ステーブルコイン「USD1」HTX上場廃止、WLFIの凍結措置が発端に

ステーブルコイン「USD1」HTX上場廃止、WLFIの凍結措置が発端に

この記事の要点

  • HTXがUSD1を上場廃止、保有分はUSDTへ1対1で自動交換
  • WLFIによるHTX関連アドレス凍結が発端となり取引停止へ発展
目次

HTX、WLFI凍結に即応しUSD1を全廃止

大手仮想通貨取引所HTXは、米ドル連動ステーブルコイン「USD1」を、6月7日12時(日本時間)に上場廃止しました。

上場廃止に伴い、利用者が保有していたUSD1はテザー(USDT)へ1対1の比率で自動交換されており、交換後のUSDTは利用者の現物口座へ反映されます。

今回の対応は、USD1の発行元であるトランプ米大統領一家のDeFiプロジェクト「ワールドリバティファイナンシャル(WLFI)」がHTX関連アドレスを凍結したことによるもので、WLFIによる凍結措置を受けて取引停止および交換対応を実施したとHTXは説明しています。

同社は、凍結対象となった資産は制裁対象事業者や同社保有分ではなく、利用者が正規に取得した資産だと主張しており、WLFIに対して凍結解除と資産へのアクセス回復を求めています。

HTXの4取引ペア停止、WLFI凍結の波紋

法的根拠なき凍結、WLFIの強硬措置

HTXによると、WLFIは制裁順守の確認を理由に特定のHTX関連アドレスを一方的に凍結し、対象アドレスにあるWLFI資産のオンチェーン上での移動を制限したとしています。

HTXは、この措置が十分な事前通知や明確な法的根拠を欠いたまま実施されたと主張しており、凍結対象の資産は制裁対象ではなく、利用者が正規に取得したものだと説明しています。

HTXは凍結措置を受けて取引面でも対応を進め、6月5日22時(日本時間)に「WLFI/USDT」「USD1/USDT」「BTC/USD1」「ETH/USD1」の4取引ペアを停止しました。

上場廃止と入金停止に伴い、利用者が保有していたUSD1は現物口座でテザー(USDT)へ順次振り替えられており、入金および交換サービスは終了しています。

HTXは交換完了時期や最終的な配分結果について、すべての手続きが終了した段階で対象利用者へ改めて通知する方針を示しています。

英国制裁でHTXに余波、Huobi指定の影響

WLFIが制裁順守を理由に挙げた背景には英国政府による制裁措置があり、HTXを運営してきたとされるHuobi Global S.A.が2026年5月26日に制裁対象として指定されました。

英国政府は同日、ロシア関連制裁の一環としてHuobi Global S.A.を資産凍結対象に追加しており、HTXによると、これを受けてWLFIが関連アドレスの凍結に踏み切ったとされています。

これに対しHTXは、制裁対象となったHuobi Global S.A.は現在の運営主体とは別の事業体にあたると説明しており、今回の指定が利用者資産へ影響を及ぼすものではないとの立場を示しています。

「サン氏vsWLFI」対立を生んだ法廷戦争

今回の対立の背景には、HTXに関与するトロン(Tron/TRX)創設者創設者ジャスティン・サン氏とWLFIとの間で続いてきた法廷闘争もあります。

サン氏は2026年4月21日、カリフォルニア州の連邦地方裁判所にWLFIを提訴したと明らかにし、保有するWLFIトークンを不当に凍結されたうえ、ガバナンス投票権を奪われたと主張しました。

訴状によると、この凍結は2025年9月にさかのぼり、未ロック分5億4,000万枚とロック分24億枚のWLFIトークンが対象だったとされています。

一方のWLFIは2026年5月4日、サン氏が禁止された送金や名義購入(ストローパーチェス)、空売りを行ったとして、フロリダ州の裁判所に名誉毀損で反訴したと発表しました。

WLFI凍結が問う発行体権限の危うさ

今回の一件は、ステーブルコインやガバナンストークンの発行体が特定アドレスの資産移動を制限できる権限を持つことの是非をめぐる議論につながっています。

実際に今回は、発行体であるWLFIが自社トークン保有者を含むアドレスを凍結しており、分散型を掲げるプロジェクトであっても、発行体の判断によって利用者資産へのアクセスが制限され得る実態が示されました。

HTXは現在もWLFIに対して凍結解除と利用者資産へのアクセス回復を求めており、交換手続きの完了とあわせて両者の対応が続いています。

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Source:HTX公式発表
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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