模拡大を抑え、上場後の株価安定を図る狙いがあったとされています。実際、Geminiは当初提示していた仮条件レンジ(17〜19ドル)を24〜26ドルへ引き上げ、最終的に28ドルで公開価格を決定しました。
結果として調達額は約4億2,500万ドルとなり、得られた資金は今後の事業拡大や財務基盤の強化に充当される見通しです。
ウィンクルボス兄弟は今回のIPOを「新たな成長段階への移行」と位置付け、コンプライアンス重視と透明性の確保という経営方針を一段と推し進める考えを示しています。
Crypto is moving mainstream.
This milestone is more than a headline. It’s proof of years of building, believing, and pushing the industry forward.
To every Gemini user and employee who made this possible, thank you.
— Gemini (@Gemini) September 12, 2025
仮想通貨はついに一般社会へと歩みを進めています。
今回の出来事は単なるニュースではなく、長年にわたり業界を築き、信じ、前へと進めてきた努力の証です。
この節目を実現してくださったすべてのGeminiユーザーの皆さま、そして社員の皆さまに、心より感謝申し上げます。
機関投資家中心の顧客基盤が示す成長性
こうした背景もあり、今回のGemini上場は米国の仮想通貨業界全体にとっても大きな節目となりました。
同社は2025年上半期に2億8,250万ドル(約417億円)の純損失を計上しており、資金調達を通じた財務体質の改善が喫緊の課題とされてきました。
一方で、第三者機関の分析によれば、同社の顧客基盤は大半を機関投資家が占めています。上場による信頼性の向上は、この層を中心に取引高の拡大につながると期待されています。
市場アナリストのジェイコブ・ズラー氏は「最近のBullish(ブリッシュ)の成功や、暗号資産に前向きな政策環境を追い風に、Geminiは好機に上場を選択した。さらなる事業拡大と財務改善を狙う動きだ」と分析しています。
市場「2032年に100兆ドル」の可能性も
GeminiのIPO成功が示す仮想通貨市場の転換点
GeminiのIPOは資金調達にとどまらず、規制整備や機関投資家の参加拡大を背景に、仮想通貨市場が成熟局面へ移行する転換点を示しています。
上場により得た資金と信頼性は、Geminiの事業拡大や新サービス投入を後押しする見通しであり、業界全体への波及効果も見込まれます。
ウィンクルボス兄弟が示す「ビットコイン100万ドル」という長期見通しと、Geminiの上場成功という二つの要素は、今後10年の仮想通貨市場の方向性を占う重要な材料となっています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.67 円)
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Source:CNBCインタビュー
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用





























