リトアニアの仮想通貨ブームの裏で犯罪組織が活発化
仮想通貨に対して寛容的な姿勢を取っていたリトアニアでは、仮想通貨ブームが巻き起こりました。しかし仮想通貨への関心が高まったことによって、ロシアの犯罪組織がマネーロンダリングに利用する動きが活発化し、多くの懸念が生まれています。
ロシアの犯罪組織に対する懸念
politico.euの報告によると、リトアニア銀行の取締役であるマリウス・ユリラス(Marius Jurgilas)氏は、バルト国家がロシアの地下経済から恩恵を受けていることに関する懸念について話し合ったと報じられています。
ユリラス氏は、ICO投資の70%が主にロシアによるものであることを懸念しています。
彼は「ロシアからの不透明な資本の流入はリトアニアの国益と一致しない」と語っており、「そのことを投資家に伝えるために何度も訴えている」と述べています。
リトアニアにおける"仮想通貨規制の欠如"に関しては業界に携わる人々の間でも認識されており、『仮想通貨を規制する適切なルールがなければ、投資家から調達された資金が個人的な利益のために悪用される可能性がある』という懸念を生んでいます。
適切な規制が設定されていなければ、リトアニアのICOはロシアの犯罪組織がマネーロンダリングのような犯罪行為を行うための"理想的なルート"になってしまう可能性もあります。この可能性も踏まえたユリラス氏は「ロシアの資本が地元経済に浸透することを望んでいない」と述べています。
ICOの重要な中心地
ICOを行う上での重要な中心地となっているリトアニアでは、多くの仮想通貨プロジェクトが資金を調達しており、すべてのグローバルICO投資の10%を占めています。
また過去1年間に、同国の仮想通貨企業の起業家が、ICOやブロックチェーンをベースにした企業から約5億ユーロ(約641億円)を調達したことも報告されています。
仮想通貨への適切な規制
リトアニアの財務省は6月11日に証券法の新しい解釈を概説する文書を発表しました。この枠組みはリトアニアの中央銀行が商業銀行と仮想通貨企業に関与して仮想通貨の立場を明確にするための取り組みに従ったものであり、ICOのガイドラインを提供し、欧州連合(EU)の複数の同盟国を規制の面で先導しています。
同国は経済副大臣によるブロックチェーンの支持声明とともに、仮想通貨の点でも漸進的な地位を確立するために多くの努力を払っています。このアプローチによって、伝統的な投資と仮想通貨の関係を監視することが、仮想通貨に関わりのある人々の起業家精神に役立つ環境をサポートしながら規制当局の懸念を示すことができます。
リトアニア、エストニア、ラトビアなどのバルト諸国では、ここ最近で急速に仮想通貨の導入が進んでいました。これらの地域では、さまざまな分野でビットコイン決済が導入されているだけでなく、独自トークンの発行も検討されています。
新しい規制やこれらの懸念などが、バルト諸国の今後にどのような影響を与えることになるかに注目が集まります。
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