クラリティ法案、米銀行5団体が「利回り規定」に修正要求|審議目前で再衝突

クラリティ法案、米銀行5団体が「利回り規定」に修正要求|審議目前で再衝突

この記事の要点

  • 米銀行5団体がCLARITY法案のステーブルコイン利回り規定に共同声明を発表
  • 報酬名目の抜け穴を指摘し、預金流出や融資への影響を巡り規制修正を要求
目次

利回り禁止「目標に届かず」米銀行5団体が声明

ABA(米銀行協会)、BPI(銀行政策研究所)、CBA(消費者銀行協会)、金融サービスフォーラム、ICBA(独立コミュニティ銀行家協会)の5団体は2026年5月4日、CLARITY(クラリティ)法案のステーブルコイン利回り規定について共同声明を発表しました。

5団体は最終文書の規定が「目標に届いていない」と指摘し、利息・利回りの支払い禁止と並んで報酬プログラムが容認されている点を問題視しています。

声明では今後数日以内に具体的な修正提案を議会に提出する方針を示しており、ステーブルコイン規制をめぐる銀行業界と仮想通貨(暗号資産)業界の対立が再び表面化しています。

「名目は報酬、実態は利息」銀行側が警告

「正当な活動」名目なら規制対象外

条文案ではステーブルコイン残高への利息・利回りの支払いを禁止する一方、取引・決済・会員プログラムなどの「正当な活動」に紐づく報酬は容認されています。

銀行5団体はこの線引きについて、取引所が会員プログラムの名目でユーザーに報酬を支払う場合、銀行の預金利息と計算・分配方法が異なれば規制対象外になると指摘しています。

また、報酬の算定に「保有期間」「残高」「利用実績」を参照することが認められている点も問題視しています。

これらの指標は、銀行が預金利息を計算する際に用いるものと本質的に同じであり、長期保有を促す報酬設計が可能になるとしています。

銀行側は「利息」という名称を避けたとしても、残高と期間に連動する報酬であれば預金利息と同様の経済効果を持つとし、預金流出を抑制できるのか疑問を呈しています。

融資「5分の1減」vs「0.02%増」試算に大きな隔たり

銀行5団体は経済学者アンドリュー・ニグリニス氏の分析を引用し、利回り付きステーブルコインが普及した場合、消費者・中小企業・農業向け融資が「5分の1以上」減少すると主張しています。

一方、ホワイトハウスの経済諮問委員会(CEA)が4月に公表した分析では、利回り禁止による銀行融資の増加額は約21億ドル(約3,150億円)にとどまり、融資全体の約0.02%に相当するとの試算が示されています。

こうした試算の違いを踏まえ、銀行側は「利回りが解禁されれば大規模な預金流出が起きる」と警告するのに対し、CEAは「禁止しても融資保護の効果はわずか」との立場を示しています。

両者の隔たりは大きく、議会がどちらの前提で法案を設計するかが規制の強度を左右する状況となっています。

業界は支持、銀行は修正要求:審議迫る

銀行側の懸念が示される一方で、仮想通貨業界では法案成立に向けた動きが加速しています。

1月のマークアップ延期を招いたCoinbase(コインベース)が今回の妥協案を支持する姿勢に転じました。

CLARITY法案は2025年7月に米下院を賛成294票・反対134票で通過しており、現在は上院での審議段階に入っています。

最終文書の公表を受け、仮想通貨予測市場Polymarket(ポリマーケット)ではCLARITY法案の2026年中の成立確率が「65%」に上昇しています。

上院銀行委員会でのマークアップは5月11日の週にも実施が見込まれており、銀行5団体が提出する修正提案の内容と議会側の対応が注視されています。

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Source:ABA共同声明
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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