2025年の仮想通貨市場予測|BTC・ETH・DOGEの価格予想や注目の話題
Galaxy Researchの2025年仮想通貨市場予測
仮想通貨投資企業ギャラクシーデジタルのリサーチ部門である「Galaxy Research」は2024年12月28日に、2025年の仮想通貨市場予測をまとめたレポートをXで投稿しました。
今回の予測はGalaxyのクライアントや関係者向けに送られたもので「ビットコイン、イーサリアム、ドージコイン、米政府効率化省、ステーブルコイン、分散型金融、レイヤー2、政策、ベンチャーキャピタル」などといった様々な分野に関する特集が組まれています。
🚨 Crypto Predictions for 2025 from @glxyresearch
— Galaxy Research (@glxyresearch) December 27, 2024
Featuring... bitcoin and ether price, ETHBTC, both Dogecoin and D.O.G.E., stablecoins, defi, L2s, policy, VC, and more...
Here are the predictions we just sent to @galaxyhq clients and counterparties 👇
🚨Galaxy Researchによる2025年の仮想通貨予測
特集...ビットコインとイーサリアムの価格、ETHBTC、ドージコインとD.O.G.E.、ステーブルコイン、DeFi、L2、政策、VC、その他...
Galaxyの顧客と取引先に送ったばかりの予測はこちら👇
今回投稿された市場予測は20以上の項目にわたるもので、その中ではBTC・ETH・DOGEの価格予想なども語られています。
Galaxy Researchは2025年も仮想通貨市場がさらに成長すると予想しているようで、具体的には以下のような予測が語られています(※以下は公開された市場予測の一部を抜粋したもの)。
ビットコイン関連の2025年市場予測
ビットコインの価格予想・市場予測
ビットコイン(BTC)の価格は2025年上半期に15万ドル(約2,369万円)を超え、2025年第4四半期には18万5,000ドル(約2,922万円)をテストするか上回る。
機関投資家・企業・国家によるBTC採用がビットコインを新たな高値に押し上げる。ビットコインはこれまでS&P500や金を含む他の資産クラスよりも早く上昇してきたが、この傾向は2025年も続くことになり、ビットコインは金の市場規模の20%に達すると予想される。
米国の現物ビットコインETPの運用資産額は2,500億ドル超えると予想される。これまでは富裕層向け資産管理会社や投資顧問会社はBTCを正式採用していていなかったが、2025年にはこれに変化が訪れ、現物ビットコインETPへの資金流入と運用資産額がさらに増加する。
BTC投資戦略の採用・技術開発面
戦略・ポートフォリオ分散・貿易決済などの理由から、主要企業や国家の資産としてビットコインを採用する動きがさらに加速し、ナスダック100の5社と5つの国がビットコインを採用する可能性がある。
技術開発面では、2025年にビットコイン開発者がトランザクションのプログラマビリティ(プログラム可能性)を強化するオペコード導入について合意すると予想される(※ただし2025年内には実装されない)。
ビットコインのマイニング
時価総額上位20の上場ビットコインマイニング企業の半数以上が、ハイパースケーラー、AI、高性能コンピューティング(HPC)企業への移行または提携を発表する。
AIによる計算需要の増加によって、ビットコインマイナーはHPCインフラをビットコインマイニング施設に隣接させたり、改修・新設したりするようになる。これにより、2025年の年間ハッシュレートの増加は制限され、年末には1.1ゼタハッシュに達すると予測される。
ビットコインの分散型金融(DeFi)
ビットコインの分散型金融(DeFi)領域では、DeFiスマートコントラクトやステーキングプロトコルにロックされたBTC総量が2025年に約2倍になると予想される。
2024年12月時点ではWBTCのうち110億ドル以上がDeFiスマートコントラクトにロックされており、このうち70%以上は貸付プロトコルの担保として使用されている。また、ビットコインの最大ステーキングプロトコル「Babylon」には約42億ドルの追加預金がある。
現在154億ドルと評価されているビットコインDeFi市場は、イーサリアムL1/L2の既存DeFiプロトコル、ビットコインL2の新しいDeFiプロトコル、Babylonのようなステーキング層を含む複数の分野で2025年に大幅に拡大すると予測される。
イーサリアム関連の2025年市場予測
イーサリアムの価格予想・規制・技術活用
イーサリアム(ETH)は2025年に5,500ドル(約87万円)を超える価格で取引されるようになる。DeFiやステーキングに関する規制が緩和されることで、イーサリアムは2025年に過去最高値を更新すると予想される。
