国産ウォレットがFireblocks接続実証、秘密鍵の国内管理に対応

国産ウォレットがFireblocks接続実証、秘密鍵の国内管理に対応

この記事の要点

  • デジタルアセットマーケッツら3社が国産ウォレットとFireblocks統合を実証
  • 秘密鍵を国内管理したままグローバル接続が可能に
目次

国産ウォレット×Fireblocks統合実証が完了

デジタルアセットマーケッツ・インタートレード・AndGoの3社は2026年5月13日、AndGoの国産ハードウェアウォレットとFireblocksを統合した金融機関向けソリューションの実証完了を発表しました。

今回の構成では、AndGoの「AndGo Wallet(アンドゴーウォレット)」とFireblocks(ファイアブロックス)の鍵管理統合機能「Key Link(キーリンク)」を組み合わせています。

3社によると、この構成によって国内金融機関は秘密鍵を自社で管理したまま、Fireblocksのデジタル資産ネットワークや承認ワークフローなどのグローバル標準機能を利用できることが実証されたといいます。

これまでは海外基盤側へ秘密鍵管理を委ねる必要が導入上の課題となっていましたが、今回の実証では国産ウォレットを維持したままFireblocksへ接続可能な運用構成が成立することが示されました。

国内管理体制を維持したままグローバル標準機能を利用できる構成が示されたことで、経済安全保障を意識した機関向けインフラ整備として関心が高まっています。

国産ウォレットが機関向け基盤を再設計

海外依存がネックだった国内金融機関

3社によると、国内金融機関がグローバル標準のデジタル資産インフラを導入する際には、秘密鍵の管理主体や保管場所が大きな導入課題になっていました。

秘密鍵を外部事業者のシステムへ委ねる構成は、運用面に加え、経済安全保障上のサプライチェーンリスクとしても認識されてきました。

一方、ファイアブロックスは機関投資家向けデジタル資産インフラとして世界的に採用が進んでおり、国内金融機関でも活用ニーズが高まっていたといいます。

ただし、従来構成では秘密鍵管理をファイアブロックス側へ委ねる必要があり、金融機関側で秘密鍵を直接保持できない点が国内導入時の障壁になっていました。

こうした制約に対応する仕組みとして展開されているのが「Fireblocks Key Link」で、既存の鍵管理環境を維持したままファイアブロックス機能を利用できる設計だと説明されています。

コールド設計と国内生産が選定の鍵に

今回の実証では、Key Linkと接続する統合基盤としてAndGoウォレットが採用されました。

3社はその理由について、インターネットへ接続しないコールドウォレット設計に加え、マルチシグやMPC型署名による複数人承認へ対応している点を挙げています。

独立電源による動作環境や、発注元・利用チップ・生産工場まで追跡可能な国内生産体制も特徴で、すでに複数の国内仮想通貨交換所で導入実績があるとしています。

「接続・運用・安全性」3項目を実証

今回の実証では、Key Linkを介した接続を通じて、AndGoウォレット内での秘密鍵の生成・保存・運用や、ファイアブロックスのポリシーエンジンとの連携を検証したといいます。

あわせて、承認プロセスの正常動作や既存システムとの互換性維持についても確認が行われました。

接続範囲には、ステーブルコイン決済オーケストレーションや仮想通貨取引、デジタル資産エコシステム全体との接続環境が含まれていたとしています。

さらに、AndGoウォレット固有の機能を維持したまま統合環境全体の安全性を保てるかに加え、国内管理体制を維持しながら海外依存リスクを軽減できるかについても検証対象となりました。

3社は今回の内容について、あくまで技術的実現可能性を検証した段階だと位置づけています。

商用化で動き出す機関向け新インフラ

本ソリューションでは、秘密鍵の自社運用を維持したまま、ファイアブロックスのグローバル標準機能を同一構成内で利用できるようになります。

3社は、これまで技術的な両立が難しいとされてきた構成について、今回の実証によって実運用へ向けた道筋が見えてきたとしています。

さらに、ファイアブロックスのデジタル資産ネットワークを利用することで、国際的なカウンターパーティとの連携も進めやすくなる見込みです。

経済安保を背景に進む機関向け基盤整備

仮想通貨資産の管理インフラをめぐっては、機関投資家向けカストディの整備がグローバルで進んでおり、欧州ではリップルのカストディが大手銀行の実運用に採用されるなど、機関採用の段階に入りつつあります。

日本国内でも、金融庁が2026年4月3日に公表した「暗号資産交換業等におけるサイバーセキュリティ強化に向けた取組方針」で、外部委託先を含むサプライチェーン全体でのセキュリティ管理態勢の強化が不可欠だと明記されています。

今回の実証は、こうした規制側の動きとも重なっており、国産ウォレット技術を活用した機関向けインフラ整備が実運用段階へ進み始めた動きとして注目されています。

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Source:3社公式発表
サムネイル:AIによる生成画像

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