2026年、日本では保有する仮想通貨をコンビニや飲食店などで使える「仮想通貨(クリプト)カード」が相次いで登場し、VisaやMastercard、JCBなどの決済網を通じて仮想通貨を日常の支払いに利用する動きが広がっています。
カードによって仕組みは異なり、決済時に仮想通貨を法定通貨へ変換するサービスのほか、ステーブルコインによる返済や複数チェーンの資産に対応するタイプも登場しており、手数料や対応通貨、日本での提供状況にも違いがあります。
この記事では、Tria Pay・Binance Japan Card・HashPortカード・メタプラネットカード・Bitget Walletカード・Startale Cardの6種類について、手数料・年会費・対応通貨・申込条件を比較し、それぞれの決済方式や日本での提供状況を整理しています。
仮想通貨決済ガイド
仮想通貨カードとは?3つの決済方式の違い
仮想通貨カードの決済フロー
仮想通貨カードでは、ブロックチェーン上の保有資産を決済時に法定通貨相当額へ自動変換する仕組みが採用されており、利用者は専用ウォレットや取引所口座に資産を用意しておくことで、通常のカードと同じように店舗で支払えます。決済後はVisaやMastercardなどのネットワークを通じて処理されるため、加盟店側が仮想通貨を直接受け取る必要はありません。
こうした決済の仕組みは、資金を引き落とすタイミングによって「デビット型」「プリペイド型」「後払い(クレジット)型」の3種類に分かれます。デビット型は接続したウォレットの残高から決済時に引き落とすのに対し、プリペイド型は事前に法定通貨または仮想通貨をチャージし、その残高を上限として利用する方式です。
デビット型とプリペイド型は原則として保有・チャージした残高の範囲で利用するため、後払いによる債務が生じにくい一方、国内ではナッジ株式会社が発行するHashPortカードのように、独自審査を経て利用代金を後日ステーブルコインで返済する後払い型も登場しており、本人確認に加えて発行会社の審査を通過する必要があります。
カード利用時の課税と発行審査の基礎知識
一般的なクレジットカードが法定通貨による後払いを前提とするのに対し、仮想通貨カードでは支払いに伴って保有資産を処分するケースがあるため、日本の税務上仮想通貨の「譲渡」または「使用」に該当し、利益が生じた場合には課税対象となります。
取得時より決済時の価格が上昇していれば差額が所得として認識され、少額の日用品購入でも原則として課税イベントになり得るため、仮想通貨の税金・確定申告ガイドで申告方法を確認するとともに、年間の損益計算に仮想通貨での決済時の取引記録を反映できるよう、利用履歴を保存しておくことが重要です。
税務上の扱いとあわせて確認しておきたいのがカード発行時の審査で、デビット型やプリペイド型ではウォレット開設とKYC(本人確認)の完了によって申し込めるサービスがある一方、HashPortカードのような後払い型では別途審査が設けられています。KYCではパスポートや運転免許証などの本人確認書類を求められるのが一般的で、年齢を含む申込条件はサービスごとに異なります。
【2026年最新】仮想通貨カード主要6枚を比較
以下の表は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。(スペックが未公表のサービスについては「—(要確認)」と表記)
| カード名 | ブランド | 年会費 | 発行手数料 | 決済手数料 | 主な対応通貨 | 日本対応 | 還元・特典 | 申込条件 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Binance Japan Card | JCB | 初年度無料・2年目1,650円(年10万円利用で翌年無料) | 公表なし | 公表なし | BNB・USDT等 | ✅ 日本対応 | BNB還元1.6% | Binance Japan口座 / 本人確認 |
| HashPortカード | Visa | 無料 | 2,500円(税込) | 公表なし | JPYC(円建てステーブルコイン) | ✅ 日本対応 | 0.3% JPYC還元 | 本人確認書類1点+独自審査(後払い型) |
| Tria Pay カード | Visa | 公表なし(※カード料金 仮想$25/物理$109/メタル$250・年額か一回かは公式未明記) | 上記カード料金に含む | 国際取引 最大1%・為替 最大3%(公式規定) | BTC・SOL 等1,000+通貨 | 要確認(公式に日本を対応地域と明記せず) | 1.5〜6.0%(USDC/USDT建て・ティア別) | Tria Payアプリ / 本人確認 |
| Bitget Wallet カード | Mastercard | 無料(公式) | 無料(公式) | 公表なし(資産バックが相殺と説明) | チャージ:USDT/USDC/ETH/SOL / 還元受取:BTC・金・米国株・USDC | ✅ 日本対応(公式現行で対応地域に明記) | 最大3% assetback(基本2%) | Bitget Walletアプリ / オンライン本人確認 |
| メタプラネットカード | —(未公表) | —(未公表) | —(未公表) | —(未公表) | BTC(予定) | —(未公表) | BTC還元1.6%(発表済)・株主限定(発表済) | 株主資格必要(詳細未公表) |
