韓国京畿道、公共決済にステーブルコインを実証|不正防止と透明化へ

韓国京畿道、公共決済にステーブルコインを実証|不正防止と透明化へ

この記事の要点

  • 韓国・京畿道がステーブルコイン公共決済実証を8月開始
  • ZK技術で不正防止と透明性向上を検証、27年2月完了
目次

韓国京畿道、ステーブルコイン実証を始動

2026年7月10日、韓国・京畿道が、地域通貨や公共決済にブロックチェーン基盤のステーブルコインを適用するPoC(概念実証)を段階的に進めることが明らかになりました。

現地メディアNexBlock(ネクスブロック)の報道によると、今回の実証はゼロ知識証明(ZK)技術を手がける韓国のセキュリティ企業「ZKrypto(ジクリプト)」が担当し、8月の第1次発行実証を皮切りに、2027年2月まで地域通貨や公共決済への適用可能性を段階的に検証する計画です。

PoCでは、公共支援金やバウチャーの不正使用防止に加え、支給から精算までの資金の流れを確認できる仕組みが機能するかどうかや、公共決済の透明性向上につながるかどうかが検証対象とされています。

これらの内容は、事業を担うZKryptoのキム・ボンギュ専務が7月10日にソウル市内で開かれたワークショップで明らかにしたもので、同氏は24対1の競争を経て研究用役(研究委託事業)に選定された経緯も説明しています。

公共決済の透明性をZK技術で実証へ

不正使用と精算の不透明さが背景に

報道によると、キム・ボンギュ専務は、京畿道がステーブルコインの実証に着手した背景として、公共支援金や割引クーポンで重複利用を防ぎにくいことや、個人情報保護の制約から利用履歴を横断的に確認しづらいことなど、既存の公共決済が抱える課題を挙げたといいます。

支給から使用、精算までの資金の流れをリアルタイムで把握しにくいことも課題とされており、今回のPoCでは不正利用の防止と公共決済の透明性向上を両立できるかどうかが検証される予定だと伝えています。

プライバシー保護と不正防止を両立

ZKryptoは今回のPoCで、プログラマブル決済、ゼロ知識証明(ZK)、準備金証明(PoR)を中核技術として採用し、補助金やバウチャーの利用条件をあらかじめ設定することで、指定用途以外での利用を防ぐ仕組みを検証するとしています。

ゼロ知識証明についてキム専務は「個人のプライバシーを守りながらも超過使用の有無だけを計算すれば不正使用を防げる」と説明し、個人情報を直接開示せずに重複利用の有無を確認できる仕組みを導入する考えを示したと報じられています。

準備金証明についても、発行量と準備金が一致しているかをリアルタイムで確認できる技術の実用化を目指しているとされ、キム専務は「発行量と準備金が一致しているかをリアルタイムで確認できる技術が必要だ」と述べ、同社が国内で初めて関連技術を開発したことも明らかにしています。

ドル建てステーブルコイン依存を回避

キム専務は、グローバルな金融機関によるステーブルコイン事業への参入や各国の制度整備が進むなか、韓国も対応を急がなければドル建てステーブルコインの流入によってデジタル決済インフラが海外システムへ依存する可能性があるとの認識を示しました。

そのうえで同氏は「京畿道からでも先にインフラを整えて防御しなければならないというのが基本的な論理だ」と述べ、自治体レベルから実証を始める必要性を強調したと報じられています。

8月にPoC開始、2027年2月完了へ

報道によると、発表資料では2026年7月10日の着手報告会を経て、8月までに第1次PoCとしてステーブルコインの発行実証を実施し、その後は10月から12月にテストベッドを拡張しながら検証を進め、2027年2月の完了を目指す方針が示されたといいます。

第1次PoCでは発行から流通、精算までの基本機能を確認し、第2次では適用事業の選定や住民・事業者への意見聴取を行いながら実証範囲を広げる計画で、キム専務は全体の研究期間が8か月に及ぶことも説明したと伝えられています。

韓国、国と自治体でステーブルコイン活用が加速

今回の京畿道によるPoCは、韓国で進むステーブルコイン制度整備の一環として位置付けられています。

韓国では2025年6月、李在明(イ・ジェミョン)大統領率いる与党「共に民主党」が、企業によるステーブルコイン発行を認める法案「デジタル資産基本法」を国会に提出し、制度整備が本格化しました。

こうした動きと並行して、2026年には商業銀行の預金をトークン化した「預金トークン」を国庫資金の執行に活用するパイロットも承認され、国家事業でブロックチェーン技術を活用する取り組みも始まっています。

報道では、京畿道のPoCについても、地域通貨や公共補助金など自治体の支給制度へステーブルコインを適用できるかを検証する取り組みとされており、対象事業や具体的な実施内容は京畿道とZKryptoの協議を経て順次決定される予定だと伝えています。

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Source:NexBlock報道
サムネイル:AIによる生成画像

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BITTIMES 編集長のアバター BITTIMES 編集長 仮想通貨ライター

仮想通貨ニュースメディア「BITTIMES(ビットタイムズ)」編集長。2016年にBITTIMESを創業し、暗号資産・ブロックチェーン・Web3領域の取材・執筆を10年近く継続。ビットコイン・イーサリアムをはじめとする主要銘柄の動向から、国内外の規制・税制・DeFi・NFTまで幅広くカバー。

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