米老舗小売Bealls、全米660店舗で仮想通貨決済を導入|110年の歴史をアップデート

米老舗小売Bealls、全米660店舗で仮想通貨決済を導入|110年の歴史をアップデート(U.S. retail chain Bealls introduces crypto payments at 660 stores, modernizing its 110-year legacy)
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米老舗ビーオールズ、全国660店で仮想通貨決済を導入

米フロリダ州の老舗小売企業Bealls Inc.(ビーオールズ)は2025年10月21日、デジタル決済企業Flexa(フレクサ)と提携し、全米22州に展開する660店舗で仮想通貨による店頭決済サービスを導入したと発表しました。

これにより、顧客はFlexa Paymentsプラットフォームを通じて、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)USDコイン(USDC)など、99種類以上の仮想通貨で支払いが可能になりました。

ビーオールズの発表によると、対応ウォレットは300種類以上にのぼり、サブセカンド(1秒未満)の決済速度や新しい通貨・ウォレットへの自動対応機能を備えており、既存のレジシステムとシームレスに統合できる点が特徴となっています。

同社は創業110周年という節目の年に、店内キオスク(ATM)の設置やオンライン販売など、これまでの技術投資に続く形で仮想通貨決済を導入しており「業界に先駆けた取り組み」と位置づけています。

また同社は「複数のブロックチェーンに対応するあらゆるウォレットアプリから、ステーブルコインからミームコインまで幅広いデジタル資産を受け付ける米国初の小売チェーンになった」と説明しています。

小売の未来図を変えるBeallsの仮想通貨決済戦略

仮想通貨99種、300以上のウォレットに対応する技術

ビーオールズは1915年創業の老舗小売企業で、現在も創業家が経営を担い、全米22州に660店舗以上を展開しています。

今回提携したフレクサは、2018年創業の決済プラットフォーム企業で、既存のPOSシステムに直接統合できるデジタル通貨決済ソリューションを提供しています。

発表によれば、ビーオールズで導入される「Flexa Payments」は、99種類以上の仮想通貨を300以上のウォレットアプリから即時に受け入れるオールインワン決済ソリューションで、ビットコインやイーサリアム、USDCなどの主要通貨からミーム系トークンまで幅広くカバーしています。

同ソリューションは、モバイルアプリや店舗レジでの利用時にも遅延のない処理を実現し、新しい通貨やウォレットが追加された際にも自動的に対応するため、店舗側の負担を増やすことなく柔軟な決済環境を提供できる点が特徴となっています。

Beallsの未来戦略:次の110年を支える仮想通貨

今回の発表に際し、フレクサ共同創業者のトレバー・フィルター氏は「110年の伝統を築いてきたビーオールズが、これほど重要な決済技術の進化を採用するのは少しも驚きではない」と述べ、長年業界をリードしてきた同社の先進的な姿勢を称賛しました。

またビーオールズ社の会長兼CEOであるマット・ビーオール氏も「仮想通貨は世界の取引の在り方を再構築するだろう。今回のフレクサとの提携は単なる決済導入にとどまらず、次の110年を見据えた未来の商取引への備えだ」とコメントし、今後も革新的なチャレンジを続ける姿勢を強調しています。

同社はこれまでも店内のデジタル化やEC強化に取り組んできており、仮想通貨決済の導入も「顧客体験の向上と将来への投資」の一環としています。

さらに背景として、米国では約28%の成人(約6,500万人)が何らかの仮想通貨を保有しているとのデータもあり、消費者が新たな支払い手段を求める傾向が強まる中、小売業界においても決済オプションの多様化が進んでいます。

ビーオールズとフレクサの提携は、小売大手が仮想通貨を含む「柔軟で包括的な決済オプション」を模索する流れを象徴する事例であり、実店舗におけるデジタル通貨決済の普及に向けた重要なステップとみられています。

小売業界で急拡大する仮想通貨決済導入

米欧の小売業界で進む導入事例の拡大

仮想通貨決済の採用は米国小売業界で着実に広がりを見せています。

FinTechNEWSのレポートによると、現在約46%の事業者が仮想通貨を支払い手段の一つとして受け入れており、Chipotleや映画館チェーンのRegal、コスメ小売大手Ulta Beautyなど主要ブランドもすでに対応を開始しています。

また欧州では、スイスの大手スーパーマーケットSPARが2025年8月に国内100店舗超で仮想通貨決済を導入し、年内にも対応店舗を300店以上に拡大する計画です。

こうした動きを背景に、米国の主要決済プロバイダーも暗号資産決済への対応を加速させています。

Fiserv(フィサーブ)やStripe、Block(旧Square)といった大手企業が相次いで暗号資産決済への対応を発表しており、Stripeは顧客がドル連動のステーブルコインで支払える新プラットフォームを開始しました。

BlockもワシントンD.C.のコーヒー店でビットコイン決済の実証実験を行うなど、実店舗での具体的な展開が進んでいます。

小売企業が模索する仮想通貨の可能性

一方で、仮想通貨決済の拡大には課題も指摘されています。

決済手数料の削減や新たな顧客層の開拓といったメリットが期待される一方で、現時点では消費者需要が必ずしも高いとは言えず、従来型決済に対する優位性も明確ではないとの指摘もあります。

それでも、小売各社は将来のデジタル経済に備えて規制動向を注視しながら仮想通貨決済の導入を試行しており、柔軟な決済手段とコスト削減を両立する新たなソリューションとして注目されています。

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Source:Bealls発表
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

2016年から仮想通貨に関するニュース記事の執筆を開始し、現在に至るまで様々なWeb3関連の記事を執筆。
これまでにビットコイン、イーサリアム、DeFi、NFTなど、数百本以上の記事を執筆し、国内外の仮想通貨ニュースの動向を追い続けている。

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