スペイン最大の自動車メーカー「SEAT」がブロックチェーン・コンソーシアムに参加
スペイン最大の自動車メーカーである「SEAT(セアト)」は、70社以上の企業や事業所が参加する「Alastria(アラストリア)」のブロックチェーン・コンソーシアムに加わり、"サプライチェーンの追跡"や"財務管理"などに取り組んでいます。
こちらから読む:世界の大手自動車メーカーが応用する「ブロックチェーン」の仕組み
SEAT(セアト)とは
SEAT(セアト)は、1950年に設立されたスペイン・カタルーニャ州に本拠を持つ同国最大の自動車メーカーです。SEATの売上高は、2017年に過去最高となるの95億5200万ユーロ(1兆1,900億円)に達しており、前年同期比で「11.1%」増加したと伝えられています。
1982年にVolkswagen(フォルクスワーゲン)と業務提携を結んだ後、1993年には完全子会社化されることとなり、現在はフォルクスワーゲン・グループの傘下に属しています。
同社の自動車はフォルクスワーゲンの協力の下、ヨーロッパ、中南米、アジア諸国などに輸出されたものの、日本への正規輸入・販売は行われていません。
ブロックチェーン・コンソーシアム|Alastria
SEATが今回参加した「Alastria(アラストリア)」のコンソーシアムは、スペインの銀行や電話会社、大学、ブロックチェーン・スタートアップなど70社以上が参加している複数の業界の企業から構成される「ブロックチェーンコンソーシアム」です。
これらの企業の中には、
・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)|金融機関
・Banco Santander(サンタンデール銀行)|金融機関
・Telefónica(テレフォニカ)|通信事業者
・Repsol(レプソル)|エネルギー会社
・Accenture(アクセンチュア)|コンサルティング会社
などの各業界を代表する企業も含まれており、ブロックチェーン技術の進歩と発展を促進し、それぞれの分野で役立てていくことを目的としています。
Alastriaは「ID Alastria」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げています。このプロジェクトのネットワークに参加する企業・団体は、政府機関や民間機関とのやり取りを行う際に、各種データと個人情報を完全に管理できると伝えられています。
サプライチェーンや財務管理に応用
「SEAT」と「Telefónica」は、スペインのマルトレイにあるSEATの工場で自動車部品のサプライチェーン全体を追跡するブロックチェーン製品の概念実証にすでに取り組んでいると伝えられています。
またこの他にもSEATは「Alastria」との共同作業を通じて、財務管理におけるブロックチェーンの利点をテストし、既存のプロセスを改善して最適化するための新しい対策を打ち出すことを計画しているとも伝えられています。
SEATの会長であるLuca de Meo(ルカ・デ・メオ)氏は「アラストリア・コンソーシアム」の一員となることによって『信頼とセキュリティを備えたサービスや製品を開発するための新たな可能性を切り開くことができる』と説明しており『ブロックチェーン技術は将来的にも重要な技術であることを確信している』と語っています。
自動車業界で「一般化」するブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術は、すでに数多くの大手自動車メーカーで活用されています。
サプライチェーンの追跡にブロックチェーン技術を活用するケースは今や一般的なものになりつつあり、自動車業界の大手メーカーはそれぞれが独自の分野で活用を進めています。活用事例は非常に様々であり「自動運転技術の発展」に役立てるケースや「ドライバーのエコドライブに仮想通貨報酬を付与するプロジェクト」などその種類は拡大してきています。
新たにブロックチェーン技術の活用に取り組む自動車メーカーとして参加したスペイン最大の自動車メーカーSEAT(セアト)が、これからどのような方面でこれらの技術を活用していくのかにも注目が集まります。
自動車業界におけるブロックチェーンの活用事例はこちら