分散型金融(DeFi)と伝統的金融(TradFi)の提携が新しい規制サンドボックス環境内で行われる可能性があり、これによって伝統的な資本市場がパブリックブロックチェーンでの実験を本格的に開始できるようになる。
イーサリアム関連の技術はこの分野で最も多く利用されると見込まれており、企業は主にイーサリアムの技術を基盤とした独自のレイヤー2ネットワークを構築して実験を進めると予想される。
一部のゲームはパブリックブロックチェーンを利用して、自社製品を市場に適合させていく可能性があり、それによってNFTの取引量も大幅に回復する見込み。
イーサリアムのステーキング
イーサリアムのステーキング率は50%を超える見込み。
トランプ政権が仮想通貨規制を明確化する可能性があり、それによって現物イーサリアムETPが保有するETHの一部をステーキングできるようになると考えられる。
ステーキングの需要は来年も増加を続け、2025年末までにイーサリアムの流通供給量の半数を超える可能性がある。これにより、イーサリアム開発者がネットワークの貨幣政策に関する変更をより真剣に検討するようになる。
さらに重要なのは、ステーキングの増加がLidoやCoinbaseのようなイーサリアムステーキングプール、およびEigenLayerやSymbioticのようなリステーキングプロトコルを通じた需要と価値の増加を促進することである。
ETH/BTC比率、L1やL2の2025年市場予測
ETH/BTCの比率について
ETH/BTCの比率は2025年に0.03を下回るが、年末には0.06を超える見込み。
仮想通貨業界で最も注目されているペアの一つであるETH/BTCの比率は、2022年9月にイーサリアムが「Merge」アップグレードでプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に移行して以来、危うい下降傾向にある。
しかし、規制の変化がイーサリアムとそのアプリケーション層(特にDeFi)を支援することになり、イーサリアムへの投資家の関心が再燃することになると予想される。
レイヤー2全体がその他のレイヤー1を上回る
レイヤー2全体は2025年にその他のレイヤー1よりも多くの経済活動を生み出す見込み。
L2の手数料がその他L1の手数料に占める割合(現在は一桁台中盤)は、年末までにアルトL1全体の手数料の25%以上に達すると予測されている。
L2は年初にスケーリングの限界に近づき、トランザクション手数料の頻繁な高騰を招く可能性があり、ガスリミットやBLOB市場パラメータの変更が必要になると予想されるが、RethクライアントやArbitrum Stylusのような他の技術ソリューションが、ロールアップにさらなる効率性を提供し、トランザクションコストを実用的なレベルに保つと期待される。
DeFiやオンチェーンガバナンスの市場予測
分散型金融(DeFi)が配当時代に突入
分散型金融(DeFi)は「配当時代」に突入し、オンチェーンアプリケーションがユーザーやトークン保有者に対し、少なくとも10億ドル相当の価値を財務資金や収益分配から提供する見込み。
DeFi規制が明確になるにつれて、オンチェーンアプリケーションによる価値分配が拡大すると予想される。UniswapやLidoのようなプロトコルも、規制明確化や競争環境の変化を受けてユーザーへの価値分配を再検討する可能性がある。
規制環境の好転とオンチェーン活動の増加が相まって、プロトコルによる買戻しや直接的な収益分配がこれまでよりも活発になると考えられる。
オンチェーンガバナンスの活発化
オンチェーンガバナンスが復活し、アプリケーションが未来予測型ガバナンスモデルを試みるようになる。アクティブ投票者数は少なくとも20%増加する見込み。
オンチェーンガバナンスはこれまで「参加率の低さ」や「投票の多様性の欠如(ほとんどの提案が圧倒的多数で可決される)」という2つの課題に直面していたが、投票の障害になっていた規制上の緊張の緩和やPolymarketの成功によって、これらの課題が改善する可能性がある。
2025年には従来型のガバナンスモデルから未来予測型モデルへと移行し、投票の多様性を向上させるとともに、規制上の追い風がガバナンス参加を後押しすると予想される。
伝統的金融(TradFi)に関する市場予測
大手銀行がデジタル資産のカストディサービスを開始
世界のトップ4のカストディ銀行が2025年にデジタル資産のカストディ(管理)を開始する見込み。
通貨監督庁(OCC)が国内銀行がデジタル資産を管理できる道筋を整えることで、BNYメロン、ステートストリート、JPモルガン・チェース、シティの4大カストディ銀行がデジタル資産サービスを提供する見込み。
TradFiとの提携に基づくステーブルコイン発行
少なくとも10の伝統的金融(TradFi)との提携に基づくステーブルコインが発行される。
2021年から2024年にかけてステーブルコインは急速に成長し、現在は202のプロジェクトが存在、その中には伝統的金融(TradFi)と強い結びつきを持つものも含まれている。