| Startale Card | Visa | —(未公表) | —(未公表) | —(未公表) | USDSC(Soneium資産) | —(未公表) | USDSC還元(発表済)・条件順次決定 | 先行登録受付中 |
TriaPayカード
Tria Pay|1,000以上の通貨に対応する仮想通貨カード
自己管理のまま決済|200超のチェーンに対応
Tria Pay カードは、200以上のブロックチェーンにまたがる資産をひとつのカードで扱える仕組みを採用し、BTCやSOLをはじめとする1,000以上の通貨をUSDCまたはUSDT建てに変換して決済します。
幅広い資産を扱える一方、公式のカード規定では海外取引手数料が最大1%、為替手数料が最大3%に設定されています。秘密鍵をユーザー自身で管理する自己管理型の仕組みを採用しているため、取引所に資産を預けたままカード決済するサービスとは資産管理の方法が異なります。
利用を始めるにはTria Payアプリで本人確認を完了したうえで、仮想カード・プラスチックカード・メタルカードから利用形態を選択します。カード料金はそれぞれ25ドル・109ドル・250ドルに設定されていますが、年額か発行時のみの支払いかは公式ドキュメントで明示されていません。
利用地域についてはTriaが米国居住者を対象外とし、すべての国・地域で提供するわけではないと規定しているため、日本からの申込可否は公式サイト上での確認が前提となります。対応ウォレットは種類ごとに機能や対応チェーンが異なるため、Tria Payへ資産を移す際も保有する通貨と利用するネットワークの組み合わせによって手順が変わります。
決済前のスワップ・ブリッジ手数料に注意
実際にカードを使う段階では、Tria Payの自己管理型ウォレットへ対応資産を用意することになり、取引所から直接送金する方法に加えて、仮想通貨の購入後に利用するチェーンへブリッジするケースもあります。
BTCやETHなどの価格変動資産はUSDCまたはUSDT建てで決済されるため、カード利用に伴ってステーブルコインへのスワップが発生します。カード側の手数料だけでなく、資産を移動・交換する過程で取引所のスプレッドやネットワーク手数料が加わる場合があり、実際の負担額は利用する資産や経路によって変わります。
こうした資産の移動や交換はコストだけでなく税務上の記録にも関係し、Tria Pay上での変換・決済によって差益が生じた場合は課税対象となります。アプリ内の取引履歴には資産の変換やカード利用の記録が残るため、年間の損益計算ではこれらの履歴も管理対象となります。
国内申込OK|Binance Japan CardとHashPort
Binance Japan Card|BNB還元1.6%の特徴と条件
Binance Japan Cardは、Binance Japan公式プレスリリースによれば、ライフカード株式会社が発行するJCBブランドのカードです。利用額に対して1.6%相当のBNB(ビルドアンドビルド)が還元される仕組みを採用しており、日常のカード決済を通じてBNBを受け取れます。
還元に加えて維持コストを左右する年会費は初年度無料で、2年目以降は1,650円(税込)となりますが、前年のカード利用額が10万円以上であれば翌年度も無料になります。
国内ではJCB加盟店で利用でき、申込にはBinance Japan口座の開設とKYC(本人確認)の完了が条件となるため、すでに国内の仮想通貨取引所としてBinance Japanを利用している場合は既存口座から申込手続きへ進めます。決済手数料については2026年8月時点で具体的な数値が公式から公表されておらず、年会費や還元率とは情報の開示状況が異なります。
HashPortカード|年会費無料・JPYC後払い型
HashPortカードはナッジ株式会社が発行するVisaブランドの後払い型カードで、利用代金を円建てステーブルコインのJPYCで返済するとともに、決済額の0.3%相当をJPYCで受け取れます。入会金と年会費はいずれも無料で、カード発行時には2,500円(税込)の発行事務手数料が設定されています。
返済に使われるJPYCは日本円と1:1の価値を保つよう設計された円建てステーブルコインで、BTCなどの価格変動資産を返済に充てる方式とは異なります。税務上の損益はJPYCの取得価格や利用状況によって扱いが変わるため、実際の申告では個々の取引記録に基づいた計算となります。
デビット型やプリペイド型と異なり、HashPortカードは利用代金を後から返済する仕組みのため、申込時にはナッジ独自のAI審査を受け、マイナンバーカードまたは運転免許証のいずれか1点を本人確認書類として提出します。勤務先や年収の申告、電話連絡は不要とされており、審査結果は原則として申込から2営業日以内に通知されます。
提供予定の仮想通貨カード「メタプラネット・Bitget・Startale」
メタプラネットカード|株主限定・BTC還元1.6%
メタプラネットカードは、2026年3月の株主総会でBTC(ビットコイン)の還元率を1.6%とし、株主限定で提供する方針が発表されています。一方、年会費・発行手数料・国際ブランド・決済手数料・対応地域などの主要スペックは2026年8月時点でも公表されておらず、その後の続報でも具体的な条件は明らかになっていません。
