この記事の要点
- ジャスティン・サン氏が2026年4月12日にWLFIを批判
- 約5.95億WLFIトークン凍結と秘密機能の存在が浮上
- WLFIのガバナンス投票の透明性にも疑問が拡大
- WLFI側も反論、対立は法廷闘争に発展の見通し
「WLFIに裏機能」サン氏が痛烈批判
トロン(Tron/TRX)創設者のジャスティン・サン氏は2026年4月12日、トランプ大統領一家が支援する仮想通貨プロジェクト「World Liberty Financial(ワールドリバティファイナンシャル)」について、秘密のブラックリスト機能を用いて約5.95億WLFIトークンが凍結されていた問題を批判しました。
サン氏は、同プロジェクトのスマートコントラクトに、運営側が特定の投資家のウォレットを事前通知なく凍結・制限できる管理機能が組み込まれていたと指摘しました。
I have always been an ardent supporter of President Trump and his crypto friendly policy.
As an early supporter who invested heavily in World Liberty Financial, I did so because I believed in the vision that was presented to the public: a decentralized finance platform that…
— H.E. Justin Sun 👨🚀 🌞 (@justinsuntron) April 12, 2026
(前略)私を含め、いかなる投資家にも開示されていなかった事実があります。それは、WLFIトークンのスマートコントラクトに、ブラックリスト化を可能にするバックドア機能が組み込まれていたということです。
この機能により、運営側は通知も理由の提示も救済手段もないまま、任意のトークン保有者の資産を凍結・制限し、事実上没収する権限を一方的に持つことになります。これは分散化とは正反対のものです。開かれた扉を装った「落とし穴」に他なりません。
私は、WLFIの関係者による一連のトークンスキャンダルを強く非難します。(後略)
こうした機能の存在は、分散型金融(DeFi)を掲げながら実際には中央集権的な権限が維持されていた可能性を示すもので、WLFIのガバナンス体制や投資家保護の在り方に懸念が強まっています。
サン氏は2024年に同プロジェクトへ3,000万ドル(約48億円)を投じた初期投資家のひとりで、その後アドバイザーにも就任した経緯があり、プロジェクトの内部事情を熟知する立場にあります。
今回の批判は、主要支援者が自ら運営側の姿勢を問う異例の展開となっており、凍結措置の正当性やガバナンスの透明性をめぐる論争は、法廷闘争に発展する見通しです。
「仮想通貨史上最大の詐欺」
凍結された約30億WLFIと、問われる投票の正当性
凍結の根拠と発覚した秘密のブラックリスト機能
問題の発端は2025年9月に遡ります。ワールドリバティファイナンシャルがサン氏の保有分を含む5億9,500万WLFIトークンを凍結し、さらにベスティング(権利確定)期間中だった約24億枚のWLFIトークンも同時に押さえました。
同プラットフォームは当時、凍結措置について「コミュニティメンバーに害を与えうる悪意ある高リスク行為への対処」として実施したと説明しています。
一方でサン氏は、こうした措置を正当化するために実施されたガバナンス投票について、有権者に重要情報が開示されず、意味ある参加が制限され、結果は事前に決まっていたと指摘しました。
サン氏が投票手続き以上に問題視しているのが、スマートコントラクトに埋め込まれた「バックドア型ブラックリスト機能」の存在で、この機能は、いかなる投資家にも事前に開示されていなかったといいます。
発行体が任意の投資家のトークンを予告なく凍結・制限し、実質的に利用不能にできる仕組みになっていると同氏は説明しています。
「公正ガバナンスに非ず」サン氏が批判
サン氏はX(Twitter)への投稿で、今回の一連の措置について「いかなる公正・透明・誠実なコミュニティガバナンスプロセスによっても承認されていない」と断言しました。
同氏はトランプ大統領の仮想通貨フレンドリーな政策を常に支持してきたとも述べており、批判の矛先は政策方針ではなく、あくまでプロジェクト運営者の判断に向けられています。
WLFIトークンはサン氏が凍結を受けた2025年9月以降、価値が継続的に下落しており、凍結対象の資産は時間とともに含み損が拡大しています。こうした状況を踏まえサン氏は、すべての凍結解除を強く求め「最も強い言葉で今回のすべての措置に反対する」と訴えました。
機関投資家への警鐘、WLFI反論で全面対立へ
サン氏は今回の問題を個別案件にとどめず、仮想通貨市場全体の信頼性にかかわる問題として提示しています。
秘密のブラックリスト機能や不透明なガバナンスが常態化すれば、将来の投資家が仮想通貨プロジェクトへの参入を躊躇するようになると警告しました。
これに対しワールドリバティファイナンシャル側もサン氏の主張を「根拠のない言いがかりだ」と強く反論しており、両者の対立は法廷闘争に発展する見通しとなっています。
トランプ一族のDeFiプロジェクト
繰り返される中央集権問題、問われる業界の透明
分散型を掲げながら実態として中央集権的な資産管理が行われているという指摘は、DeFiプロジェクトへの機関投資家の信頼醸成を阻む要因として、仮想通貨業界内で繰り返し論点となってきました。
その一例としてポリゴン(POL)開発者のブルーノ・スクヴォルク氏は2025年9月、ワールドリバティファイナンシャルの資産凍結トラブルについて「WLFIが自身の資金を盗んだ。これは史上最大の詐欺だ」とX上で警鐘を鳴らしています。
こうしたケースが後を絶たない背景には、スマートコントラクトに秘密の管理機能が組み込まれている場合、投資家はコードの監査なしにリスクを把握できないという構造的な問題があります。
今回の件もまた、プロジェクト参入前のスマートコントラクト監査やガバナンス設計の透明性確認が、投資判断において不可欠であることをあらためて示した事例と受け取られています。
ワールドリバティファイナンシャルが凍結措置の正当性を示せるかどうか、またガバナンスの透明性を改善する具体的な措置を打ち出せるかどうかが、同プロジェクトの信頼回復と今後の市場評価につながる焦点となります。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=159.74 円)
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Source:ジャスティン・サン氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像


























