TON財団、Web3の未来を見据えた新ファンド「TON Ventures」設立
2024年8月14日、仮想通貨業界に新たな動きが見られました。テレグラムと深い関わりを持つThe Open Network(TON)の支援団体、TON財団が4,000万ドル(約60億円)規模の投資ファンド「TON Ventures」の立ち上げを発表しました。
この動きは、急成長を遂げるTONエコシステムをさらに推し進めるためのものです。実際、TONの日々のユーザー数は驚くべき勢いで増加し、8月半ばには1,200万人を超える規模に達しました。これは、イーサリアムをも上回る数字だと言われています。
さらに注目すべきは、2024年初頭から7月末までの間に、TON上の預かり総資産(TVL)が40倍も増加し、7億ドル(約1,000億円)という驚異的な数字を記録したことです。この急成長の背景には「Notcoin」というゲームの爆発的な人気があります。
Notcoinは、わずか3か月で3,500万人ものプレイヤーを獲得し、大きな話題を呼びました。ユーザーがウォレットなしで利用でき、トークンの請求時にアドレスを取得できる手軽さが、その人気の秘密です。加えて、テレグラムウォレットを通じた手数料なしの即時送金や、アプリ内でのトークンスワップなど、ユーザーフレンドリーな機能も好評を博しています。
TON Venturesの狙いは明確です。テレグラムアプリを基盤としたWeb3サービスの開発を後押しし、新たな経済圏を創出することを目指しています。
投資の焦点は、テレグラムを基盤とするユーザー向けアプリケーション、Telegram Mini Apps(TMAs)、そして開発者向けのインフラとツールの3分野に絞られています。
ファンドの責任者であるイアン・W氏は、「私たちは、Web3の新時代を切り開こうとしています」と意気込みを語りました。イアン氏自身、TONチェーン上で人気を博したゲームや取引プラットフォームの立ち上げに携わった経験を持つ人物です。
注目すべきは、このファンドが単なる資金提供にとどまらない点です。選ばれたプロジェクトには、業界の専門家によるアドバイスや、広範なネットワークへのアクセス、さらにはテレグラムの広告枠の利用機会まで提供されるそうです。
TON Venturesの設立は、Web3技術とメッセージングアプリの融合がもたらす可能性に、大きな期待を抱かせます。9億人というテレグラムの巨大ユーザーベースとの連携を強みに、今後どのような革新的なサービスが生まれるのか、業界関係者の注目が集まっています。
仮想通貨やブロックチェーン技術の世界は日々変化しています。TONの取り組みは、その変化の一端を担うものかもしれません。テクノロジーの進化が私たちの日常をどう変えていくのか、その行方を見守る価値は十分にありそうです。
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(TON公式発表)