提供開始は今夏を予定しているとされているものの、具体的な開始日や申込方法は現時点で未確定です。公表済みの条件はBTC還元率と株主限定であることが中心で、実際の利用コストや申込手続きに関する情報はまだ出そろっていません。
対象を株主に限定するため誰でも申し込めるカードではない一方、メタプラネット株を保有する利用者は日常のカード決済を通じてBTCを還元として受け取る仕組みとなります。還元率以外の条件が未公表であることから、2026年8月時点では他の仮想通貨カードと料金や利用範囲まで含めた比較ができない段階です。
Bitget Walletカード|年会費無料・最大3%資産還元
Bitget Wallet カードは、Bitget公式カードページで日本を含むアジア太平洋地域を対応地域として明記しており、開設料と年会費はいずれも0円です。USDT・USDC・ETH・SOLなどをチャージでき、利用額に応じて最大3%をBTC・金・米国株・USDCなどの資産で受け取る仕組みを採用しています。
決済手数料の具体的な数値は公表されていないものの、Bitgetは資産による還元によって両替やチャージに伴うコストを実質的に相殺できると説明しています。かつて日本が対象外とされていた時期もありましたが、現行の公式カードページでは日本が対応地域に含まれています。
カードは非カストディアル(自己管理型)のBitget Walletに組み込まれ、ウォレット内の資産管理に加えてDeFi(分散型金融)との接続にも対応しています。申込もBitget Walletアプリ内から行う仕組みとなっており、カード利用までの手続きがウォレット内に統合されています。
Startale Card|ソニー系Soneium対応のVisaカード
Startale Cardは、Startale公式プレスリリースによれば、ソニーグループが開発に関わるブロックチェーンSoneium上の資産をVisa加盟店での決済につなげるカードとして先行登録を受け付けています。Soneiumネイティブのステーブルコイン「USDSC」による還元も発表されていますが、手数料・年会費・申込条件などの詳細は順次決定するとしています。
現時点では先行登録の受付段階にあり、メタプラネットカードと同様に利用条件がすべて確定した状態ではありません。公表済みの情報はVisaブランド、Soneiumとの連携、USDSCによる還元などに限られ、具体的な料金体系や提供条件は未公表となっています。
メタプラネットカード
仮想通貨カードの選び方「手数料・通貨・安全性」を比較
手数料の総額で比較|発行・年会費・決済コスト
カードにかかる費用は発行手数料だけでは決まらず、年会費や決済手数料を含めた総額で差が生じます。HashPortカードは年会費無料で発行事務手数料が2,500円(税込)に設定されている一方、Binance Japan Cardは初年度無料で、年間10万円以上利用すると翌年度の年会費1,650円(税込)が無料となります。
こうした固定費に加えて実質的な負担を左右するのが還元で、Binance Japan Cardでは利用額の1.6%相当をBNB、HashPortカードでは0.3%相当をJPYCで受け取れます。還元率だけでなく受け取る資産も異なるため、カード利用後にBNBやJPYCを保有するか、別の資産へ交換するかによって使い方にも違いが生じます。
対応チェーンと保有資産の相性|カード選びの基本
コストの次に比較したいのが、現在保有している仮想通貨をどのカードで扱えるかという点です。Binance Japan CardはBNBによる還元、HashPortカードはJPYCによる返済・還元、Tria PayはUSDC・USDT建ての決済と200以上のブロックチェーンへの対応など、カードごとに利用できる資産や決済までの経路が異なります。複数チェーンに資産を保有している場合は対応範囲だけでなく、決済前にスワップやブリッジが発生するかどうかも利用コストに影響します。
対応資産とあわせて確認したいのが日本での提供状況で、Binance Japan CardとHashPortカードは国内向けの申込条件が具体化している一方、Bitget Wallet カードは現行公式ページで日本を対応地域に含めています。Tria Payは日本対応の明確な記載が確認できず、メタプラネットカードとStartale Cardも主要条件の一部が未公表となっているため、2026年8月時点では各カードで申込・提供状況に差があります。
偽サイトに注意|申込は必ず公式経路から
料金や対応資産が条件に合っていても、申込時には公式アプリや公式ウェブサイトと同じドメインであるかを確かめ、SNSのDMや第三者が掲載したリンクから直接手続きを進めないことが基本となります。フィッシングサイトでは正規サービスに似せたカード申込画面が使われるケースもあるため、広告に記載された「無審査」「即日発行」「高還元」といった文言だけで正規サービスと判断することはできません。
自己管理型ウォレットと連携するカードでは申込経路だけでなく秘密鍵やリカバリーフレーズの管理も関係し、これらの情報を第三者へ渡すとウォレット内の資産を操作されるおそれがあります。正規のウォレットやカードサービスであっても、秘密鍵やリカバリーフレーズを第三者へ共有することを前提とした資産管理は行いません。
仮想通貨カードのよくある質問(FAQ)
日本在住者は仮想通貨カードを使える?
