この記事の要点
- ウォーレン氏がクラリティ法案改訂版の廃案を要求
- 倫理規定の実効性めぐり与野党対立が激化
「腐敗助長する」ウォーレン氏が廃案要求
米民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は2026年7月22日、仮想通貨市場構造法案「CLARITY(クラリティ)法案」の上院共和党による最新草案を批判する声明を発表しました。
同議員が批判したのは、上院共和党が同日公表した倫理規定入りの改訂版で、下院を通過済みの同法案は上院本会議での採決に向けた調整が続いています。
ウォーレン氏はX(旧Twitter)への投稿でも「この草案はトランプ大統領が仮想通貨で次の14億ドル(約2,290億円)を稼ぐことを止めるために何もしない」と述べ、腐敗を助長するとして草案は廃案にすべきだと訴えました。
この倫理条項は、トランプ大統領が受け入れを表明したと報じられた直後に条文化されたものの、内容の実効性をめぐって民主党側との溝は埋まらないまま残っています。
改訂版テキストが公開
倫理規定は「骨抜き」か、攻防が過熱
トランプ氏の仮想通貨収入14億ドルが争点
ウォーレン氏が声明で繰り返し引き合いに出したのは、トランプ大統領が2025年の1年間だけで仮想通貨(暗号資産)関連事業から14億ドル超の収入を得たとする財務開示の内容です。
トランプ氏の関連事業はこの14億ドルにより2025年の米仮想通貨業界で最大の収益を上げた存在になったとブルームバーグが報じており、民主党側はこの収入規模そのものを倫理規定の必要性を訴える根拠に据えてきました。
上院銀行委員会の民主党スタッフも分析資料を公表し、改訂版の規定ではWorld Liberty Financial(ワールド・リバティ・ファイナンシャル)関連など主要な収益経路が制限されないままだと指摘しました。
「抜け穴だらけ」と批判、共和党は反論
民主党側が抜け穴を訴える一方、共和党側が公表した改訂版の条文には、大統領や副大統領、連邦議会議員などとその配偶者が在任中に報酬目的でデジタル資産を発行・後援することを禁じる規定が盛り込まれました。
ただし違反の執行権限は司法省のみに限定されており、米金融規制団体Better Markets(ベター・マーケッツ)のアマンダ・フィッシャー氏は、州や民間による執行手段を欠くうえ公務員の子どもも対象外となっている点をXへの投稿で問題視しています。
これに対しホワイトハウスで仮想通貨政策を担うパトリック・ウィット氏はXへの投稿で、既存の連邦倫理法も州司法長官には執行権限を与えていないと指摘し、民主党側の批判に反論しました。
上院可決の鍵を握る60票の行方
双方の主張が平行線をたどるなかでも、上院での可決にはフィリバスター(議事妨害)の打ち切りに必要な60票の確保が欠かせず、ホワイトハウスでは仮想通貨顧問のウィット氏が残留して法案成立に向けた交渉を続けています。
交渉の次の節目は8月6日の休会入りとされており、それまでに倫理規定の溝を埋められるかどうかが上院本会議への提出時期に直結する見通しです。
次の節目は「8月6日」
棚上げリスク警告、業界は早期成立求める
クラリティ法案は、すでに成立したステーブルコイン規制法と並ぶ米国の仮想通貨立法の柱にあたり、仮想通貨の分類と管轄当局を定める市場構造分野では唯一の包括法案として審議が進められています。
同法案が成立すれば、どの資産がどの規制当局の監督下に入るかが法律で定まるため、米国の事業者や投資家にとっては取引の法的な扱いを判断しやすくなるとみられています。
米Ripple(リップル)のスチュアート・アルデロティ最高法務責任者はこの点を踏まえ、「完璧が善の敵になってはならない」とXで述べ、倫理規定に不備があっても法案全体を前に進めるべきだとの考えを示しました。
a16z(アンドリーセン・ホロウィッツ)の仮想通貨部門で法務責任者を務めるマイルズ・ジェニングス氏も、倫理規定の対立が長引けば市場構造の枠組み全体が棚上げになりかねないとXで警告しており、業界側からは早期の決着を求める声が広がっています。
今後は8月6日の休会入りまでに与野党が倫理規定で合意に至るかどうかと、上院本会議での採決がいつ設定されるかに関心が集まっています。
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Source:エリザベス・ウォーレン議員声明
サムネイル:AIによる生成画像


