規制の明確化が進む中で、伝統的な金融機関がステーブルコインを統合していくと予想されており、先行者は将来の事業展開の基盤を築くことで優位性を得る可能性がある。
ステーブルコイン関連の2025年市場予測
ステーブルコインの総供給量が倍増
ステーブルコインの総供給量は2025年には倍増し、4,000億ドルを超える見込み。
ステーブルコインは支払いや送金などで積極的に活用されている。既存のステーブルコイン発行者や伝統的な銀行・信託・預託機関に対する規制の明確化が進むことで、2025年にはステーブルコインの供給量が爆発的に増加すると予測される。
USDTのドミナンスが50%を下回る
テザー(USDT)のドミナンス(市場占有率)が50%を下回り、BlackrockのBUIDL、EthenaのUSDe、Coinbase/CircleによるUSDC Rewardsなどといった、利回りを提供する代替手段から挑戦を受けることになる。
テザーがUSDT準備金の利回り収益を内部のポートフォリオ投資に充てる一方で、ステーブルコイン発行者やプロトコルが収益をユーザーに還元するマーケティングが実施されることで、既存ユーザーがUSDTから離れて、利回りを提供する他ソリューションへ移行する可能性がある。
Coinbase Exchangeやウォレット残高に対して支払われるUSDCの報酬は強力な勧誘手段となり、DeFiセクター全体を活性化させるとともに、フィンテック企業がこれを統合して新しいビジネスモデルを実現する可能性がある。
これに対応して、テザーがUSDT保有者に担保保有から得られる収益をUSDT保有者に還元する利回り商品を提供するような動きが起こる可能性もある。
ステーブルコイン関連の法案通過
2025年には米国でステーブルコインに関する法律が上下両院を通過し、トランプ大統領によって署名されると予想されるが、市場構造に関する法律は成立しない。
米国において、ステーブルコイン発行者の登録・監督制度を正式に規定する法律が超党派の支持を得て2025年末までに成立する見込み。
ドル建てステーブルコインの供給増加は、ドルの優位性や財務省市場を支えるものであり、銀行・信託・預託機関に対する規制緩和が期待される中で、ステーブルコインの採用が大幅に進むと予想される。
しかし、トークン発行者や取引所に対する登録・開示・監督要件を策定する市場構造法案や、SECおよびCFTCの既存ルールを暗号資産に適用するための法改正はより複雑であるため、2025年中に成立することはないと考えられる。
その他の2025年仮想通貨市場予測
仮想通貨VC投資総額が1,500億ドルを超える
仮想通貨VC投資総額が1,500億ドルを超え、前年比で50%以上の増加が予想される。
利下げと仮想通貨規制の明確化が進むことによって、ベンチャー活動に対する配分者の意欲が高まり、VC活動が急増する可能性。
暗号資産VCの資金調達は歴史的に仮想通貨市場全体のトレンドに遅れる傾向があり、今後4四半期で追いつきが見られると予想される。
米国政府のビットコイン準備金について
米国政府が2025年にビットコインを購入することはないと予想される。
しかし、すでに保有しているビットコインを用いて準備金を形成し、ビットコイン準備金政策の拡充を検討する動きが一部の省庁や機関内で進む可能性がある。
SECが「Prometheum」の調査を開始
米国証券取引委員会(SEC)が最初の特別目的ブローカーディーラーであるとされる「Prometheum」の調査を開始する。
これまで無名だったブローカーディーラーが突然登場し、新しい種類のブローカーディーラーライセンスを最初に取得したことは注目を集めた。同社CEOは下院金融サービス委員会の共和党議員によって厳しく追及され、FINRA(金融業規制機構)の記録によれば、Prometheumの代替取引システム(ATS)はいまだに取引を行っていない。
共和党議員は司法省とSECに対して「中国とのつながり」を調査するよう求めており、他の共和党員は彼らの資金調達と報告に不正があると指摘している。
Prometheumが調査されるかどうかにかかわらず、2025年には特別目的ブローカーディーラーライセンスが廃止される可能性が高いと考えられる。
ドージコイン価格が1ドルに到達する
ドージコイン(DOGE)の価格は1ドル(約158円)に到達し、時価総額は1,000億ドルに達する。
しかし、米国で新たに立ち上げられた米政府効率化省(D.O.G.E.)はドージコインの時価総額を上回るほどの経費削減を実現する可能性がある。
Galaxy Researchが発表した市場予測の詳細は、こちらのリンク先ページで確認することができます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=157.95円)
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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