2026年8月時点で、日本在住者が実際に申し込んで使える仮想通貨カードは、Binance Japan CardとHashPortカードの2枚が代表的です。Tria Pay カードは日本を対応地域と明記した公式記載が確認できず、申込前の可否確認が欠かせません。
Bitget Wallet カードは現行公式で日本対応と記載される一方、過去には対象外だった経緯もあり、公式サイトでの最新状況の確認が求められます。メタプラネットカードとStartale Cardは、現時点でまだ一般申込が始まっていません。
仮想通貨カードで支払うと税金はかかる?
日本の税制上、仮想通貨カードで支払いを行う行為は仮想通貨の「使用」または「交換」に該当し、取得時よりも高い価格で決済した場合には差益が雑所得として課税されます。
例えばBTCを1万円で取得し、1万2,000円へ上昇した時点でカード決済に使用すれば2,000円分の利益が生じたと見なされ、少額の日常決済でも原則として損益の記録・管理が求められるため、正確な所得計算にあたっては仮想通貨の税金・確定申告ガイドが参考になります。
仮想通貨カードでATMから現金を引き出せる?
対応しているカードとしていないカードがあり、2026年8月時点で国内主要カードの現金引き出し対応状況は各社とも明確に公表されていないものが多いのが現状です。
一般的にVisaやMastercardブランドを持つ仮想通貨カードはATM引き出し機能を持てる設計ですが、日本国内の銀行ATMやコンビニATMへの対応可否はカード発行会社の契約によります。引き出し時には別途手数料が発生するケースが多く、頻繁な現金引き出しを前提とするなら事前に公式で確認することを推奨します。
年会費が完全無料なカードはある?
HashPortカードは年会費・入会金ともに無料で、発行手数料2,500円のみで利用を始められます。Binance Japan Cardは初年度無料で、2年目以降は1,650円(税込)が発生しますが、前年に10万円以上利用すれば翌年も無料となる条件が設定されています。
Bitget Wallet カードは現行公式ページで年会費無料と記載されていますが、日本の対応条件と合わせて公式で確認が必要です。Tria Pay カードはカード料金(仮想$25/物理$109/メタル$250)が公式に定められていますが年額か一回かは明記されておらず、メタプラネット・Startaleは年会費が未公表の段階です。
PayPayや楽天Payなどとどう違う?
PayPayや楽天Payは日本円を事前にチャージして使う国内の電子決済サービスであり、仮想通貨を直接決済に使う機能は持っていません。仮想通貨カードは保有している暗号資産を自動変換して法定通貨建ての決済に使う点が根本的な違いです。
PayPayなどは残高の増減が日本円建てで完結するため課税関係は生じませんが、仮想通貨カードは利用のたびに課税イベントが発生し得る点で管理の手間が異なります。また、仮想通貨カードは国際的なVisa・Mastercard・JCBネットワークを介するため、海外での決済にも使える利点があります。一方でPayPayは基本的に日本国内の加盟店のみが対象です。
まとめ|仮想通貨カード選びのポイント
2026年に入り、日本でもJCB・Visa・Mastercardの決済網を利用した仮想通貨カードが相次いで登場し、国内向けに申込条件が具体化したサービスから、先行登録や詳細発表を待つカードまで選択肢が広がっています。
各カードでは年会費や還元率だけでなく、JPYCによる後払い、USDC・USDTへの変換、ウォレットからの直接利用など決済までの仕組みが異なり、保有資産によってはスワップやチェーン間の移動に伴うコストも発生します。
仮想通貨の売却や交換を伴う決済では利益が生じた取引が課税対象となるため、日常的なカード利用でも取引履歴が損益計算に関わり、一般的なクレジットカードとは異なる資産管理が伴います。
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サムネイル:AIによる生成画像



































