国内実店舗で始まるUSDC決済実証
SBI VCトレード株式会社と株式会社アプラスは2025年12月25日、国内実店舗での決済を対象に、ステーブルコインを活用した実証実験を開始すると発表しました。
発表によると、米Circle(サークル)社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」を用い、2026年春をめどに実店舗での決済検証を進めるとしています。
この実証では、QRコードを用いたUSDC決済を新たなキャッシュレスモデルとして実現し、インバウンド需要を中心に国内におけるUSDC流通の実需創出を目指すとしています。
両社は、将来的なUSDC決済の社会実装モデル構築も視野に入れ、本実証を通じて得られる知見を基に商用化を検討する方針です。
支払いに使用されたUSDCは、SBI VCトレードにより日本円へ交換されたうえで店舗側に送金され、加盟店は円建てで売上を受け取ることが可能と説明されています。
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SBI VCトレードとアプラスによるUSDC実店舗決済実証
大阪・関西万博の成果を生かした決済モデル
両社は本実証実験を、大阪・関西万博の「EXPO2025デジタルウォレット」事業で得た成果を発展させた新たなキャッシュレス決済モデルとして位置付けています。
さらに、本取り組みはSBIグループが大阪府・大阪市と連携して推進する「国際金融都市OSAKA」における先端的な決済インフラ整備を後押しするものと説明しています。
両社の強みを生かした決済モデル構築
ステーブルコインを活用した小売決済はこれまで実用化に課題があるとされてきましたが、SBI VCトレードは国内で唯一「電子決済手段等取引業者(登録番号:関東財務局長第00001号)」としてUSDCを法制度に準拠して取り扱うことが可能です。
また、アプラスはQRコード決済領域で豊富な加盟店ネットワークを有しています。
両社は、こうした強みを生かし、リテール(個人向け)領域における新たなユースケース創出を通じてステーブルコイン決済の社会実装を進める方針です。
QRコードを活用したUSDC決済フロー
本実証実験で検証される具体的なUSDC決済スキームは以下の通りです。
- 店舗が提示するQRコードを読み取り、ウォレット(メタマスク等)からUSDCで支払う
- SBI VCトレードがUSDC決済額を日本円に交換し、アプラスへ送金
- アプラスは受け取った日本円を店舗に入金
USDC決済の商用化に向けた今後の展望
SBI VCトレードとアプラスは、実証結果を踏まえ今後のUSDC流通に向けた商用化モデルの検討や加盟店網の拡大、関連ウォレット・決済アプリとの連携強化などを進めるとしています。
両社は、ステーブルコイン決済の社会実装に向けた取り組みを今後も継続する方針を示しています。
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日本で加速するステーブルコイン決済の社会実装
国内では、ステーブルコインを活用した決済の社会実装に向けた取り組みが広がりつつあります。
羽田空港で始まるUSDC決済の実証実験
決済ゲートウェイ企業のネットスターズは12月23日、羽田空港第3ターミナル内の一部店舗でUSDC決済の実証実験を近日開始すると発表しました。
同社は、QRコードを通じて訪日旅行客が自身のウォレットから直接USDCで支払いできる仕組みを提供し、インバウンド需要への利便性向上を図るとしています。
円建てステーブルコイン実用化への動向
また、国内では円建てステーブルコイン「JPYC」の発行・償還プラットフォームが10月にサービスを開始し、累計発行額が5億円を突破するなど店舗決済への活用も進んでいます。
さらに、SBIホールディングスとスターテイル社による信託型円建てステーブルコイン共同開発の発表や、国内3メガバンクによる円建てステーブルコイン共同発行計画も報じられており、ステーブルコイン決済インフラの整備に向けた取り組みが加速しています。
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Source:SBI VCトレード発表プレスリリース
サムネイル:SBI VCトレード発表プレスリリースより使用



























