「WOLF」暴落の裏に再びLIBRA黒幕のデイビス氏|暴かれた資金操作の真相

by BITTIMES

LIBRAの黒幕、仮想通貨「WOLF」を発行

ブロックチェーン分析企業Bubblemaps(バブルマップス)は2024年3月16日、LIBRAに関与し、国際的に注目を集めているヘイデン・デイビス氏が、新たにミームコイン「ウルフ($WOLF)」を発行したことを明らかにしました。

バブルマップスがX(旧Twitter)上で公開したレポートによると、$WOLFの作成者アドレスから資金が移動し、17の中継アドレスと5回のクロスチェーン転送を経て、最終的にデイビス氏が管理するウォレット(アドレス末尾がcEAe)に到達したことが報告されています。

$WOLFの作成者アドレスから資金移動を追跡し、17のアドレスと2つのブロックチェーンをまたいだ転送を辿ったところ、全てが一つのアドレス(0x...cEAe)に繋がりました。

これはヘイデン・デイビス氏が所有するアドレスと同じものです。

さらに、$WOLFトークン総供給量の約82%がごく少数の関連ウォレットに集中していたことも明らかにされています​。こうした異常に偏った供給分布は内部者による支配を強く示すもので、デイビス氏や協力者が大半のトークンを握っていた疑いがあると見られています​。

また、$WOLFの資金フローや保有構造は、デイビス氏が以前立ち上げた$HOODトークンのパターンとほぼ一致していたと報告されています。

いずれの場合も、一連の関連ウォレット群が供給の大部分を占有し、その後流動性を引き抜いて価格を崩壊させており、デイビス氏は同じ手口を$WOLFでも適用した可能性が高いと指摘しています​。

バブルマップスは今回の調査に際し、仮想通貨業界の不正暴露系YouTuberであるCoffeezilla(コーヒージラ)氏とも協力したことも明かしており、デイビス氏が$WOLFにも関与していたことに驚きを示しました。

Coffeezillaとの協力により、我々はヘイデン・デイビスがLIBRAやMELANIA、その他のトークンの黒幕であることを暴露しました。

デイビスがトークンを立ち上げる行為はもう終わったと思っていたが、それは間違いでした。

ブーム便乗のWOLFトークン急騰と暴落

$WOLFトークンは、その名の通りレオナルド・ディカプリオ主演の映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」にちなんだミームコインです。元株式ブローカーで同映画のモデルとなったジョーダン・ベルフォート氏が自身の仮想通貨「WOLF」を発行するとの噂が先週流れ、ミームコイン界隈は色めき立ちました​。

デイビス氏はこのベルフォート氏をめぐる風説に便乗する形で、3月8日に$WOLFトークンをローンチしたとされています​。公開直後、Reddit発の投資コミュニティ「WallStreetBets(WSB)」のSNSアカウントが$WOLFを取り上げたことで一気に注目が集まり、投機熱が過熱しました​。

その結果、$WOLFの時価総額はデビューから僅か数時間で約4,000万ドル(約59億円)に急騰し、大きな話題を呼んでいました​。

しかし、この熱狂は長く続きませんでした。ピークに達した数時間後には価格が急落し、翌日の9日には価値がほぼゼロにまで崩壊しています​。

実質的に99%以上の暴落であり、一夜にして多くの遅れて参入した投資家がほぼ無価値のトークンを掴まされる結果となりました​。オンチェーンデータから浮かび上がった初期段階の不審な動きも、この結末を裏付けています。

$WOLFの開発者は複数のウォレットを駆使して「スナイピング」と呼ばれる手法を用い、ローンチ直後に大量のトークンを取得し、市場を操作した形跡が確認されました。

加えて前述の通り供給の大部分を内部者が握っていたことから、今回の急落劇は典型的な「ラグプル(詐欺的な資金持ち逃げ)」であると見られています​。

プロジェクトからは明確なホワイトペーパーや開発チーム情報が一切公開されておらず、ベルフォート氏の名を借りた話題性とコミュニティの熱狂だけを頼りに資金を集めた実態が浮かび上がっています​。

バブルマップスの調査により裏付けられたこれらの事実から、$WOLFは最初から開発者側の一攫千金を目的に仕組まれた短命な「ポンプ&ダンプ」であったことが明白になりました​。

ミームコインとインサイダーの暗躍

仮想通貨業界では、今回のような事件を受けてミームコイン全般に対する懸念が高まっており、ヘイデン・デイビス氏に対しては各国の当局が目を光らせ始めています。

アルゼンチンでは、同国の有名弁護士グレゴリオ・ダルボン氏がデイビス氏の逮捕を求めて裁判所に申し立てを行い、インターポールに対し国際逮捕手配(レッドノーティス)の発行を要請しました​。

LIBRAトークンは、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領がX上で支持を表明したことで一時的に注目を集めました。しかし、その後トークンの時価総額が44億ドルから95%以上も下落すると、ミレイ氏は投稿を削除し、支持を撤回しました。

この「Libra騒動」はアルゼンチン政界にも波紋を広げ、ミレイ大統領は野党から弾劾要求を突き付けられる事態となりました​。

また調査会社チェイナリシスの解析によれば、LIBRAでは8つの内部者ウォレットが流動性プールから約9,900万ドル(約147億円)相当を引き抜いていたことが判明しており​、当局はデイビス氏ら創設チームによる大規模な不正利得があったとみて捜査を進めています。

今回浮上した$WOLFトークンも、LIBRAに続くインサイダー取引の疑惑が裏付けられました。市場では短期的な話題作りによる急騰と急落が相次ぎ、個人投資家が被害を受けるケースが後を絶ちません。

ヘイデン・デイビス氏の動向は依然として不透明ですが、今回のWOLF暴落を受け、仮想通貨業界では透明性の向上と不正行為への厳格な対処を求める声が高まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=148.83円)

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Souce:Bubblemapsレポート投稿
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
サムネイル:Shutterstockのライセンス許諾により使用

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