この記事の要点
- Etherscanが2026年3月9日に新機能を発表
- 不要なトークン承認を一括で取り消せる「バッチ・リボーク」を追加
- EIP-7702対応ウォレットなら1回の署名で複数承認を同時解除可能
- DeFi利用者のハッキング被害リスクを大幅に軽減
Etherscanが「バッチ・リボーク機能」をリリース
暗号資産(仮想通貨)の代表格であるイーサリアム(ETH)のブロックチェーンエクスプローラーとして広く知られる「Etherscan(イーサースキャン)」は2026年3月9日に、不要になったトークン承認(Approve)を一度に複数取り消すことができる新機能「バッチ・リボーク(Batch Revoke)」を発表しました。
この新機能機能は、Etherscanが標準で提供している「Token Approvals(トークン承認チェッカー)」ツールに追加されたものであり、これによってユーザーはこれまでよりも効率的かつ安全に自身の資産を管理できるようになります。
🆕 Batch Revoke Token Approvals
Revoke multiple token approvals at once using our Token Approvals tool pic.twitter.com/31kWBfDZen
— etherscan.eth (@etherscan) March 9, 2026
🆕 トークン承認の一括取り消し機能(Batch Revoke Token Approvals)
当社のToken Approvalsツールを使用して、複数のトークン承認を一度に取り消すことができるようになりました。今すぐお試しください:https://etherscan.io/tokenapprovalchecker
あなたのEOA(外部所有アカウント)がEIP-7702に対応しており、使用しているウォレットがトランザクションのバッチ処理をサポートしている場合、1回のトランザクションで複数の承認を取り消すことができます⚡
その他のウォレットを使用している場合は、これまで通り取り消しトランザクションごとに個別に署名する必要があります。
ぜひ試してみて、ご意見をお聞かせください🙌
自分の暗号資産を守るリボーク(Revoke)の重要性
分散型金融(DeFi)の普及に伴い、ユーザーは分散型取引所(DEX)でのトークン交換や、レンディングプラットフォームへの資産預け入れなど、多様なサービスを利用する機会が増加しています。
こうしたWeb3(分散型ウェブ)の各種分散型アプリケーション(DApps)を利用する際、ユーザーは自身のウォレット内にあるトークンをスマートコントラクトが移動・操作できるように「承認(Approve)」の権限を与える必要があります。
この承認作業において、多くのプロトコルでは将来的なガス代(ネットワーク手数料)の節約や利便性を考慮し、「無制限(Infinite)」の金額の承認を求めることが一般的となっています。しかし、一度無制限の承認を与えたまま放置しておくと、将来的にそのプロトコルがハッキングされた際に、自身のウォレット内の資金まで不正に引き出されてしまうリスクが伴います。
このような被害を防ぐために、使用しなくなったサービスや疑わしいコントラクトに対する承認を解除する「リボーク(Revoke:取り消し)」という作業が、仮想通貨の自己管理において非常に重要視されています。
しかし、これまでの環境では、複数のプロトコルに対して行った承認を取り消す場合、1つのコントラクトごとに個別のトランザクションを生成し、その都度署名してガス代を支払う必要がありました。この煩雑な作業は、多くのユーザーが定期的なリボークを怠る要因となっており、結果としてハッキング被害の拡大を招く一因となっていました。
EIP-7702を活用したバッチ処理の画期的な仕組み
今回Etherscanが導入した一括リボーク機能の背後には、「EIP-7702」と呼ばれるイーサリアムの重要な改善提案が関係しています。
EIP-7702は、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏らによって提案されたもので、一般的なユーザーのアカウントであるEOA(Externally Owned Account)に対し、トランザクションの実行中のみ一時的にスマートコントラクトの機能を持たせるという画期的なアップグレードです。
この機能が実装されていることで、ユーザーは「複数回の操作」を「1回のトランザクション」としてまとめて処理(バッチ処理)することが可能になります。これにより、アカウント抽象化(Account Abstraction)に近い優れたユーザー体験(UX)を、既存のアカウントを移行することなく実現できるのが特徴です。
Etherscanの新しいツールでは、このEIP-7702とバッチ処理に対応した最新のウォレットを組み合わせることで、これまでは1つずつ署名が必要だった複数トークンのリボークを、たった1回の署名とトランザクションで完了させることができるようになりました。
なお、現在使用しているウォレットがEIP-7702やバッチ処理に対応していない場合であっても、Etherscanの同じインターフェースから従来通り1つずつ署名して取り消す操作は引き続き利用可能です。
Token Approvalsツールでの一括取り消し手順
Etherscanの「Token Approvals」ツールは、特別な専門知識がなくても直感的に操作できるように設計されています。新機能を利用してトークンの承認を取り消すための基本的な手順は以下の通りです。
- サイトへのアクセスと接続:
Etherscanの「Token Approvals」ページにアクセスし、「Connect Wallet」ボタンから自身のウォレットを接続します。 - 承認状況の確認:
ウォレットが接続されると、その時点で承認・許可されているトークンやコントラクトなどの情報が一覧表示されます。 - 取り消す項目の選択:
リスクがあると判断したもの、または長期間利用していないコントラクトの欄にあるチェックボックスを選択します。バッチ機能により複数の項目を同時に選択することができます。 - 一括リボークの実行:
選択後に一括リボーグを実施します。ウォレットがEIP-7702に対応していれば、1回のトランザクション署名で選択したすべての承認を取り消すことができます。
仮想通貨市場において、ユーザー自身の資産を保護するためのセキュリティ対策はますます重要性を増しています。定期的なリボークは資金を守るための基本中の基本とも言える作業です。
Etherscanがこのようなユーザーフレンドリーな機能を標準で提供することで、DeFiエコシステム全体の安全性が底上げされ、より多くの人々が安心してブロックチェーン技術を活用できる環境が整っていくことが期待されます。
大切な資産を予期せぬハッキングやエクスプロイト(脆弱性攻撃)から守るためにも、定期的に自身のウォレットの承認状況をチェックし、不要な権限はこまめに取り消す習慣をつけることが強く推奨されます。
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source:etherscan.eth 公式X
source:Etherscan Token Approvals
サムネイル:AIによる生成画像

























